FIP 1
FIP(猫伝染性腹膜炎)は前回書いたようにコロナウイルスを原因とする病気で、
症状によってウェットタイプとドライタイプに分けられます。
ウェットタイプではお腹の中(腹水)や胸の中(胸水)に水が貯まります。
腹水がたまると、痩せているのにお腹だけが大きくなります。
1リットル近くも腹水が貯まった子を見たこともあります。
腹水が多量に貯まると、腹水のせいで胃が広がれず食欲がなくなります。、
呼吸の際に上下に動く横隔膜が腹水のせいで十分に動けず、
呼吸が苦しくなることもあります。
胸水が貯まった場合も呼吸が苦しくなります。
胸水は肺の外側に貯まる液体で、
胸水が貯まると肺が広がることができなくなって呼吸がしにくくなります。
また、胸水の量によっては心臓も圧迫し、心臓の動きも妨げることがあります。
ここまでになると非常に危険です。
ちょっとした興奮でそのまま死んでしまうこともあります。
続きます。
コロナウイルス感染症
世間ではコロナウイルスによる新型肺炎が大きな問題になっています。
コロナウイルスは何の症状も示さないものや軽い下痢を起こす程度のもの、
そして今回のような肺炎を起こすものなど多種多様です。
ワンちゃん、ネコちゃんにもコロナウイルスによる病気があります。
ワンちゃんのコロナウイルス感染症は下痢を主症状とするもので、
子犬でなければそれほど重篤な症状を示しません。
同じように下痢や嘔吐を起こすパルボウイルスと混合感染すると厄介ですが、
パルボウイルスを予防しておけば問題ないので、
絶対に接種されるべきとされるコアワクチンには含まれていません。
ネコちゃんのコロナウイルス感染症もほとんどは無症状か軽い下痢を起こすぐらいです。
しかし、感染したコロナウイルスが体内で突然変異を起こし、
FIP(猫伝染性腹膜炎)という重篤な病気を引き起こすことがあります。
続きます。
