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 三田藩九鬼家の菩提寺であった心月院には、吉田首相の下でGHQとの交渉にあたり、退官後は東北電力の会長などを務めた白洲次郎の墓がある。
 白洲家は三田藩士の家系で、次郎は英国留学の経験を生かして、戦後の困難な時期に国益を主張した数少ない日本人だった。しかし、滅私奉公のタイプでもなく個人主義を貫いた人だったらしい。
 墓は妻の正子と並んでいて梵字が刻まれている。