電車はついに山口県まで戻ってきました。
窓の外は見慣れた景色です。
山陽地方はどんな季節でも同じ色のような気がします。
おひさまの光を浴びすぎた干し草のような色です。
この色を見つけるたびにわたしは少しほっとして、同時に言いようのない焦燥感を感じます。
そんな見慣れた故郷の色は何より今は休日の終わりの色です。
今という時が、ここという場所がわたしにとってどんなものだったかはもしかすると長い旅路の果てに振り返って初めてわかるものかもしれません。
それでもひとつ終わればまたひとつ始まる終わりのない旅路の中で、たとえ今の意味などわからなくとも、その時々で見上げた空がどんな色でもその美しさをちゃんと見つけられる自分でありたいと思います。
あぁ、ただいままであと少しだよ。
この短い冬の日々に見つけた美しい色もすべて忘れないでいられるようにそっと瞳を閉じてあと少し揺られていこう。
