10月になりました。
すっかり秋の匂いの風に誘われ、タンスの奥に眠っていた長袖の服をひっぱりだし、ひとり秋空の下をさまよっています。
黄金色に染まるたんぼ、そのわきに咲き乱れる彼岸花、揺れるコスモス、いつの間にかもうあたりは秋色でいっぱいです。
移りゆく季節にはどうしてこんなに切なくなるのでしょうか。
わたしが初めて自分のこの感情をせつないという言葉で表現したのは14歳の秋のことです。
わたしが今でも一番好きな作家モンゴメリの「黄金の道」という作品を夜更けまで読んで感動に震えて涙がとまらなくて初めて日記というものを記し、そこにその感情をせつないと表現したのです。
幼い幼いわたしがすべてはうつろいゆくことを感覚的に感じた夜でした。
生きていくほどにいろんな感情を知り、その果てしなさに途方にくれて、こんな季節には立ち止まってただただ泣きたくなるけれど、今わたしは行かねばならないのです。
行かなくちゃ。
どんな感情もひとつ残らず詰め込んで。
