結局ほとんど眠れないまま朝を迎えての出勤でした。
あまりにも当たり前に、音もなく滑り出した毎日。
ひさしぶりのオフィスに入る瞬間はなんだか緊張したし、マウスを持つことすら新鮮でしたが、10分もすれば体になじんでいきました。
同じチームの数人に楽しかった?と聞かれた程度であとはいつも通り仕事が始まり、何も変わらない日々のスタートです。
あの空も、あの雪も、あの海も、夢だったんじゃないかって思うくらい、変わらない日常。
情熱は誰かに伝えることもなく、積もらないこの街の雪のようにアスファルトに溶けるんだ。
なんだか帰ってきた途端に風邪をひいたみたいで1日ずいぶんきつかったですが、あっという間に終わりました。
仕事の帰りにはコンタクトを作りに行ってきました。
実は旅に出てすぐ、コンタクトの度数があっていないことに気づいたのです。
愕然としました。
これまでこの目で過ごしていたのにどうして気づかなかったんだろう。
そうか、いつも同じ景色とパソコンのモニタと携帯の画面しか見ていなかったんだ。
わたしは何も見ていなかったんです。
そこにあることを知っているものだけを見て。
目をこらさなくても見えるものだけを見て。
近くを見て、そこにある情報に世界を見た気になっていたのです。
この目で世界を見ようとしてなんかなかったのです。
それに気づかされてものすごく自分にショックを受け、とりあえず帰国したらすぐにコンタクトを作りに行こうと思っていたので、ふらふらになりながらもそれだけは果たしてきました。
目が悪すぎて取り寄せに3日くらいかかるそうですが、診察はしてもらいました。
もっと遠くを見よう。
この世界のどんな色も、どんなカタチも逃さないように。
見えない言葉を見つけよう。
変わらない今日。
そんなことない。
どんなに日常は変わらなくても、世界もわたしもこの瞬間だって変わり続けているんだ。
空の色に、海の色に、わたしは何を見つけるのだろう。