イギリス人のMD、そして20名の国籍がバラバラなアナリスト。
まったく日本語を使わない環境。
これ以上の不安要素はあり得なかったが、同時にワクワクした。
まるで新入社員にでもなった気分。
6ヶ月間の経験はかけがえのないものとなり、自分に足りない部分を知る機会となった。
この20人のアナリストとMDは事あるごとに日本について私に尋ねてきた。
初めのうちは日本について尋ねてくる彼らに対して警戒してしまった。
というのも、ロンドンの日系企業であからさまに日本人に対するヘイトスピーチを何回か経験したからである。
ロンドンの日系企業で気が付いたのだが、日本人以外のロンドン採用の社員の中には日本人を好意的に思っていない人たちもいる。
そんなに日本や日本人が嫌ならばさっさと転職した方が自分のキャリアのためにいいだろうと思うのであるが、事情があって会社を辞めない人もいるのであろう。
彼らは日本企業の商習慣や組織でのコミュニケーションについて違和感を持っていることが多い。
それを補おうとしない経営陣や人事部に対して憤りを感じるが、経営陣も駐在員で固められているためなかなか長期的視野で問題に取り組むことができないのであろうか。
話を戻すが、このカナリーウォーフで出会った20人は初めて会った日本人の同僚とその母国に興味津々で色々な質問や話題が飛び出す。
例えば、
ーヒキコモリって本当にいるの?
ー僕はフランス人だからアニメについて知ってるよ
ー日本語を教えて
ー僕は中学生の時にうちの学校に日本から交換留学生が来たんだ
ー合気道を習ってるんだ。だから日本語で挨拶できるよ
ースコットランド民謡を日本人が知ってるの?すごい!
ー僕のおじさんが日本の会社で仕事をしてたんだ
ーピーターラビットって日本でそんなに人気があるの?
ーブラムリーアップルって日本人も知ってるの?
一生懸命に日本のことを話してくれる。
最初は警戒して固まってしまったが、彼らの素直に楽しく話している様子を見て日本のことを話すのが嬉しくなった。
そのうちMDまで「日本って世界的にみてリサイクル率が低い国ってデータを見つけたよ!」と日本ネタに乗って来た。
それから大阪にあるオーストリア人がデザインしたダイオキシンが出ない見た目がド派手なゴミ焼却場の話題になり、ドイツ人の同僚が「うちの近所にもこれと似た建物があるよ!」と部内で盛り上がった。
MDは朝8時から夜は7時まで働く典型的な投資銀行出身の金融マンであり、暇さえあれば部内のメンバーの席まで足を運んでコミュニケーションを取るように努めている。
異様なほどのメールを朝から処理して、殺人的なスケジュールの会議に出席するのだが、いつも前向き思考な頼れる上司である。
アナリスト達は夜遅くまで毎日残業をこなし、さらには週末にまで出勤して仕事をこなしている。
日本企業と違ったのが、アシスタントだからといって秘書業務だけでは終わらなかった。
アナリスト達の仕事の手伝いやMDがさばききれない仕事を手伝うことで、アナリストの仕事やルールについて学ぶことができた。
勇気を出して「私にも手伝えることがあればどんどん仕事を振ってください」と声をかけ、仕事を覚えさせてもらった。
空いた時間にはアナリスト達が担当している会社の業務内容などをチェックし、彼らをサポートできるように努めた。
やる気さえあればチャンスを与えてくれる職場だった。
そういう意味では日本で勤めていた環境と似ている。
日本では外資系でCFOのアシスタントをしていた。
初めは秘書として雇われたが、CFOの抱えるプロジェクトを補佐するようになり、やがてプロジェクトをメインで切り盛りする立場になった。
その外資系が特殊な会社だったのかもしれないが、社員に足りない能力を外部のトレーニングに出席させ仕事にフィードバックさせていた。
従って、人事評価もシビアであったが、やる気があればどんどん仕事を任せてもらえる環境だった。
ロンドンの日系企業はというと、とある会社では同じくアシスタントとして入社した日本人ではないロンドン採用の社員はチャンスをもらえてトレーニングにも出席できても、日本人ロンドン採用の私にはそのようなチャンスはあげられないと日本人上司からきっぱりと言われてしまった。
同じ職場で長年仕事をしている日本人のロンドン採用のアシスタントたちも同じような目にあっているようだった。
向上心があって、ロンドンで自分のキャリアを広げてみたいのであれば、現地の会社に就職すべきである。
現地企業には、日本人もナニジンもない。あるのは能力での区別である。
まったく日本語を使わない環境。
これ以上の不安要素はあり得なかったが、同時にワクワクした。
まるで新入社員にでもなった気分。
6ヶ月間の経験はかけがえのないものとなり、自分に足りない部分を知る機会となった。
この20人のアナリストとMDは事あるごとに日本について私に尋ねてきた。
初めのうちは日本について尋ねてくる彼らに対して警戒してしまった。
というのも、ロンドンの日系企業であからさまに日本人に対するヘイトスピーチを何回か経験したからである。
ロンドンの日系企業で気が付いたのだが、日本人以外のロンドン採用の社員の中には日本人を好意的に思っていない人たちもいる。
そんなに日本や日本人が嫌ならばさっさと転職した方が自分のキャリアのためにいいだろうと思うのであるが、事情があって会社を辞めない人もいるのであろう。
彼らは日本企業の商習慣や組織でのコミュニケーションについて違和感を持っていることが多い。
それを補おうとしない経営陣や人事部に対して憤りを感じるが、経営陣も駐在員で固められているためなかなか長期的視野で問題に取り組むことができないのであろうか。
話を戻すが、このカナリーウォーフで出会った20人は初めて会った日本人の同僚とその母国に興味津々で色々な質問や話題が飛び出す。
例えば、
ーヒキコモリって本当にいるの?
ー僕はフランス人だからアニメについて知ってるよ
ー日本語を教えて
ー僕は中学生の時にうちの学校に日本から交換留学生が来たんだ
ー合気道を習ってるんだ。だから日本語で挨拶できるよ
ースコットランド民謡を日本人が知ってるの?すごい!
ー僕のおじさんが日本の会社で仕事をしてたんだ
ーピーターラビットって日本でそんなに人気があるの?
ーブラムリーアップルって日本人も知ってるの?
一生懸命に日本のことを話してくれる。
最初は警戒して固まってしまったが、彼らの素直に楽しく話している様子を見て日本のことを話すのが嬉しくなった。
そのうちMDまで「日本って世界的にみてリサイクル率が低い国ってデータを見つけたよ!」と日本ネタに乗って来た。
それから大阪にあるオーストリア人がデザインしたダイオキシンが出ない見た目がド派手なゴミ焼却場の話題になり、ドイツ人の同僚が「うちの近所にもこれと似た建物があるよ!」と部内で盛り上がった。
MDは朝8時から夜は7時まで働く典型的な投資銀行出身の金融マンであり、暇さえあれば部内のメンバーの席まで足を運んでコミュニケーションを取るように努めている。
異様なほどのメールを朝から処理して、殺人的なスケジュールの会議に出席するのだが、いつも前向き思考な頼れる上司である。
アナリスト達は夜遅くまで毎日残業をこなし、さらには週末にまで出勤して仕事をこなしている。
日本企業と違ったのが、アシスタントだからといって秘書業務だけでは終わらなかった。
アナリスト達の仕事の手伝いやMDがさばききれない仕事を手伝うことで、アナリストの仕事やルールについて学ぶことができた。
勇気を出して「私にも手伝えることがあればどんどん仕事を振ってください」と声をかけ、仕事を覚えさせてもらった。
空いた時間にはアナリスト達が担当している会社の業務内容などをチェックし、彼らをサポートできるように努めた。
やる気さえあればチャンスを与えてくれる職場だった。
そういう意味では日本で勤めていた環境と似ている。
日本では外資系でCFOのアシスタントをしていた。
初めは秘書として雇われたが、CFOの抱えるプロジェクトを補佐するようになり、やがてプロジェクトをメインで切り盛りする立場になった。
その外資系が特殊な会社だったのかもしれないが、社員に足りない能力を外部のトレーニングに出席させ仕事にフィードバックさせていた。
従って、人事評価もシビアであったが、やる気があればどんどん仕事を任せてもらえる環境だった。
ロンドンの日系企業はというと、とある会社では同じくアシスタントとして入社した日本人ではないロンドン採用の社員はチャンスをもらえてトレーニングにも出席できても、日本人ロンドン採用の私にはそのようなチャンスはあげられないと日本人上司からきっぱりと言われてしまった。
同じ職場で長年仕事をしている日本人のロンドン採用のアシスタントたちも同じような目にあっているようだった。
向上心があって、ロンドンで自分のキャリアを広げてみたいのであれば、現地の会社に就職すべきである。
現地企業には、日本人もナニジンもない。あるのは能力での区別である。