監督
エドワード・ベルガー
ジャンル
ミステリー
出演
レイフ・ファインズ
スタンリー・トゥッチ
ジョン・リスゴー
イザベラ・ロッセリーニ
鑑賞方法
映画館 ミニシアター
なんだか近くの映画館で普段利用するところではやってなくて、昨年リニューアルオープンしたミニシアターに行くことに。
大手シネコンでもやっていたんだけどかかってるスクリーンが小さくてミニシアターより箱が小さかったのでそれなら・・・という感じで。
で、びっくりしたのが何と早めに行ったのに満席の案内。
予約しておいてよかった。久しぶりですよ満席の映画館なんて。
で、まるで全盛期のMCU映画のような熱気を感じながら臨んだのがオールジジイキャストとでもいうべき『教皇選挙』。
なぜかアルファベットの「I」の字だけ色が違う謎のオープニングクレジットで幕を開けたこの映画、冒頭はみんな爺さんで、服装も似たような僧侶の服装をしているので誰が誰か見分けつかんかも、と心配しましたがだんだん注目すべき人物が絞れてきてその人物は必ず名前を呼ばれたらアップで画面に映るので一安心。
そのうち見わけもついて無事ストーリーに没頭できるように。
何しろミステリー映画なのでそこが追えてないと楽しめないですからね。
世界中のほとんどすべての人が知らないバチカンの内部を映す映画だけに、海外の映画に出てくる忍者のような誇張もずいぶんありそうだということはさすがにわかりましたが、その分早々に、”これは漫画のようなフィクション寄りの話なんだと理解ができました。
ただ、人物設定はかなりリアルで、前教皇がかなりの改革派だったこと、その教皇の死によって、側近中の側近だった主人公のローレンスはすっかり信仰心が失われてしまっていることなんかが明らかになってゆきます。
次の教皇候補は前教皇とはずいぶん意見が違う保守派のテデスコ、これまた前教皇とは意見が合わないながら有力候補のトランブレ、教皇に即位すれば初の黒人教皇となるアデイエミ、そしてローレンスと同じく前教皇の側近中の側近だった主人公の盟友ベリーニ、そして前教皇が存在を伏せて秘密裏に枢機卿に任命していたといういかにもミステリー映画らしい設定で戦乱の地アフガニスタンのカブールから選挙に参加してきたベニテス。
彼らから一人の教皇が選ばれるまで選挙は密室状態で何度も繰り返されるというから気分はやっぱりミステリー小説を読んでいるときのような感じになります。
教皇を選ぶということで、もっと宗教色の強いものかもと思っていた印象自体は、映画の随所に登場する「そんなわけないやん」という描写、例えば指輪の金具を外すためだけのための仰々しい道具、亡き教皇の部屋を封印するのにつかわれるシーリングワックスとかで薄れて、『名探偵コナン』のような謎解きがメインであること自体は最初にチューニングされるので、レイフ・ファインズ扮するローレンスが候補者たちの教皇にふさわしくない一面を探り当てては徹底的に調べ上げて排除してゆく過程に没頭できます。
最後の最後にはアッと驚くどんでん返しもあり、最後までミステリー映画の楽しさを徹底的に味わわせてくれる作品でした。
まあ、とにかく服装が登場人物ほぼ全員が枢機卿という偉いさんばっかりなので豪華。
しかもそれを白昼堂々と描くよりは暗い部屋で陰影を強くして撮影しているので、ルネサンス期の宗教画のように重厚で美麗。
おじさん群像劇をこんなに荘厳な絵作りで見せてくれる映画って70年代のマフィアもの以来じゃないかな?
あと、おじさんばかりの中で日の丸弁当の梅干しのようにくっきりしっかりアクセントをつけてくれるのがイザベラ・ロッセリーニ。文字通り紅一点というべき配役ですが、その重責に応えるしっかりした演技でした。
テイストを宗教色を消したり人間の闇を深堀しないライトな感じにした分、120分という尺に収められていたのはいいのですが、個人的にはもう少しポップ寄りではなくて、丁寧に時系列を見せて叙事的な感じに仕上げても良かったんじゃないかな?と感じました。ただそれだと上映時間が150分は必要になるだろうから、最近の上映時間長すぎ問題からするとちょうどいい塩梅だったのだと思います。
レイフ・ファインズとはアカデミー受賞作『シンドラーのリスト』からの付き合い。
お互い年を取ったものです(笑)


