「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」
カジノ必勝法の極意はこの一文に集約される。
すなわち、敵(カジノ)側の戦略を知り、敵がどのようにして客から利益を搾り取ろうとしているのかを分析した上で、さて、それでは、その敵側の戦術の裏を掻いて、逆にこちらが利益をかすめ取ることができる戦術が可能性として存在し、かつ、己にそれを遂行できるだけの能力があるかどうかをよく見定めることである。
そのうえで、「行ける」となった場合にだけ、出陣するのである。
その際も、戦いというものは、実際にはどこに見えない罠が隠れているかもわからないし、また事前にはなかなかわからない見落としがあったりもする。
よって、いきなり全兵力を傾けて総攻撃するのではなく、最初はできるだけ小さい兵力で試しの勝負を行ってみて、それでうまくいくようなら徐々に大きな兵力を動員していくのがよろしい。
トム所長の一番好きな、ポーカーに限定してこれをカスタマイズすると、
敵(テーブルの各プレーヤー)の技量と己の技量を比べて、己の技量が勝ることがほぽ明らかな時にだけプレイする。
なんと簡単なことか!
簡単すぎる。
ただ、己の技量があまりにもせつないと、勝てる相手がなかなか見つからず苦労するので、そこはやはり日頃の鍛錬によってできるだけ技量を磨いておかなければ、「言うは易し、行うは難し」になってしまう。
でも、いくらそこそこ高い技量があっても、自信過剰で自分より強いか同等レベルのプレイヤーとばかりやっていたら、それこそ身ぐるみはがされることにしかならないので、この格言はポーカーにおいてもっとも重要なものであると考える。
このことの重要性に比べれば、バンクロールコントロール等の話は、控えめに言って、まあたいしたことはない。
それと、あと、ポーカーにおいては、意外に地の利とか、条件の持つ意味も大きい。
まず、地の利というのは、日本人にとってはアウェーの不利である。
テーブルの多くのメンバーが地元のゴロツキどもで、彼らが半ばタッグを組んでよそ者に挑んでくるような場合がある。
そういう場合は、やはり相当に不利である。
なので、よほど技量に大差があると確信できない限り、そういう場は避けた方が良い。
少なくとも、ある程度勝ったら、すぐに勝ち逃げするべきである。
もっと勝てる、などと考えるべきではない。
彼らがよそ者であるあなたを手をこまねいてそのまま勝ち続けさせることは、端的に言って、まず無い。
必ずや、何らかのトラブルが発生するだろう。
トラブルが発生する前に、さっさと立ち去るべきだ。
このアウェーの不利は、ポイペトやマカオやフィリピンのいくつかのテーブルで強く感じた。
ポイペトにおいては大変な技量の差があったため最終的には勝つことができたが、まあ、信じられないくらい大変だった。バッドビートが信じられないくらい酷かったのもあるが。
マカオにおいては幸いにして勝ち逃げをすることができたが、フィリピンではいかさまなどの罠にはまって、どえらいめに遭わされてしまった。
気づいた時点ですぐに退散はしたが。
次に、条件だが、これはカジノ側の提供条件。
主にコミッションだが、その他のコンプやその他のフリーフード、ドリンクなどのサービスも含まれる。
この、コミッションが異常に大きいと、勝つことが急速に困難になる。
コミッションは小さければ小さいほどいいのだけど、フィリピンのような、平均でポット額の10%超も取られるような異常コミッションでは、ほぼどんなプレイヤーでも勝つことは至難の業となるであろう。
まあ、高くても平均で5%以下程度でないと、ちょっと厳しいと思う。
聞いた話では、韓国なども、ちょっとコミッション高すぎて厳しいのでは、と思う。
韓国は行ける、という話もあるし、行ったことないのでわからないが。
まあ行くことは多分無いと思うけど。(笑)
最後に、まとめると、世にあまた存在する、カジノ負け組(負けたくて負けてる人は除く)のほとんど全ては、敵と己の戦力比較ができていないことに起因して負けている、と断言できる。