【シリーズYMO伝説第七回】84年各メンバーのソロ活動、細野ノンスタンダード・レーベル設立 | カジュアルズレコード・ブログ

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福岡の通販専門アナログレコード店「カジュアルズレコード」。Webショップとブログ、ツイッターの効果的な連動に試行錯誤の日々です。

このシリーズではYMO関連のレコードをまとめています。まとまった入荷があるときに随時更新しています。掲載しているレコードはすべて「アナログレコード」となります。ジャケ写の下に当ショップへの直リン貼っておきます。

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YMOは83年末のジャパンツアーをもって「散開」しますが、84年明けてすぐにその時の模様を収録した2枚組みライヴ・アルバム「アフター・サーヴィス」をリリースします。「東風」から「以心電信」までオールタイム・ベストの選曲で、坂本龍一アレンジによるバッキング・トラックは非常にスッキリ整理されてて聴きやすい。中でも「テクノポリス~ライディーン」のメドレーは今、「神メドレー」と称されYMOを知らない若い世代にも高い支持を得ています。

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YMO / AFTER SERVICE (アフター・サーヴィス) (LP)



こちらは93年にレーザーディスクでリリースされた「YMO伝説」。上記YMO散開コンサートの12月22日日本武道館公演を収録し、84年5月にNHKで特番放映されたものです。(当商品はレーザーディスクです。ご注意下さい。)

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YMO伝説 1983年散開コンサートat武道館 (Laser Disc)



すでに「ミディ」レコードに移籍していた坂本龍一は10月に4thソロ・アルバム「音楽図鑑」をリリース。82~3年はYMOの解散仕事と「戦メリ」関連仕事に忙殺されており、ある意味坂本龍一のソロ活動はこのアルバムからはじまったと言って良いかもしれません。

(余談ですが、YMO末期の坂本龍一は「YMO後始末仕事(「君に、胸キュン。」、「浮気なぼくらインスツルメンタル」、YMOジャパンツアー(散開コンサート)のバッキングトラック制作など)」という、大変な仕事を一手に引き受けています。「ライディーン」のヒット以降、YMOを忌み嫌った坂本龍一が最後に「職人」としてきれいに仕事を始末した様は非常に感銘を受けます。一方「テクノデリック」以降、YMOの仕事にはほとんどノータッチだった細野晴臣はやはり「芸術家」タイプなのでしょう。この両名のYMO中~後期における「逆転現象」は非常に興味深いものがあります。)

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坂本龍一 / 音楽図鑑 (LP)



「スペース・インベーダー」ではじまったYMOを終わらせた後、細野晴臣が最初に取り掛かったのがゲーム音楽の仕事というのも、後の日本におけるファミコン大ブーム~ゲーム文化の定着~進化を予感させる象徴的な出来事でした。当時サブカル層の支持を集めた「ゼビウス」をリミックスした12インチレコードや「ナムコ」のアーケード・ゲームのBGMを収録した日本初の「ゲーム・ミュージック」コンピレーション「ビデオ・ゲーム・ミュージック」のプロデュースを手掛けました。

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V.A. (細野晴臣) / ビデオ・ゲーム・ミュージック (LP)



YMO解散後の最重要のトピックは細野晴臣の「ノン・スタンダード」レーベル設立が挙げられるでしょう。正直セールス的には失敗したレーベルですが、結果論を言えば90年代「渋谷系」の基礎を造った重要なレーベルとなりました。設立第一弾の12インチ「メイキング・オブ・ノン・スタンダード・ミュージック」には、20名近い漫画家、作家が参加した単行本「グロビュール」が付属しており、「ノン・スタ」のコンセプトを表すイメージ作品がこれでもかとばかりに収録されています。細野の「ノン・スタ」に賭ける凄まじい意気込みが感じられるパッケージです。

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細野晴臣 / Making Of Non-Standard Music (LP)



この年の末にリリースされた細野のアルバム「S-F-X」は日本の電子音楽史上に残る最重要作!ヒップホップからの影響を隠さない、サンプラーとリズムマシーンを駆使した偏執的なまでのデジタル・ビートの追及はまさに「ネクスト・レベルのエレクトリック・ミュージック」に到達しています。近年人気の「Perfume」をはじめ、電子音楽~打ち込みものが好きな方は絶対必聴の大名盤です!

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細野晴臣 / S-F-X (LP)



一方高橋幸宏はこの年、堅実な活動を重ねていました。こちらは前年のコンサートの模様を収録したライヴ・アルバム「タイム・アンド・プレイス」。「アルファ」時代の幸宏ソロ・ベスト選曲的な内容でノリノリです!

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高橋幸宏 / Time And Place (LP)



10月にリリースしたアルバム「ワイルド&ムーディ」は幸宏が再び海外市場(主にイギリス)にターゲットを定めた作品で全曲英語詞作品。硬質なデジタル・ファンク・ビートは今聴いてもクールでカッコ良いです。結局海外でのセールスは振るわず(かなわず?)、海外再進出は断念したようですが。

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高橋幸宏 / WILD & MOODY (LP)



この年、幸宏プロデュースでユニークな作品は、三宅裕司率いる劇団「スーパー・エキセントリック・シアター」とのコラボレーション「ニッポノミックス」。YMO「サーヴィス」での共演に続く第2弾です。「S.E.T.」のギャグと幸宏によるコミックソング的な楽曲を織り交ぜた構成。YMOとスネークマン・ショーの「増殖」にはじまり、YMO以外にも実は数多くの芸人により制作された「ギャグ・レコード」もYMOの解散と共に音楽市場からほぼ姿を消すこととなります。

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スーパー・エキセントリック・シアター / ニッポノミクス (LP)



次回は「85年は分岐点。YENレーベル終焉とノンスタンダードの若手発掘」です!


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