It's a Beautiful World! -2ページ目

It's a Beautiful World!

夜が明けたら/CastingAroundドラムヒロヤユウコの日々のお話です

瞬きの間に季節はめぐり、夏がやってきました。

 

夏という言葉に心が沸き立たないのは、わたしが人生の夏を通り過ぎてしまったからか、どんどんひどくなるこの酷暑のせいか。

それでも夏の夜風に吹かれる瞬間は、郷愁のような、憧憬のような、あらがえないなにかにざわざわしたりもするのです。

 

そんな夏に、ひさしぶりに東京でライブをすることになりました。

 

たぶんわたしたちがライブをしてもしなくても、世界は1ミリも動きはしないだろうとは思うのですが、わたしはわたしの心が1ミリでもいいから動いてほしいと思います。

わたしの世界がざわざわなりますように。

 

なかなかライブに行くというのも日常ではなくなってしまった昨今ですが、お時間あればぜひ遊びにきてください!

Musica para la paz
@高円寺clubROOTS
open18:00/start18:30

前売¥2,500/当日¥3,000 1D別(¥500)

出演: algorithm / Penguin in the bathroom / Laundry Rocket / DreadNought / 夜が明けたら / アバウトチルドレン
 

夜が明けたらは21:20頃に出演します。

 

 

平和で楽しくて、それだけで充分なのに充分じゃないのはなんでなんだろうね。

心が沸き立たないことをもどかしく思うのはなんでなんだろう。

 

どんな季節ものがさずにいたいと、いずれ過ぎゆく今をこの目に焼き付けておきたい思うのは、遠い遠い昔の命燃やして生きていた頃の習慣みたいなものかもしれないけれど。

 

花火があがって、残り火のようなキラキラが流れ星みたいに落ちていく瞬間がいちばん好きとかなたくんが言ってました。
あぁ、たぶん、きっとそんな感じ。

最期のきらめきに、願いを込めて。

 

image

image

image

 

そして6年の月日が流れ、次なるステージに進む春がやってきました。

 

先日、かなたくんは6年間通った保育園を無事卒業し、昨日小学校に入学しました。
月並みですが、時の経つのははやすぎました。

願わくばまだ幼い子供でいてくれて、この穏やかで凪のような日々があと10年くらいは続いてほしいのに、人生は残酷ですね。

あまりの時のはやさにいつも気持ちが追い付けないことばかりです。

こどもたちは振り返ることもなく進んでいくばかりだけどね。

それこそが若さというものだね。

 

新しい生活が始まり、ただいま物理的にはとても忙しくて体力的には疲れていますが、気持ちのうえでは誰かのために頑張るというのはずいぶん楽なことかもしれないと思います。

そう言うと語弊があるかもしれないけれどね。

誰かのために頑張るのは、頑張ること自体が目的であっても責められることもなく、頑張ることがとても尊いことのように扱ってもらえるような気がします。

自分のためにだけ頑張っていたときは、頑張っていること自体になど価値はなく、ただ結果が必要で、その結果を全部自分で受け止めなければなりませんでした。

そしてわたしのその結果はいつも目をそむけたくなるものばかりで、わたしはいつも自分に腹を立てていたし、いつもみじめでした。

だけど誰かのために頑張るときは結果の価値を量ったりはしないし、それがなんであれ携われたこと自体からなにかあたたかな満たされるものを受け取れているように思います。

 

なんてのんきなことを言えているのは、かなたくんが自身が頑張ってくれたからだけなのかもしれないけれど。

 

これからさらにいろんなことを知って大きくなっていくなかで、わたしはかなたくんには決して過分な期待をすることなく、ほどよく「頑張る」をできたらよいかなと思います。
そして自分自身にとっては、その結果のすべてを受け止めなければならないヒリヒリした痛みを伴う「頑張る」をもう少し放棄しないでいたいかなと思います。

 

次の季節もきっと瞬きのあいだに過ぎていくからね、そのすべてを見逃さないよう目をこらしていたいです。

 

 

卒園旅行に行ってきました。

 

かなたくんが生まれる前は休みのたびに自転車や18きっぷで貧乏旅行をしていたのですが、かなたくん誕生以降はそんなことはできるはずものなく…でしたが、もう保育園も卒園ということでそろそろかなたくんも一緒にそんな旅を解禁しようということでの卒園旅行でした。

 

行き先はずっと行きたかった伊豆諸島。

あまり遠くは厳しいかなと思い、式根島と新島にしました。

 

とはいえ、竹芝よりフェリーで9時間。

さるびあ丸の2等船室のとても狭いスペースにぎゅうぎゅうにごろ寝していきました。

 

海からの東京夜景がきれい。

 

船の上から朝焼け。

 

天気もよくて青い海がきれいです。

 

式根島は周囲12キロ、人口500人のとてもちいさな島です。

港まで宿の方が迎えにきてくださったので、荷物をおいてから電動自転車で島めぐりしました。

 

 

海はきれいで風が気持ちよくて最高でした。

車もほとんど通らないのどかな道でなんだか懐かしく、それでいて特別で、ひさしぶりに世界を美しいと思えました。

 

 

 

 

 

 

絶対にきてみたかったのはここ地鉈温泉。

海のすぐそばにあってとても熱いのですが、満潮時には海から波が入ってちょうどよい温度になります。
1日2回、満潮の前後が入り時です。

 

 

波の音を聞いて、絶景を眺めて、もう、最高でした。

これまでいろんな温泉に入り続けてきましたが、間違いなくランキング上位です。

 

 

 

 

居合わせたひとたちとお湯につかりながらずっと話して、この感じもすごく懐かしかったです。

コロナ以降こんなことなかったので、なんだかすべて戻ってきたようで感動でした。

 

太陽が沈むのを待ちながら座っていたのもいつぶりだろう。

 

 

 

新鮮な魚がおいしすぎました。

式根島・新島はくさやが名産ということでそれもチャレンジしました。

世界に5番目に臭い食べ物とのことだったので身構えましたが、普通においしいおさかなでした。

 

 

次の日にはあと2軒の野天風呂にもいってみました。

 

松が下雅湯はいい湯加減。
一緒にはいったプロのカメラマンさんに写真いただきました。

 

 

足付温泉は冷たすぎて入れず。温泉内を魚泳いでました。

 

 

島を旅行していると何度も同じひとに出会ってだんだん仲良くなるのも楽しみのひとつです。

みんな挨拶してくれて、優しい世界がとてもうれしかったです。
式根島をたつフェリー乗り場でそんなみなさんと再会し、次の目的地が同じ人、帰るひと、たくさん話して手を振ってわかれました。

 

 

 

わたしたちは新島へ。

 

新島は式根島のすぐ近くなのに、雰囲気が全然違いました。

 

有名なサーフスポットの羽生浦海岸。

すごい荒波で海の色もとてもきれい。

 

 

 

 

モヤイもたくさんいました。

 

 

こちらの島は神殿風の湯の浜露天温泉。

式根島のワイルドさとは違って、かなりきれいに整備されていましたがどちらも素晴らしかったです。

式根島も新島の露天風呂は全部無料です。近くにあったら毎日でも来たいですね。

 

 

夜ごはんのお刺身は同じ宿に泊まっておられた釣り旅にこられたひとたちが釣ったさかなでした。

12時間かけてヨットできたそうです。とてもおいしかったです。

 

 

自転車で島を走って、海辺を歩いて、温泉入って、おさかな食べて。

ただ空の下を、海渡る風に吹かれて、誰かと話して、なんてことないようでここにしかない特別で。

ひさしぶりにただ世界を美しいと思い、ただ大好きだなと思えました。

耳をふさぎたくなるようなあふれる雑音もなく、心からの自由を感じました。

なんだかいろいろ取り戻したような気がするよ。

 

 

image

 

 

帰りもフェリーで7時間でしたが、島で仲良くなったかたがわたしたちの食べ損ねた島寿司をわけてくださったりでとても楽しい帰り道でした。

 

 

その方もお店が閉まっているところをわざわざ頼んで作ってもらったりされた貴重なお寿司なのに惜しみなくわけてくださり、こんなおいしいお寿司はなかったです。

 

1週間前に急に思い立って決めた旅行でしたが、予想をはるかにこえる感動ばかりで素晴らしかったです。

なんだろうね、いつも世界はわたしが必要としたときにちゃんと必要なものをくれるんだね。

 

かなたくんはきっと忘れてしまうだろうけど、これもまたどこかでかなたくんを作るなにかになってくれたらうれしいです。
もちろんわたしにとっても、またひとつわたしを作る何かになりました。
 

かなたくんは雑魚寝も平気なようだったのでこれからはもっとレベルアップしていけるかな。
また一緒にどこかに行きたいです。

 

日々は一区切りの前に、素晴らしい時間を過ごせて本当によかったです。

出会ったすべてのものに、ひとに、ありがとう。

 

image

 

新年あけましておめでとうございます。

あっという間に2022年も暮れていき、新しい年がやってきました。
今年のおやすみは東京にて穏やかに過ごしています。

穏やかで楽しくて幸せを感じる瞬間もたくさんで、これが積み重なって永遠になってくれればいいなと思う一方で、あたらしい日々にはまた眩暈がするようなまばゆい刹那に飲み込まれたい衝動も感じています。
むしろこの決して自分には手に入れることのない相反するものたちに焦がれる痛みこそが求めているものかもしれないけれど。

2023年というはるか遠くまできても、やはり自分は自分であることを痛感せずにはいられません。
いつもその事実がわたしを穴に落としてきたけれど、あたらしい年にはそれが光となってくれることを願うばかりです。
今こそ、それが光となってくれることを。


年末には2022年の振り返りをしたいなと思いつつ、忙殺されていつの間にか過ぎていってしまいました。
2022年はその出来事を文字面だけで見ると、厳しさも苦しさも感じずにはいられない1年でしたが、過ぎていってしまうとなんだかとても意味のあるあたたかな余韻を感じています。

再生、そして再会の日々でした。
いろんなものをなくしたけれど、いろんなものを取り戻した日々でもありました。
自分は誰だったかを考え続けた日々でした。
そしてすぐそばでただ前にのみ進む命に、変わらぬ優しさに背中を押された日々でした。

遅くなってしまいましたが、2022年わたしにかかわってくれたすべてのひとにありがとうを。
2023年もどうぞよろしくお願いいたします。


最近自分のおはなしも自分の写真を撮るのもなんだかずいぶん苦手になってしまったので、備忘録程度にほんのちょっとだけ2022年の思い出写真を。

image

image

image

image

image

image

image

image

image

image

image

image

image

image

痛みもよろこびも。
夢も挫折も。
愛も孤独も。


ぜんぶぜんぶ、この街から始まったんだ。

image

12月9日、福岡でのライブ、無事終了しました。
本当に語彙力なくしてしまうくらい、ただただ楽しくて最高しかでてきません!

3年ぶりの福岡、もう何年ぶりかもわからないくらい久しぶりに共演する人たち、どんな顔して会えばいいんだろう、何が起こるんだろう、ライブが決まってからこの日までいろいろ考えてきましたが、すべてが想像以上でした。
楽しくてうれしくて幸せで。
大人になりすぎたわたしは心が動くことも、伝えたいことも全然なくなって、果たして自分にはこれ以上音楽をやる理由があるのだろうかなんて思ってもいたけど、楽しいが溢れすぎて好きが溢れすぎてこれ以上の理由なんてなかったです。
爆音に溺れる瞬間が好き、自分たちの分身のような曲が好き、それを演奏する瞬間が好き、ライブハウスが好き、そこに集まる人が好き、これまで音楽やってきて出会ってきたみんなが好き、福岡の街が好き、好きと言える自分が好き。
ホントに溢れすぎました。
これがこの一瞬のはかないきらめきだったとしても、この瞬間のためだけに命を燃やせるなんて何にもかえがたい幸せだったね。
この福岡遠征にかかわってくださったすべてのみなさんにありがとうを伝えたいです。
本当にありがとうございました!

image

イベントの出演、この日は3組のアーティストの方々と共演させていただきました。
ひさびさの東健介氏。健介氏とは15年くらい前、一緒にバンドしてそれはそれはお世話になったのでした。

それからなかなか一緒にやる機会も会う機会もなかったのですが、この日ひさびさにあえて、変わらずそれでいて進化を続けている歌を聞けて、一緒に飲んで騒いでホントにうれしかったです。
あの頃からそのロックな生き様に何度も背中を押されてきましたが、相変わらずかっこよかったです。
いろいろ思い出しました。
迷ってばかりで未熟だった自分にどれだけ勇気をくれたことか。
そして変わらず続けているまっすぐにぶれない歌にまた勇気をもらったことか。
最高です。ロックです。
ホントにありがとうございました!

Kakkin & The Flat Stoneさんとは初めてご一緒させていただきましたが、とても上手で素晴らしい演奏でした。
とにかく完璧で、伝えるのに技術というものがとても大切だということを痛感しました。

無限放送44さん。この日のベースは、健介氏とともに15年前に同じバンドで演奏させてもらった博多のヤマさんでした。
ヤマさんにも健介氏同様、その当時、本当に本当にお世話になったのでした。

 

image

ギターボーカルの井垣さんとドラムの石塚さんにはかれこれ20年前くらいにUnilimited Broadcastというバンドをされている頃に出会ったのですが、初めてライブを見た時の衝撃はいまでも忘れません。
ステージをめちゃくちゃに転げまわる井垣さん。心から楽しそうな石塚さん。
勢いに圧倒され、そのライブの楽しさに盛り上がり、それでいて心の奥底にぐさりと刺さるような名曲たち。
何度も何度もライブを見てはそのたびに元気をもらって大好きなバンドでした。

その魂は健在で、この日も何度もぐっときて泣きそうでした。
なんだか自分の人生を歌われている気がして泣きながら笑いたくなるんです。
ヤマさんのベースもバリバリではまってて最高にかっこよくて最高に楽しかったです!

なんだろう、ホントにこの日出演されたみなさんと同じステージに立てる日がまた来るなんて夢のようでした。
辞めなくてよかったとちょっとだけ自分を誇りに思いたい気分でした。

本当に歳を重ねてくると心が動くことはどんどん少なくなり、簡単には感動できなくて、情熱も薄れてきてただ命をすり減らしているだけだと痛感する日々です。
福岡の街で一生懸命生きて輝いていた頃の自分を思い出すと、情けなくてみじめな気持ちにもなります。
今回すっかり変わってしまった自分で福岡に帰り、それを見られることが正直怖かったです。
でもそのボロボロの姿もそのままさらす以外の方法はなくて、覚悟を決めてきて、そしてすべて終わったあと、これでよかったんだと思えました。
いつの日にも、ありのままで、この瞬間にはこの瞬間にしかできない音楽を奏で続けてよかったんだと思えました。
たくさん考えても何も見つからなかったのにね。

この日、いとも簡単にわたしの心は動いてしまったのでした。


気持ちが溢れすぎてしまって打ち上げでは調子に乗りすぎてしまいましたが、それもまたよい思い出…かな。
みんな楽しかったならそれでよしだね。

 

image

 

image


image

おまけは福岡ツアーの食の思い出。

ラーメンは結局3杯しか食べられませんでした。

image

 

翌日の牡蠣小屋ではわたしは途中まで全く使い物にならず…あまり食べれず心残りいっぱいです。

 

image

 

image

 

ふとっぱらでラーソーメンが精いっぱいでした。

image

 

image

 

コロナやそれぞれの人生の出来事もあって、ライブがあまりできない日々が続きましたが、福岡でたくさんの楽しいと勇気という栄養をもらったのでこれからはもっと心に水をあげながら頑張っていきたいです。
遠くない未来に福岡に帰ってまたライブしたいし、東京でも活動していきたいです。
新曲も作りたいし、音源も作りたいです!
そしてまたみんなに会って、よろこんだり楽しんだり、時に傷ついたりしながら生きていることを感じていたいです。


何度でも、またこの街から、

はじめよう。


本当にありがとうございました!

【2022.12.9 セットリスト】

1. はじまりの街
2. レインボウ
3. 楽園
4. Starry Night
5. 天使の夕暮れ
6. 星に願いを
7. alternative