ポストたずねて三千里 -19ページ目

いま光る緑につつまれて

ポストたずねて三千里                                         

      緑の若葉がキラキラ・・・





走る人  野にひともとの樫立つ

    冬の日の老いた幹と枝は

    いま光る緑につつまれて

    野の道のほとりに立つ

        ~「伊東静雄詩集」より~





    明るい五月の陽光に

    柿の木の若葉が照り輝いて 

    います。




    石巻のがれきの野に

    鯉のぼりがへんぽんと

    ひるがえっているのを

    見ました。





    絶望の海のなかで

    希望を捨てずに泳ぐ

    鯉のぼりの姿に




    胸をうたれない人は

    ないでしょう。

    




    しかし鯉のぼりの

    泳ぎ方の

    なんと

    無邪気で

    天真ランマンで

    悲壮なこと。

    涙が出ました。





    アメリカ大統領のオバマ氏は

    オサマ・ビンラディン射殺の写真を

    公開しないと発表しました。





    ニューヨークのグラウンド・ゼロに

    集まってオサマ・ビンラディンへの

    報復を果たしたことを歓喜して

    気勢をあげたアメリカ人たちとは

    別に、





    オバマ大統領の写真公開せずとの

    決定に疑問を呈する冷静なアメリカ人も

    少なからずいることに注目したいの

    です。





    それにしてもアメリカという国は複雑です。

    オサマにたいして”射殺または拘束”という

    指示が出されていたといいます。

    ”射殺”が先。”拘束”はつけたしみたい。





    オサマに「ジェロニモ」という暗号名を

    つけていたといいます。

    なんたる無神経さでしょう。

    勇敢なアパッチ族の子孫が聞いたら

    なんとおもうでしょうか。



    この無神経さは、命令したものを殺す

    ことは正義である、真珠湾攻撃を

    命令した山本五十六元帥を殺したこと

    と同じだと言う論理にも通じます。





    どうやら日本の真珠湾攻撃と

    9・11テロとを同列に談じているように

    思えます。こういうことをアメリカの

    田舎のおっちゃんが言ってるのでなく

    政府高官が堂々とマイクの前で

    発言していることが不思議です。

。  




    「あんた気は確かかね?」と言いたく

    なります。

     




     でも、アメリカという国はこんな変な

    人ばかりではなく、ちゃんと

    心配りの行き届いたまともな人が

    たくさんいることも

    私は知っています。

年年歳歳

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       年年歳歳花相似たり



走る人 年年歳歳花相似たり

   歳歳年年人同じからず




  ことしも公園の八重桜が

みごとに花を開きました。




 こどもがぶらさがるのに

ちょうどよい枝ぶりだから





 このサクラの木はこどもに

愛されて、こどもが枝に

ぶらさがるものですから、

枝という枝が

つぎつぎに折られていった

のですが、




 残ったわずかばかりの枝

に、見事な八重のサクラの花

を咲かせるのです。

 感動です。




 「週刊新潮」のグラビア写真に

「人なき町の鯉のぼり」という

写真が載っていました。




 15メートルもありそうな大きな木

の上から三分の一くらいの高さの

ところに鯉のぼりが風になびいて

います。





 古老のはなしでは、

「あれは人があそこに掛けたのでは

ないよ。

 津波に流されてあそこに

ひっかかったのだよ。」





 一見、だれかが木に結び付けた

のように見えますが、よく見ると、

鯉のほかに電信柱みたいなのが

枝に横たわっていたり、




 ぼろぎれがぶら下がっていたり

しています。

 それにしても、鯉のぼりが風に

なびく様は見ていて心がなごみ

ます。




 ひとのいない町に鯉のぼりが

なびく。

 この風景こそ「沈黙の春」の

風景です。




 もうひとつグラビアに

浪江町をあるきまわる犬が

でてきます。

 ラブラドール・リトリーバー

の白ですが、

これも誰もいない町のなかを

さまよう一匹の犬だけがいる

風景です。

 








国壊菅氏在

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       城春にして草木深し




走る人東京新聞に投書がのったと

聞き笑ってしまいました。

 



 ”国壊菅氏在”




 ”国壊れて菅氏あり”

このあといろいろあって

最後は

 ”船頭多くして船山に登る”

で終わっています。



 お医者さんらしいのですが、

気の効いた漢詩をつくったもの

です。 



 旧制中学では漢文という授業が

ありまして、シナの古典を習い

ました。




 これも杜甫の詩の一部です。

 もとの詩は

 国破山河在 城春草木深

”国破れて山河あり 城春にして草木ふかし”




 この詩では国が戦争に負けて

廃墟になったけれども、

草や木は春になれば芽吹いて

いつもどおり美しいすがたを見せてくれる

とうたっています。




 菅氏の場合はどうでしょう。

 原発が破壊されて放射能をだしつづけ、

人々は逃げ出し、無人の荒野が

あとに残りつつあります。

 三春の滝桜は無心に花を

咲かせていますが、

これを見に来る人は何年つづくの

でしょうか。




 だれもいない荒野のなかに

ぽつんと滝桜だけが

立っている




 そんな風景が見えてきます。

 レイチェル・カーソンが書いた

「沈黙の春」の風景が、いま、

福島で実現しつつあるような

予感がしてなりません。





 杜甫の詩はこうつづきます。


”感時花濺涙 恨別鳥驚心”

”時に感じては花にも涙をそそぎ

別れをうらんでは鳥にも心を驚かす”



弘明寺~大岡川ぶらり散歩⑤

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       赤いトタン張りの家


走る人最戸橋のバス停から道路を

へだてた対岸を見ると、





 赤い家がみえました。





 ”赤い”のは、

 トタンの錆びた色。



  こういうトタン張りは

たいてい工場か倉庫です。

 




 この赤い家は、

以前ここを通ったときも

ありました。





 これよりすこし

弘明寺よりの道路際に

むかし

木造モルタルの古い

アパートが建って

いましたが、

いまは

新しいビルに建て替わって

います。




私は木造モルタルとか

トタン張りの工場など

昭和30年代の

建築物が大好きです

から、

この赤い家が

いつまで

残っているか

祈る思いで

写真を撮りました。




外国の新聞は

「日本人には

”がまん”という言葉が

ある、すばらしい」とか、




「このような非常時にも

かかわらず、日本人は

”どうぞお先に”と

他人に譲る精神がある。

すばらしい」とか、

べた褒めです。





また、昨夜のBS1で、

マイケル・サンデルの

「白熱授業」が東京、上海、

ボストンを中継でつないて

放送されましたが、

その中でアメリカの女子学生が

「今度の異常な災害で日本人が

しめした沈着冷静さと

礼儀正しさに人間として

の誇りを感じた」と

共感をしめしたのにたいし、




おなじアメリカの大学生(外見

では中国系でテキサス人)が

「そのような日本人に

国境を越えた共感は感じない、

まず自分の家族、地域が先」

と語っていました。




また上海の学生は

「中国から日本へ支援を

送ったが、国と国との関係に

おいては別にかわらないと

思う」と語っていました。

中国人の日本人への見方、

感じ方がよくわかります。




サンデル教授は

「コミュニティーの境界が

今度の日本の災害を機に

一挙に広がるのではないか」

との仮説を打ち出したかった

ように見受けましたが、

中国人の現実主義に

あっさり阻まれた感が

ありました。




しかし、災害は

日本を変えるチャンス

ではあります。




それなのに、

ああそれなのに、

いっこうに

後藤新平のような

ヴィジョンをかかげる人物が

あらわれません。





今の日本人の限界

なのでしょうかね。





弘明寺~大岡川ぶらり散歩④

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       最戸橋バス停留所





走る人 大岡川から離れて

上大岡の方へ歩きました。

気温は20度ちかくまであがり

しだいに汗ばんできました。






 最戸橋というバス停留所に

でました。

 さいとばし。

 <さいと>とはおそらく

<道祖神>の意味でしょう。

ドンド焼きの同義語としても

つかわれます。

道祖神はサエノカミ、セイノカミ、

ともよばれ、サイトのお祭りが

ドンド焼きです。

毎年正月14日に各地で

おこなわれます。




 群馬、神奈川、長野などの

地方がとくに盛んです。

 ドンド焼きをする場所を

<さいとば>といいます。

さいとの場所という意味でしょう。




 最戸橋の周辺には

きっと今でもドンド焼きの

場所があるはずです。


弘明寺~大岡川ぶらり散歩③

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        草むらの中の猫




走る人 お昼を食べるのに入った

レストランで

窓のそばの席に

すわることが

できました。




 できたというわけは、

窓から美しいしだれ桜を

眺める権利を得た、

という意味です。




 しかしながら、

しだれ桜はまだ満開では

ありませんでした。




 川べりの草むらが

見えます。

その草むらの中を

一匹の黒猫が歩いて

います。




 しだれ桜の代わりに

黒猫のダンスを見ることに

なりました。




 ほんとうにダンスを

おどるのです。

黒猫は草むらの中の

バッタかななにかを

追いかけている

みたいでしたが

楽しげに

飛びまわって

いました。




 黒猫は黒猫の日常を

淡々と生きているのでしょう。

私も私の日常を

淡々と生きていこうと

思いました。




 

弘明寺~大岡川ぶらり散歩②

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      大岡川と岸辺のサクラ





走る人大岡川は、

両岸に堆積した土が

いつしか緑なす岸辺を

かたちづくり、




それが

コンクリートの護岸堤防の

無粋を

たくみ

隠してくれています。




 田舎の川に見られるような

岸辺の緑を洗うように

水が流れる、



そんな

おだやかな風情が

多少は残っている川です。




 「福島県がなくなって

しまう!」

という叫びは、なんと切実な

叫びでしょう。





 






弘明寺~大岡川ぶらり散歩①

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        弘明寺の散歩道




走る人 大岡川のサクラを見ようと

弘明寺へ出かけて

みました。




 日曜日ということもあって、

地下鉄弘明寺駅の階段を上る

とき

まわりは、大勢の人で

一杯でした。





 商店街の人ごみを抜けだして

大岡川沿いの散歩道を歩きます。





 天気は上々とはいえないけれど

陽の光はサンサンと降りそそぎ・・・

 それなのに、

ああそれなのに、

なぜか口をついて

でてきたメロディーは、

かぐや姫の「雨が空から降れば」

だったのです。





 「しょうがない雨の日は

 しょうがない」

 

 どうして・・・

 

 


 わかりません。

ベツレヘムの星

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         ハナニラの群落




走る人 川沿いの道を歩いていますと

ハナニラの群落をみつけました。





 上品な花です。

 それもそのはずユリ科の多年草

です。

 ”ベツレヘムの星”という別の名

をもっています。




 アメリカが提供してくれた

ロボットを東電は使っていない

のだそうです。




 使い方を知らないから、指示を

出せないのです。

 ロボットを使う人も来ているの

ですが、東電が指示を出さない

と動けないらしい。バカげた話

です。





 こんな有様では100年たっても

前へすすめないんじゃないかと

心配です。





 ある機械について、理論や原理

がわかる人がかならずしも操作で

きるとは限りません。




 現場では機械を操作する人間が

必要です。操作は理論だけでは

できません。




 ノウハウと経験が必要です。

 カメラマンを見てください。

 写真工学や光学理論を知って

いる人はカメラマンになれるか

と言えば、なれません。




 カメラマンはカメラに関する

理論をある程度知っている上に

カメラを操作する技術を習得し

さらに映像についてのセンス

を磨いた人でなければ

仕事はできません。






 東電では、ロボットを事故の

際に使う方針がなかったようです。





 だからロボットについてどう

扱うか、どのような場合に、

どんな場所で、どういう風に

使えば効果が期待できるかが、

まったくわからないのです。





 待たされているアメリカの

専門家の人たちに申し訳ない

気持ちでいっぱいです。


花ある雑草

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       道端をよく見ると・・・




走る人 雑草と簡単にかたづけては

いけません。




 雑草にもちゃんとした名前が

あります。




 写真にはオオイヌノフグリと

ヒメオドリコソウが見えます。




 タイがタービンガス発電機を

5年間貸してくれるそうです。

ありがとう。



 ヴェトナムが50メートル以上の

高さから放水できる放水車を

貸しくれるそうです。

ありがとう。




 アメリカが高い放射能のなかで

自由に動き回って写真が撮れる

戦車みたいなロボットを

日本へ送り込んでくれるそうです。

ありがとう。





 みなさん、ご親切にありがとう。