7月4日(金)22:00から放送開始の新ドラマ、『家族狩り』です。
予告PV
公式HP
http://www.tbs.co.jp/kazokugari/
ワタクシ、数年前まで本の虫でしたが、その時期にコチラ、天童荒太さんの長編小説(全5部)の『家族狩り』を拝読いたしました。コチラ↓

『家族狩り』
◇第1部:幻世(まぼろよ)の祈り
◇第2部:遭難者の夢
◇第3部:贈られた手
◇第4部:巡礼者たち
◇第5部:まだ遠い光
総ページ数2000ページくらいでした。。。相当に根気が必要です。
5,6年前は、新刊が発行されて数年がたってて、文庫本も多く出回ってましたから、ブックオフで100円で売ってましたね。ドラマ始まるとなると、値段上がるかも?
天童荒太さんは、2009年に『悼む人』という作品で直木賞を受賞、初期の作品『永遠の仔』、こちらも5部作で、すべて読ませていただきました。
天童荒太さんの作品のほとんどは、人が人である限り永遠に抱え続けるであろう倫理的問題、倫理的課題、というのがストーリー背景に敷かれています。
あくまでフィクションですが、本の中でその登場人物たちに踏み越えてはならないその倫理の線を敢えて踏み越えさせることで、社会に対して問題を投げかけ、そしてひとつの解決方法を提唱しているような、ワタクシはそんな印象を受けます。
天童荒太さんの文才は素晴らしく、いつもワタクシを本の世界に引き込んでくれました。
通常、ミリオンセラーを叩きだした小説というのは、テレビ業界が黙っていないものでこぞって映画化、連続テレビドラマ化に動き出します。挙げればキリがないですが、最近だと横山秀雄のクライマーズハイとか東野圭吾のガリレオシリーズとか。
上述の永遠の仔、こちらも出版翌年に連続テレビドラマ化されています。
で、今回初版から20年以上も経過した作品が、映像化されるのはなんでかな、と。
時代背景とメディアの戦略があるでしょうね。
天童荒太さんの作品、大作&秀作ばかりですが、テーマがテーマだけに正直気分が滅入ります。
ボリュームが同程度の家族狩りと永遠の仔の発行時期と主要タイトル受賞時期を比較してみますと、
『家族狩り』
◇発行日:1995年11月 新潮社(単行本)
◇受賞 :1996年 第9回山本周五郎賞
『永遠の仔』
◇発行日:1999年03月 幻冬舎(単行本)
◇受賞 :2000年 第53回日本推理作家協会賞
『このミステリーがすごい!』国内部門1位
となっております。
1995年はどんな時代だったかというと、1993年の景気後退期、通説でいうところのバブル(ワタクシは「バブル」とは思っていない。単なる「狂乱」です。)崩壊から2年後。
世の中は経済が低迷し、実態のないおバカな投資話に乗り続けた企業、株価低迷・損失拡大による証券会社の破綻、不良債権が雪だるま式に増え銀行が大量倒産した時代。
秀作とはいえ、そんな時代に暗さを上塗りするような作品など映画化(orテレビ化)しても見向きもされないどころか、会社は低迷、小遣いは減額、そんな中で人が汗水垂らして働いて帰宅するや、こんな暗い番組を見せられたらたまらん、みたいな、そんな風潮あったと思います。
転じて2000年、ITバブルの申し子たちが飛ぶ鳥落とす勢いで、破竹の快進撃を続けていた時代。
イケイケドンドン、テレビ業界の広告宣伝費もうなぎ昇り、話題のネタはどんどん流し、売れるときに売っとけ、みたいな。まぁ彼らもいち民間企業であって、決してボランティアでやってるわけじゃないですからね。
少子高齢化時代を迎え、今人とのあり方、家族とのあり方、子どもとの接し方、そんなファミリー視点の重要性が増している傾向にあると思われます。
昨晩更新したブログ記事、犯人鈴木の一件からも、実は海外ではこの話題=セクハラヤジ問題
が派生し、世界と比較した際の日本のジェンダー意識の低さ、それから労働時間が世界一長い、だの、広い範囲で論議されている模様で、ひとことでゆーと、いまだに日本という国はある部分でモラル後進国であり、相変わらずの事なかれ主義であったり、それらを打破し、改革すべきはずの船頭が一番のおバカであったり、頼みのアメリカさんからは「日本抜きで事を運びますか。」と言われたり、しょうもない国です。で、そろそろ出しごろかな、と。
正直なところ、天童荒太さんや、いまは亡き山崎豊子先生のような社会派(寄り)の作品を原作の意図を継承したまま映像化することは、かなりの無理があると思っています。
総じて壮大なストーリーであり、根底にある、本を通じて読者へ伝えたいこと、その肝心かなめの部分が、映像化することによって希薄化されるのではないでしょうか。
よくありますよね、海外映画の誤訳。「ん?今の訳、なんか意味わかんないぞ。」それと似たようなものです。原作者の意図を表現できない、あるいは結果として意図とは異なる表現になってしまうようなリメイク作品は世に出すべきではないとおもいますが、さて、今回の『家族狩り』や如何に・・・
天童荒太さんは大好きな作家さんなので、来週金曜22:00~
いっちょ観てみるかな~ っと