毎年恒例のIFPI(国際レコード産業連盟)が発表した世界レコード産業の売上実績を取り上げます。
2024年の世界レコード産業の売上は、パッケージ売上で前年比3.1%減となる48億ドル、ストリーミングによる売上は前年比7.3%増となる204億ドル、それにダウンロード売上8憶ドル、権利収入29億ドルと”シンクロ収入6億ドルを加えて、合計296億ドルで前年比4.8%増で依然好調に売上を伸ばしています。
ストリーミングサービスが市場を牽引していることに変わりはありませんが、中でもサブスクリプション型の有料ストリーミングは、世界売上全体の半分以上である51.2%を占めています。
国別で見るとトップ10は10位にメキシコが大躍進で入ってきました。


世界1位のアメリカは+2.2%の増
世界2位の日本はー0.2%の減
世界3位のイギリスは+4.9%の増
世界4位のドイツは+4.1%の増
世界5位の中国は+9.6%の増
世界6位のフランスは+7.5%の増
世界7位の韓国は大幅減ながら、昨年度のパッケージ売上の異常な上振れのためもあってあまり参考にならず
世界8位のカナダは+1.5%増
世界9位のブラジルは+21.7%の増
世界10位のメキシコは+15.6%の増
ということで中国、ブラジルに次いでメキシコがトップ20争いに参入。
ということで、トップ20では日本と韓国が伸び悩んでいるという結果に。
ただし、韓国はイレギュラーな数字のため来年持ち直してくる可能性が高い。
こうなると、ちょっと日本は苦しい状態にあると言わざるを得ないですね。
特に日本は円高に少し振れ始めているわけで、通常なら国家間での売上比較においてプラスに上振れするはずなのに下がっているということははっきりと売り上げがたっていないということになります。
ただ、韓国も売上減については日本向きのK-POP需要が低迷気味とのデータもあるので絶対安心とも言えません。
好調のメキシコについては、ときには麻薬大国とか不法移民とか、ダーティなイメージが誇張されがちですが、こういう数字からはアメリカへの輸出で着実に国力をつけている状況が見て取れます。
ただ、そういう状況だからこそ、アメリカから目をつけられているという実態もあって移民政策ではかなり強硬な姿勢をトランプ政権から突き付けられています。
あと、あまり経済ブロック単位での見方はしたくないのですが、
アメリカ・メキシコ・カナダ(北米)
中国・日本・韓国(東北亜)
ドイツ・イギリス・フランス(西欧)
ブラジル(南米)
とおよそ4つの地域に区分できるなか、それぞれの地域の消費の中核を担う国の隣国が利益を受ける方向にあったのに、それをむしろ止めて自国生産の流れに向かっているのはこれまでのグローバリズムの流れとは反対のナショナリズムにむかっているようで、このランキングの趨勢にも影響がありそうです。
とはいえ、
ロシア(東欧)
シンガポール・インドネシア・タイ・フィリピン(東南亜)
トルコ(西亜)
アルゼンチン(南米)
インド(南亜)
アラブ首長国連合(中東)
スウェーデン(北欧)
あたりが、着々と次のランクインを狙えるポジションに成長しつつあります。
良くも悪くも音楽産業の発展はその国の経済発展と密接に結びついています。
今までのグローバリズムによる地方分権の時代ならどんどんこれらの国が躍進する流れでしたが、覇権国による経済圏ごとの封建化が進む今の状況ではなかなか難しいものになっていくのかもしれません。