3年前、
福祉関係者からの依頼で
高齢の猫を引き取った。
これまでも、様々な事情で
ペットを手放さなければならなくなった
高齢者さんと出会ってきたが、
このときのことは、
今も、
ふとした時に
思い出す。
私たちには、なんの権限もないし、
同じことが何回起こっても
どうにもできないと
分かっているけれど、
もっと、
いっしょにいられる道は
なかったのか・・・
と。
その人は、
苦労だらけの連続だったと
いろいろな話しを
聞かせてくれた。
本当に人の人生は様々だ。
河原にいた茶トラの子猫。
可哀想で餌をあげたのが始まりで、
長年河原に通ったが、
引っ越しの時
置いていくことができなくて、
いっしょに
ここにきたと話していた。
ともに年老いたチビと、
最後まで一緒にいたい。
それが、
この人のたった一つの希望、
おそらく、
人生最後の希望だった。