優しい風。
春の匂い。
こんなにも胸を締め付けるなにかに立ちすくんで、もう何度目の季節だろう。
ホントとかウソだとか、本気とか冗談だとか、そんなカテゴライズに何の意味があるのかな。
ずっと変わらないことがこの一瞬のきらめきよりも価値があるだなんて誰が決めたの?
言葉という約束がこの言葉をなくした夜よりも意味があるだなんて誰が決めたの?
どうしようもなく焦がれて追いかけて求めた、それはきっとそんなカタチじゃないんだ。
優しい風。
春の匂い。
少しだけ懐かしい、かすかな痛みが愛しくて、立ち止まってしまうよ。
風に舞う花になって空に溶けていきたいよ。
あと少し、季節が変わる前に。