流星をあきらめられなくて、冬の海まで行ってみたけどやはり見ることができませんでした。
それでも静かで冷たい誰もいない冬の砂浜は、まるで切り取られた別世界のように不思議に美しく、特別な景色でした。
どんな一瞬だって、どんな場所だって、二度と同じものなんてない、このすべてがかけがえのないきらめきなんだよ。
幼い頃、大人になっていくことは、両手いっぱい抱えきれないくらいたくさんのものを手に入れていくことだと思っていました。
できないことなんてなにもない、そんな強さを身につけていくことだと思っていました。
流れていく時の中で、何もわからず手探りで、一生懸命に何かを選んで生きてきて、大人になっていくことは失っていくことだと思いました。
少しずつ進んでいく中で、気がつけばわたしたちは二度と戻れない場所にたどりつくんだね。
幼い頃、特別な日に届く、大好きな人たちからの言葉はただひたすらに嬉しいものでした。
幸せですべてがきらめいて見えていました。
今はそんな輝きにわたしはなんだか訳もなく弱くなってしまいそうになるのです。
ひとりでいれば平気なのに、誰かの熱に触れるたびにどうしてこんなに孤独になってしまうのだろう。
生きていくために失うことも、
愛するために孤独を知ることも、
きっと回避してはいけないことなんだ。
それを受け止めていかなきゃいけないんだ。
流れ星は見えなくても、願いは届かなくても、
目に映るものすべてを美しいと思う心で、世界を愛して生きていくことを、
わたしがこの手で選んだのだから。
