この一瞬を全部忘れないように。
満開の夜桜を見に、誰もいない静かな真夜中の公園に行きました。
夜の闇のなか、ほのかな灯りに照らされてひっそりと咲く美しい桜の下を歩きました。
こんな風にこの街を歩くなんて想像もできなかったよ。
花びらに触れた夜、ためらいながら踏み出した一歩は今、こうして少しだけ確かな歩みになって、また思いがけない未来にわたしを連れていってくれるのかな。
切なさもちいさな痛みも見ないフリしていよう。
あふれる心をくだらない言葉でかき消したよ。
そんな一瞬がいまはかけがえのない愛しさなのです。
朝がくれば風に舞い消えていくとしても、
どうしようもなく触れていたいんだ。
夜桜の下で。



