~前回のあらすじ~
黄泉の国から戻ったイザナギが身体を水で清めると、
アマテラス、ツクヨミ、スサノオが誕生した。
中でもスサノオの我がままに手を焼かされ、
イザナギはスサノオを追放する。
追放されたスサノオは、姉アマテラスの元に向かい、
しばらく高天原に居候することとなった。
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誓約(うけい)によりアマテラスに勝ったスサノオは、
姉の治める高天原で好きなように振舞った。
周りの者達も、統治者の弟であるがゆえ何も言えず、
当のアマテラスも、スサノオの行動を全て美化してしまう始末。
田畑を荒らしてもスサノオには考えがあってやったこと。
道に糞尿を撒き散らしても、それには意味があるはずだと。
しかし、神聖な機織場(はたおりば)での出来事はそうもいかなかった。
アマテラスが神様の衣を織っていた時、
機織場の屋根に穴を開け、
天の斑馬(あめのふちむま)から剥ぎ取った皮を投げ入れてきたのだ。
これを見た天の機織女(あめのはたおりめ)は驚き、手元が狂い、
梭(ひ:織機の部品)が陰部に刺さって死んでしまう。
さすがにこれを美化することは出来ず、
スサノオを怒ることが出来ないアマテラスは、
何も言わずに天の岩屋戸を開けて中に閉じこもってしまうのであった。
・天岩戸
日を失った高天原は永久とも言える長い間、暗闇に閉ざされ、
地上(葦原中国:あしはらのなかつくに)も闇に覆われた。
闇に苦しむ神々の声は、夏の蝿のように充満し、
あらゆる禍いが全ておこった。
八百万の神(やおよろずのかみ)は集まり、
考えたことを全て実行していく。
まず常世の長鳴鳥(ながなきどり)を集めて鳴かせました。
アマテラスは出てこない。
次に有名な鍛冶師、彫金師、占い師を集め、
盛大な占いイベントを行った。
それでもアマテラスは出てこない。
次は、天の児屋根(あまのこやね)が祝詞を唱え、
岩戸の影には天の手力男(あめのたぢからを)を忍ばせ、
天の宇受売(あめのうずめ)は奇怪な恰好で踊りを舞った。
奇妙なカツラにタスキ、様々な音を踏み鳴らし、
神憑り(かみとり)をして、乳をさらけ出し、
仕舞いには陰部までさらけ出し、
八百万の神々の盛大な笑い声で高天原が鳴り響いた。
天岩戸に隠れたアマテラスは不思議に思った。
「外は暗闇のはずなのに、みんな何がそんなに楽しいんだろ?」
どうしても気になったアマテラスは、
天の石屋戸を細く開け、内から聞いてきた。
「ねぇねぇ、高天原も葦原の中つ国も暗いはずなのに、
なんでアメノウズメは楽しそうに舞ってるの?
しかも八百万の神も笑ってるし、なんでなの?」
アメノウズメは答えた。
「あなた様に勝った貴い神がいらっしゃるので、
喜んで笑っていられるのですよ。」
そう答えてる間にアメノコヤネとフトダマは、
鍛冶師に作らせた鏡をアマテラスに差し出した。
・今も祀られているその鏡
「え?なになに、どうしたのこれ。」
「その神が映ってますでしょう?」
アマテラスはいよいよ不思議に思い、
戸からほんの少し手を出した。
その瞬間、
隠れていたアメノタジカラヲがその手を掴み、
アマテラスを岩戸から引きずりだした。
フトダマはすぐさま岩戸に注連縄(しめなわ)をかけ、
「もうこれより内側に入ることは出来ません」と申し上げた。
こうしてアマテラスが出て来ると、
高天原も葦原の中つ国も、自然と明かりが戻ってきた。
ことの発端であるスサノオの処遇について、
八百万の神は相談をしました。
その結果、罪を償わせるために、
あらゆる貢物をさせ、髭を反り、手足の爪を剥いで、
高天原を追放したのであった。
追放されたスサノオは、
葦原の中つ国、地上の出雲の国へと降り立ち、
ここでも傍若無人ぶりを発揮してしまう。
-つづく-
黄泉の国から戻ったイザナギが身体を水で清めると、
アマテラス、ツクヨミ、スサノオが誕生した。
中でもスサノオの我がままに手を焼かされ、
イザナギはスサノオを追放する。
追放されたスサノオは、姉アマテラスの元に向かい、
しばらく高天原に居候することとなった。
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誓約(うけい)によりアマテラスに勝ったスサノオは、
姉の治める高天原で好きなように振舞った。
周りの者達も、統治者の弟であるがゆえ何も言えず、
当のアマテラスも、スサノオの行動を全て美化してしまう始末。
田畑を荒らしてもスサノオには考えがあってやったこと。
道に糞尿を撒き散らしても、それには意味があるはずだと。
しかし、神聖な機織場(はたおりば)での出来事はそうもいかなかった。
アマテラスが神様の衣を織っていた時、
機織場の屋根に穴を開け、
天の斑馬(あめのふちむま)から剥ぎ取った皮を投げ入れてきたのだ。
これを見た天の機織女(あめのはたおりめ)は驚き、手元が狂い、
梭(ひ:織機の部品)が陰部に刺さって死んでしまう。
さすがにこれを美化することは出来ず、
スサノオを怒ることが出来ないアマテラスは、
何も言わずに天の岩屋戸を開けて中に閉じこもってしまうのであった。
・天岩戸
日を失った高天原は永久とも言える長い間、暗闇に閉ざされ、
地上(葦原中国:あしはらのなかつくに)も闇に覆われた。
闇に苦しむ神々の声は、夏の蝿のように充満し、
あらゆる禍いが全ておこった。
八百万の神(やおよろずのかみ)は集まり、
考えたことを全て実行していく。
まず常世の長鳴鳥(ながなきどり)を集めて鳴かせました。
アマテラスは出てこない。
次に有名な鍛冶師、彫金師、占い師を集め、
盛大な占いイベントを行った。
それでもアマテラスは出てこない。
次は、天の児屋根(あまのこやね)が祝詞を唱え、
岩戸の影には天の手力男(あめのたぢからを)を忍ばせ、
天の宇受売(あめのうずめ)は奇怪な恰好で踊りを舞った。
奇妙なカツラにタスキ、様々な音を踏み鳴らし、
神憑り(かみとり)をして、乳をさらけ出し、
仕舞いには陰部までさらけ出し、
八百万の神々の盛大な笑い声で高天原が鳴り響いた。
天岩戸に隠れたアマテラスは不思議に思った。
「外は暗闇のはずなのに、みんな何がそんなに楽しいんだろ?」
どうしても気になったアマテラスは、
天の石屋戸を細く開け、内から聞いてきた。
「ねぇねぇ、高天原も葦原の中つ国も暗いはずなのに、
なんでアメノウズメは楽しそうに舞ってるの?
しかも八百万の神も笑ってるし、なんでなの?」
アメノウズメは答えた。
「あなた様に勝った貴い神がいらっしゃるので、
喜んで笑っていられるのですよ。」
そう答えてる間にアメノコヤネとフトダマは、
鍛冶師に作らせた鏡をアマテラスに差し出した。
・今も祀られているその鏡
「え?なになに、どうしたのこれ。」
「その神が映ってますでしょう?」
アマテラスはいよいよ不思議に思い、
戸からほんの少し手を出した。
その瞬間、
隠れていたアメノタジカラヲがその手を掴み、
アマテラスを岩戸から引きずりだした。
フトダマはすぐさま岩戸に注連縄(しめなわ)をかけ、
「もうこれより内側に入ることは出来ません」と申し上げた。
こうしてアマテラスが出て来ると、
高天原も葦原の中つ国も、自然と明かりが戻ってきた。
ことの発端であるスサノオの処遇について、
八百万の神は相談をしました。
その結果、罪を償わせるために、
あらゆる貢物をさせ、髭を反り、手足の爪を剥いで、
高天原を追放したのであった。
追放されたスサノオは、
葦原の中つ国、地上の出雲の国へと降り立ち、
ここでも傍若無人ぶりを発揮してしまう。
-つづく-