ウイルス感染症(ウイルス性呼吸器感染症)
・症状と原因
ウイルス性呼吸器感染症は、2種類あります。ネコカリシウィルスにようるものと、ネコヘルペスウィルスによるものです。
鼻炎の症状が出てきます。くしゃみや鼻汁・喉の炎症による咳などが主な症状です。症状が軽い場合は特に治療を行わなくても3~4日のうちに回復してしまいます。ただし、生後間もないネコの場合は治療が必要です。
・治療の方法
内科的治療とミルクや流動食などの食事を与えてネコの体力を保たせる保存療法を組み合わせた治療を施します。ウィルス感染に直接作用する特効薬が無いので、体力保護と二次感染を防ぐ事が大切です。
感染している猫のくしゃみなどから感染しますので、多頭飼っています猫は隔離しないといけません。
伝染性腸炎(汎白血球減少症)
・症状と原因
軽度の場合は軽い吐き気や下痢などの症状で済みますが、重度の場合は発熱や激しい嘔吐、血液が混じった下痢をします。このような場合、ネコは水分を取る事が出いないために急な脱水症状に陥ります。病原ウィルスはネコ汎白血球減少症に感染しているネコとの接触によって発病します。
猫汎白血球減少症は、「猫パルボウイルス」によって引き起こされる病気です。ウイルスの病気については、このパルボウイルスというのは、非常に環境中での抵抗性が高いウイルスです。
糞便などによって体外から排出されたウイルスは、約半年間ほど感染力を有するほどです。通常のウイルスは、生体から排出された後は急激に失活して、感染力を長期間有することはありません。
通常は経口的にウイルスを摂取することで感染しますが、まれに子宮内感染から起こり、胎児の流産・死産・生まれた胎児の小脳形成不全で小脳が侵されると、運動失調を起こしやすかったり、失明などが起こります。
・治療の方法
水分・栄養補給・電解質バランスを保つための点滴や抗生物質による内科治療を行いますワクチンを接種することが最大の予防策です。
病気にかかってしまったら、安静と保温を考えて、猫が嘔吐を繰り返す時は無理に水や食べ物を与えず安静を保つことが大切です。早期の診断が大事になります。
白血病ウイルス感染症
・症状と原因
症状的には猫エイズウィルスの症状に似ております。猫エイズウィルスの症状の違いとして、本来病原菌を攻撃する正常な白血球が減少することがあげられております。感染経路は、主に猫同士のケンカによる接触での感染で、、多くの猫が生きている地域では必然的に感染率があがります。
症状は、子猫や若い猫が突然、元気がなく、熱が出たり、リンパ腺が腫れたり、下痢をしたり、鼻水を垂らしたりすれば、要注意。猫白血病ウイルス感染症に感染している可能性があります。もし、感染症なら、感染から一か月前後で発症し、激しい貧血や白血球の減少、血小板の減少など、病気の進行が早い急性期特有の症状が現れています。
生後間もなく感染すれば、致死率もきわめて高く、月齢とともに急速に猫の免疫力が強くなり、四か月齢以上になれば回復率が約90%にもなる。愛猫が感染症の急性期の病気から生き延びたといっても、まだ安心はできない。急性期の後、四か月ほどの間にウイルス反応が陰性になれば、自然治癒に向かっている可能性が考えられる。
ウイルスは感染猫の血液・唾液・尿などに含まれており、多くは感染猫の分泌物により他の猫に伝染されます。ケンカなどの咬傷では高い確率で感染が起きてしまいます。それ以外にも胎盤を介しての胎児への、垂直感染や母乳からの感染も起こります。
・治療の方法
他のウィルス感染症と同じく、抗生物質を投与するなど症状の進行を抑えるため対処療法が主な治療になります。
猫に感染して増殖するウイルスを直接退治する治療法はない。最初に感染して一か月前後で発症する急性期、その一、二年後に現れ始める慢性期、それぞれの症状に対応した治療法を行っていくことが大切だ。
急性期とは、猫が自分の免疫力で懸命にウイルスと闘っている時期である。貧血がひどくて輸血が必要なら、輸血して体力の回復を図り、また、白血球が急減していれば、二次的な細菌感染を防ぐために抗生物質を投与する。そうして、猫用インターフェロンを投与して、ウイルスと闘う猫の免疫力を少しでも高めていき、自然治癒を目指すのが急性期の治療となる。
予防策は、当たり前だが、感染猫と接触させないことである。そのためには、室内飼いに徹する必要がある。また、出産後の母子感染の確率がきわめて高いため、ウイルス検査をして感染が明らかなメス猫なら、避妊手術をして、不幸な子猫をつくらないこと。
発症の予防は飼育環境・栄養管理、ストレスから避ける事、猫の居心地の良い場所を与えてあげることが大切です。避妊・去勢は発症率を下げる可能性が示唆されています。
愛猫がウイルス感染していても、自然治癒する確率も高いので、普段から、十分な栄養と休養、快適な生活環境の保持に努めて、免疫力をなるべく低下させないことが大切になってきます。
伝染性腹膜炎
・症状と原因
猫伝染性腹膜炎は、ウイルス性疾患でコロナウイルスの一種です。コロナウイルスとは、他の動物では主に伝染性の腸炎を起こすウイルスとして知られています。症状は、猫それぞれによって様々です。
初期は一時的な食欲減退や元気消失、毛並みが悪くなる、体重減少、発熱といった典型的ではない症状を示します。他の症状は、胸腔内に胸水がたまる症状も出ることがあり、このケースでは激しい呼吸困難を起こします。
感染経路は、放し飼いや多頭飼いなど、猫が集団で生活している場所には、高い確率で感染がみられるといわれております。コロナウイルスに感染した場合、離乳したばかりの子猫では、微熱、嘔吐、下痢などの症状がみられることがありますが、成猫のほとんどは症状がみられないか、軽い下痢を起こす程度です。
・治療の方法
他のウィルス性感染症と同様に内科的治療を行います。また、腹水が大量に溜まった場合は注射器によって水を吸収してあげます。
治療方法としましては、確定した効果的な治療法が開発されてはおりません。よって、治療は主に延命をはかる治療となしますが、ステロイド剤と抗生物質を用いた治療がある程度延命効果があるようです。免疫抑制剤の使用も効果があるとの報告もあるようですが、猫によっては様々な反応で、一定の効果を上げられる薬剤は確定していないようです。
猫伝染性貧血(ヘモバルトネラ症)
・症状と原因
この病気は単独で発症することは稀で、おもにウィルス感染症などによって体力や免疫力が低下している場合に発症することがおおいです。ヘモバルトネラは赤血球の表面に取り付き赤血球を破壊してしまうためにネコは貧血を起こします。
症状は、貧血によって元気や食欲がなくなってしまう・粘膜が白くなる・呼吸のペースが速くなる・痩せるなどがみられます。それ以外に、発熱・食欲不振・元気がなくなる・体重減少・貧血が見られます。血液を採取して調べますと、赤血球表面部分にヘモバルトネラの寄生が観察されております。
この病気は原発性で起きることもありますが、多くの場合は、免疫力を弱める猫白血病ウイルス感染症・猫エイズウイルス感染症・外傷、腎臓病などに続いて起きてくるようです。他の病気に続いて出てくる場合は、貧血がよ り重大になり、しばしば命を脅かすほどになります。
・治療の方法
抗生物質や副腎皮質ステロイド薬などの内科治療を行います。貧血などの症状に対しては抗生物質は有効な薬とされております。軽度であれば、特定の抗生物質が効きます。貧血が強度の場合は、輸血の治療が必要になる場合も多いです。治療は良くなったと思っても又ぶり返すこともあるため、ある程度血液が再生してくるまで続ける必要があります。
急性腎不全(腎臓病)
・症状と原因
猫の腎臓が急に働かなくなる病気としては、雄猫のすなわち尿石症によって尿がでなくなることに続くものが多くみられます。交通事故などにより、膀胱や尿管が破裂して尿が腹腔内に貯まってしまいます。結果により尿は作れても出せない状態になって、次第に腎臓もダメージを受けます。
腎臓自体に問題がある場合が多いものの、他の病気が原因になってることが少なくありません。たとえば腎臓内の血液の量が減ってしまうと腎臓が血液をろ過できなくなり腎不全に陥ってしまいます。
症状としては脱水を起こして口の中が乾いていき、大量に水を飲んでもすぐに吐いたり尿の量が多いときです。この状態が続きます栄養まで流れ出て行きますので、 体重も落ちて抵抗力も落ちてしまいます。ただ、症状が軽い場合は治療を行えばすぐに回復できます。
・治療の方法
腎臓の状態を調べるための血液検査と尿検査を行いそれらと平行して原因となっている病気を治療していきます。また、尿毒症へ移行している場合は点滴を行い窒素化合物を体外に排出させる必要があります。
尿毒症
・症状と原因
腎臓機能の働きが低下すると本来、尿によって排出されるべきものが体内に貯まってしまいます。症状としては食欲低下・嘔吐・下痢・歩く時にふらつくなどの症状に付け加え体温低下や痙攣を起こす事もあります。
尿毒症とは腎不全の結果、尿毒素(窒素化合物、クレアチニンなど)が排出されなくなり体内に溜まるために現れる様々な症状をいいます。神経や循環器、消化器、血液など、ほとんどの器官に異常が現れます。その症状は呼吸困難、嘔吐、下痢、貧血などです。
・治療の方法
腎不全が進行すると、尿として体外に排泄されるべき毒素が 体内に蓄積されるため、全身の臓器にさまざまな障害を 起こします。この状態を尿毒症といい猫にとって非常に危険な状態である。また、慢性腎不全にかかると内科的治療による腎機能回復は殆ど期待できない。進行を遅らせる事はできます。
緊急の治療を行わなければいけないので、入院し点滴をして大量の水分を補給させます。そうすれば尿毒症の要因となっている窒素化合物を尿と同時に排出できます。状況により猫も人間同様の血液透析を行う場合も、ありますが血液自体が少ないので貧血に陥ることがあります。
治療方法はまずは血液中の窒素化合物やクレアチニンの量を測定し進行具合を調べます。その後、腎機能を回復させるための治療を行います。またそれぞれの症状に応じた薬を投与します。
腎炎(糸球体腎炎)
・症状と原因
腎臓の糸球体が炎症を起こしてしまう症状です。鼻炎や咽頭炎など上気道感染後に発病します。風邪に似た症状がしばらく続いて、血尿や体のむくみがおこり高血圧になってしまいます。免疫機能が抗体を作り、その抗体が細菌を駆除します。本来の働きは糸球体で処理されますが、量が多いと処理しきれずに糸球体で詰まってしまいます。その結果炎症が起きるので す。
症状がほとんど表れないで発症することが多いため原因を調べるのが困難です。腎不全を起こすとネフローゼと呼ばれる状態になることがあり、ネフローゼになると体がむくみ、腹水が溜まったりします。
そのほかの症状としてはほとんど無いのがこの病気の特徴でもあります。猫の腎炎は人間と違って本来、外から侵入した病原体を排除するしくみが自分自身の腎臓を攻撃するためにおこってしまいます。
・治療と方法
腎臓の炎症を抑えるために副腎皮質ホルモンを投与することもあります。そのほか、ネフローゼの場合は利尿剤を与えます。腎不全になってしまった場合はその治療を行います。
腎臓の腫瘍
・症状と原因
感染症の症状として発熱などの症状に加え食欲低下・嘔吐などの腎不全の症状が現れたりします。白血病ウィルスに感染した事が原因と考えられていまして、胃や腸などにも腫瘍ができていることが多いようです。
・治療の方法
現状ではウィルス感染症に対して直接治療することは困難なようで、対処療法が基本的な治療になってしまいます。症状の進行を抑えるために抗生物質投与による内科治療が行われます。
膀胱の腫瘍
・症状と原因
高齢になるとまれではありますが、膀胱腫瘍が発生することがあります。膀胱内の腫瘍の表面はただれやすく、過敏になることもあるので膀胱炎の症状を表す場合もあります。膀胱腫瘍の治療:膀胱腫瘍の場合、悪性の移行上皮癌(いわゆる膀胱癌)である確率が高いと言われています。
根本的な治療は難しいケースも多いのですが、化学療法(抗癌剤)や外科手術が考えられます。 近年ある種の化学療法である程度効果があるケースも報告されております。尿の回数や量が多くなり、血尿などの膀胱炎に類似した症状があらわれます。初期の段階では他の消化器系の病気を疑われますが、これらの治療の成果が上がらないと腫瘍が疑われます。
・治療の方法
猫の体力と相談しながら腫瘍を除去する外科的治療を施すようにします。