ふるさとの庭は春爛漫、花ざかりの季節でした。
空高く、藤の花は風に揺れています。
名前も知らないちいさな黄色いバラのアーチ。
咲き乱れる春の花が花壇を彩ります。
わたしが子供の頃、このちいさな庭が好きでいつも眺めていました。
いつしかもっと自分の描く姿の庭にしたいと、高校生の頃には自分で草花を植えたりもしていました。
その頃種をまいたミントが今ではずいぶん大きくなっていました。
わたしはもうすっかり忘れてしまっていたのに、わたしの撒いた種は芽を出し、大きくなって、こうして今も生きているんだね。
このちいさな庭の美しさが大好きで、いつもここから広い世界を夢見ていたなぁと幼い日々を思い出しました。
わたしはいつか世界中の美しさをこの目で見てまわるんだ。
そうやっていつもこの場所、ひだまりの中で空を見上げていました。
その夢は、
きっと今も。


