ポップ・ミュージックのトリコ -83ページ目

ポップ・ミュージックのトリコ

流行音楽を聴きながら、人生を音楽で豊かにしたいと願う、私的でミーハーなブログです。

 

監督

ショーン・レヴィ

 

ジャンル

アクション コメディ

 

出演

ライアン・レイノルズ as デッドプール
ヒュー・ジャックマン as ウルヴァリン
エマ・コリン as カサンドラ・ノヴァ
マシュー・マクファディン as パラドックス
モリーナ・バッカリン as ヴァネッサ
レスリー・アガムズ as アル
 

鑑賞方法
映画館(ドルビーシネマ)

 

さて久々のマーヴェル映画。

映画館はさすがに賑わっていました。

 

もう毎度味わっていてもマーヴェルのロゴとおなじみのファンファーレが鳴ると胸が高鳴ります。

ド頭からバトルシーンでスタートするのですが、なんとインシンクの”BYE BYE BYE”に合わせて踊りながらのキレキレの戦闘ですよ。

こんなもん見せられたらこの映画がどんな内容であってもケチなんかつけられません。

下品でバカバカしくて映画館で久しぶりに何度も笑い声を出してしまいました。

 

MCU映画が『アベンジャーズ エンドゲーム』でひとつの絶頂を迎えて以降、マルチバースを武器により壮大で、よりフレキシブルな展開を進めてきたマーヴェルですが、壮大かつ融通が利く世界観はどんどん膨張を続け、物語の進行という軸を失って、話が前に向かって全然進まなくなりました。

こうなると大きくなりすぎた物語は叙事性を失い、やたらとエモーショナルな感情を規律性なく同時多発的に拡大生産するだけの装置になってしまいます。

 

この難解な事情を抱えた現在にあって、マーヴェル映画は一度空気を換えようとしたのがこの作品ということになるでしょう。

 

作成に当たってマーヴェルは「そもそも顧客はエンドゲーム以降、いったいどんなアメコミ映画を求めているのか?」と考えたことでしょう。

リサーチをすべく評価の高い作品をあげると、『スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム』『ザ・フラッシュ』『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー Vol.3』などがあります。

これらの作品を重ね合わせると”ジョークばっかり言っている主人公が、負け犬のはぐれものである同志を仲間に、過去のトラウマと向き合いながら、会社の事情さえもこえて集まった世界戦の違うキャラたちと共闘して、困難を乗り越える”なんていう筋書きができあがります。

本作はそういう意味で2020年代のアメコミ映画としては王道の路線にある作品ということになるでしょう。

実際その種の作品で味わえるものと同じような種類の高揚感を得ることができる映画でした。

 

この高揚感について、私見を言えば、新しいジャンルとして定義して、他作品と区別して論じた方がいいと考えています。

 

なぜならこうした映画を評するとき、必ず”これは映画なのか?”という命題にぶつかってしまうからです。

 

例えば音楽の世界でも、日本ではジャニーズの音楽作品はポップスなのか?という議論が必ず生じます。アイドルもの、声優もの、演歌いろいろありますが、ファンが同じものをたくさん買ってチャートが荒れると、音楽ファンは残念な気持ちになって「この世の終わり」ぐらいのテンションでこの現象を非難します。

ジャニーズ作品がJ-POPという範囲で切り分けられると、どうしてもこのような摩擦が生じます。

ただ、業界的にみればもはやこれを否定することは業界の構造そのものを非難することになります。

そこで、作品単体の物語のクオリティどうこうの尺度で論じるのではなく、作品の性質で切り分けるべきで、私は”ファンムービー”というジャンルを作った方がいいのではないかと思います。

音楽業界に起こったことは必ず映画業界に起こります。ただ新しい風潮に批判的な意見を述べて拒否反応を起こすのではなく、”ファンムービー”というカテゴリーに切り分けて、例えばコメディ映画、ホラー映画を論じるように、ファンムービーはそれ特有のクオリティによって論じるべきではないか?と思います。

そして、その文脈で論じれば本作はとことんファンに向けて作られた素晴らしい映画でした。

豚骨ラーメンを好きな人がその究極の味を提供する店にいけば、濃厚でドロドロのスープのラーメンを提供するお店にたどりつくように、とことんファンムービーのおいしさを詰め込んだ映画でした。

もちろんビギナーにも良いと感じることができるクオリティではありますが、映画の面白さのチューニングは映画オタクかつアメコミオタクのレベルになっていて、まさにコアなファン層をうならせる本気度を感じる作品でした。

 

監督はショーン・レヴィはもともと『フリー・ガイ』という皆殺しを本筋とするゲームを原作とする映画で、そのゲーム内でプレイヤーに殺されるだけのモブキャラを主人公とするという負け犬に勇気と希望を託す映画を撮った作家です。しかもその劇中でエンドゲームに沸いているMCU映画をネタにおちょくるという”偉業”を遺した人物。

その彼がMCU映画を撮るわけですから、そりゃ主流のディズニーMCU映画ではなく、ディズニーに買収された20世紀FOXの連れ子となり、20世紀FOXのスタッフの大量解雇とともに存在自体が抹消される運命にあった20世紀FOXのMCUのキャラクターに焦点を合わせて映画が作られることは必然でさえあります。

 

ショーン・レヴィがアメコミの面白さを200%詰め込んだ作品は、きちんとその熱量を受け止めて評価した方が映画界にとってしあわせだと思います。

 

 

Playlist(Spotify)※最新チャート分

 

1位 "新しい恋人達に" back number

 

2位 "ライラック" Mrs.GREEN APPLE

 

3位 "恋 詰んじゃった" AKB48

 

4位 "Bling-Bang-Bang-Born" Creepy Nuts

 

5位 "FUN" OCTPATH

 

back numberが一位に。

 

 

今週のピックアップ

 

"Bloom the smile, Bloom the dream!" 蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ

 

"RISE UP" NiziU

 

"カーテンコール" 優里

 

"High Land (feat. Tiji Jojo, Vingo & YZERR)" BAD HOP

 

"Who" JIMIN

 

今週は久しぶりに新曲のうちから気に入ったものをピックアップ。

 

 

 

Playlist(Spotify)

 

1位 "A Bar Song (Tipsy)" Shaboozey

produce:S.Cook, N.Sastry

 

2位 "I Had Some Help" Post Malone feat. Morgan Wallen

produce:Hoskins, Charlie Handsome, Louis Bell

 

3位 "Not Like Us" Kendrick Lamar

produce:Mustard

 

4位 "Million Dollar Baby" Tommy Richman

produce:M.Vossberg, J.Roy, Mannyvelli, Sparkheem, Kavi

 

5位 "Espresso" Sabrina Carpenter
produce:J.Bunetta

 

 

 

Shaboozeyが首位に返り咲き。

 

 

今週のピックアップ

 

"Houdini" Eminem

 

"Habits" Eminem & White Gold

 

"Lucifer" Eminem & Sly Pyper

 

"Guilty Conscience 2" Eminem

 

"Temporary" Eminem & Skylar Grey

 

"Road Rage" Eminem, Dem Jointz & Sly Pyper

 

エミネム新作リリースということで、今週は彼のチャートイン曲が目立ちました。

アルバム・レビューネタの記事とタイミングがかぶっちゃったな。