自転車に乗っておでかけしました。
さすがに3ヶ月ぶりの自転車でいきなりロードは怖かったので、ママチャリででかけました。
自転車で防府を走っていると、ぽかぽかあたたかい冬の日差しと懐かしい匂いに思いました。
あぁ、ふるさとの冬ってこんなだったなぁ。
防府の冬は、東北の冬とはもちろんのこと、福岡の冬とも東京の冬とも全然違います。
うまく説明できないけど、この街だけにある冬の色や匂いがあって、それはとても穏やかで心地よくて、この感じをわたしはずっと忘れていたけど、今日感じて一気にいろんなことを思い出しました。
この街で過ごしていた10代のわたしは、せっせと図書館に通う文学少女で、本を読むことと日記を書くことが大好きで、どこでどんな風に読む(書く)、というシチュエーションにも自分の中ですごくこだわっていました。
そのわたしがイチバン好きだったシチュエーションがこの冬の陽だまりの中だったのです。
自分の部屋の窓際の一段高くなったところに、ひざを立てて座って、窓を開けて、ブランケットをかけて、お気に入りのカップにはティーバックじゃなく葉っぱで入れたわたしのこだわりミルクティーを持っていってました。
少し冷たく心地よい風が窓の外に広がる田んぼから吹き抜けてきて、開いたページの上に落ちる金色の光に、ミルク色の空の向こうにあこがれの物語の世界を想像してみたり、まだ幼すぎて言葉にできないもどかしい感情に心をかき乱されたり、冬の陽だまりの中のわたしだけの時間はとてもきれいで、ちょっとだけ切なくて、すごく大切な時間でした。
そんなことすっかり忘れていたのですが、今日懐かしいこの冬の匂いを感じて、いろんな気持ちまで一気によみがえってきました。
笑ってしまうくらい幼くて、泣けちゃうくらい若かった、あの頃。
この街の冬の陽だまりは今も変わらず優しくて、手をかざすと指先からきらきらの光がゆっくりこぼれ落ちていくようです。
