土砂降りの朝。





傘に叩きつける激しい雨の音。





踊る雨粒。





微かに煙る視界。





傘の下は、外界と切り離された自分だけの小さな世界。





いつもの道をただひたすらに黙々と歩く。





雨音と足音だけが耳に響く世界で、自然と思考と妄想が巡り始める。





次々に流れていく思考。





前日観た映画の影響か、舞台は学校。





映画の作中、何度も流れる校歌。





校歌…校歌……うっすらと残る記憶をかき集める。





確か、こんな歌だった……





脳内で再生し、歌ってみると、驚くことに今でも小学校の校歌をしっかりと覚えている。





中学の校歌を思い出せないのに、小学校は思い出せる。





なぜだろう。





城山の桜の花に 花開く春の喜び

幸せが幸せが 胸にあふれる

我ら東校の子供よ

窓開けて空を仰げば 空青く

かがやく光よ かがやく光よ





そしてその校歌をアレンジした、学校独自のマーチング曲があった。





曲名は東小マーチ。





毎年の運動会で、お昼休憩が終わると高学年の生徒が校庭をマーチングした。





田舎だから校庭は広い。





冬の体育ではスキーの練習ができるくらいに広い。





ドラム隊や、鉄琴隊、木琴隊に、リコーダー隊やピアニカ隊。





音楽隊に彩りを添えるのは、ポンポン隊やバトン隊。そしてカラーフラッグ。





それぞれの隊を率いる指揮者、そして総合指揮者。





軍隊さながらにビシッと規律の整ったマーチングは、とても素晴らしく、評判がよかった。





6年生のときには市政何十周年とかのイベントで、市内の全小学校の生徒が市内を練り歩く大規模なパレードがあった。





東小マーチを脳内で再生しながら、あのマーチングを思い出す。





なぜだろう……





懐かしい記憶に、胸がグッと締め付けられた。





涙が出そうな程に。











会社や外出先での必需品✨️

ポッケに忍ばせるようになって

いつでも安心(笑)