動物愛護行政と警察との連携について | 特定非営利活動法人C.O.N

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兵庫県議会 平成25 決算特別委員会
(第11日 平成25年1022日)


『七つ目の質問であるが、
 動物愛護行政と警察との連携についてである。』


 
谷井いさお議員


ペットが警察に保護されるケースが多くある。
兵庫県警では、平成24年の1年間に
3,989匹もの動物(ペット)が保護されたと
聞いている。
その種類も年々増加しているものの、
約9割が犬や猫とのことである。


飼い主が判明しない犬や猫などについては、
警察から動物愛護センターなどに引き継ぎを
行っているが、いずれにせよこのように、
飼い主のマナーが年々悪化していることなど
から、このたび国は、動物愛護管理法を改正
した。


主な改正点は、ペットショップなどによる
販売方法の規制である。


例えば、対面販売の義務づけや生後8週齢
までの子犬や子猫の販売の禁止、夜8時から
朝8時までの展示や販売の禁止などである。


自治体の保健所において、飼い主からの
引き取りを拒否することが可能となった
ことも大きな改正点である。


しかし、一番正すべきは飼い主のマナー
である。

 
今回の改正により、

ペットを遺棄した場合、100万円以下の罰金

殺傷した場合は、2年以下の懲役
または200万円以下の罰金


虐待を行った場合100万円以下の罰金


が科せられることになった。


しかしながら、法律は改正されたものの
果たしてこのような事案を取り締まることが
できるのか、大変疑問である。



イギリスやアメリカには、
通称アニマルポリスという組織が存在する。


法律に基づき、動物の虐待や飼い主の義務
違反を捜査、告訴、逮捕、指導するととも
に、動物を保護する活動を行っている。


ペットを正しく飼育しないことも虐待とみなす。


イギリスでは、アニマルポリスは大変人気で
毎年2,000人もの応募があるようだが、採用
20人程度で大変難関な仕事になっている。


2001
年度に告訴された事案での有罪判決は、
2,500件以上に上ったそうだ。



また、アメリカでは州によって異なるが、
一般的には、逮捕権のある人はわずかで、
動物保護団体の方や獣医と組んで調査を
行っているようである。


違法性が分かれば勧告し、それでもだめ
であれば、警察などによって逮捕する
ことが一般的であるようだ。



日本では、動物愛護管理法が改正された
ものの、動物虐待を直接取り締まる組織
がなく、実際には意味がないのが現状で
ある。


動物虐待は、人への犯罪につながる恐れ
があるとの認識を我々も強く持つべきで
あると思う。



本県では、
動物愛護管理法に基づき、動物
愛護
推進員を委嘱されているが、
動物愛護
推進員の実績についてお伺いするとともに
イギリスやアメリカのように、
動物愛護管理法に基づく研修を強化し、
動物愛護行政と警察とを連携させる役割を、
動物愛護推進員に委ねることも検討しては
どうかと考えるが、


動物愛護行政と警察との連携について
どのような方針を持っているのか、
併せてご所見をお伺いする。




  兵庫県)健康福祉部長

動物愛護推進員は、動物の愛護及び管理に関する
法律第
38条に基づく、地域における動物愛護
推進に熱意と識見を持った民間ボランティアであり
現在、県内では175名を委嘱をしている。


この推進員の活動は、動物愛護や不妊措置等に
ついての地域での普及啓発それから適正な飼養を
推進するために県が行う講習会等への協力をいた
だいているほか、虐待や遺棄の事例を探知した
場合に県に情報提供をいただいている。
 

このような中で、行政と警察の連携としては、
悪質な放し飼いや咬傷事故、虐待や遺棄が
疑われる事例等に対して、情報の共有や動物の
飼育場所への同行等、県と警察が連携をして
対応した事例が、平成24年度では63件の実績
である。



いずれにせよ、地域での動物愛護の推進には、
動物愛護推進員の活動が不可欠であること
から、研修会等によりさらなる資質向上を図る
とともに、今後は、
推進員からの虐待事例等の
情報提供のシステムを強化し、これに基づき
行政と警察とが連携した対応を適切に実施して
いく。



なお、ご指摘の虐待等の取り締まりに係る対応
であるが、飼育場所への立入権、捜査権が与え
られていないという課題もあるので、
行政等への情報提供に加えて、
動物愛護推進員
がどのような役割を担うことができるのか
今後、研究していきたいと考えている。



 
谷井いさお議員

今、太田健康福祉部長からご答弁をいただいた
訳であるが、ぜひとも警察からも積極的に、
こういった事案については関わっていただきたい。


本当に警察は大変多忙であるので、
いろいろあるかと思うが、ぜひとも
塩川警察本部長におかれても、
そういった周知もしっかりとお願いしたいので
要望をさせていただきたいと思う。


            (兵庫県議会会議録)



                             
 
   
全国初!アニマルポリス・ホットライン(兵庫県警)
http://ameblo.jp/cat-operation-net/theme-10076715021.html