満月です。
福岡の街に浮かぶ満月の美しさに導かれてずっと歩いてきました。
静かな川沿いをたどり、華やぐ天神の街をぬけて、花の香りと虫の音の平和台を越えて。
昼間の熱の過ぎ去った夜の街には、涼しい風が吹き抜けて銀色の月光が不思議なほど穏やかに降り注いでいます。
そう、この道を何度もこんな風に帰ったんだね。
泣きながら、笑いながら。
怒りながら、はしゃぎながら。
そして何度も何度も輝く月を見上げたんだね。
ねえ、あなたは今夜もこんなにも美しく光を注いでくれるんだね。
今はもう帰り道さえなくしてしまったわたしにも。