さて、昨年の改訂から1年が経過した本リスト。
2024年半ばには一部集計法のアップデートをしました。
ストリーミング時代になって、より長い期間ヒット作が聴かれ続ける環境になったことを受けてのものです。
結果一部のヒット曲が時にそのポテンシャルを超えてメガヒット、いやギガヒットするということ。
そしてその一方で資本主義社会の前提となる、毎年どんどん拡大再生産され続ける新曲の多くがアンダーグラウンドから抜け出せなくなるということを意味します。
かつては新曲発表とともに大量のコマーシャルを投下して消費をあおるのがポップ・ミュージックでも定番の販売促進方法でしたが、こういう状況になってはマスに打って出るのは投資回収がままならない非効率な戦略となります。
このように販売のルールが変わってしまった今、過去を振り返って、息長く売れた作品にもきちんと光を当てて、ポップ・ミュージック史全体でもっと長く売れたものをしっかり評価に加え、こうした選出の際に、通史としてトーンんが揃ったものにしたいというのが改訂の趣旨です。
もちろん、私が愛する作品の選出である以上、必ず偏りはありますが、そのラインナップの中で、何を推し、何を引っ込めるのかを見ながら、2025年の空気感がつかめるはずだと思っています。
それでは2025年版スタートです。
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1948年にLPが世に出てから、既に80年以上。
このフォーマットに『アルバム』という名前をつけた先人のネーミングセンスは絶妙です。
現在はデジタル流通の本格化でこの『アルバム』というフォーマットにあまり勢いがありません。
以前、mixi内で、自分のコレクションの中から、これぞ『アルバム』の魅力!というものを10枚ピックアップしましたが、あまりにもマニアックだった事もあり、今回新たに定番中の定番より、年代別に20枚ずつ集めてみたいと思います。
この作業というのが微妙で、作品の評価というのは、現在の流行との距離感などで簡単に変わっていくもので、今回選んだ物が普遍の価値のものとはなり得ません。それがまた、面白いところなのです。
まずは、60年代より20枚をチョイスします。
その1では時代の横軸。流行の広がりを主軸にとって、”人気”をバロメーターに5作品選びます。60年代に人々が味わった衝撃の音楽との出会いが蘇ります。
①『Sound of Silence』Simon and Garfunkel(1966.1.17)
②『The Doors』The Doors(1967.1.4)
③『Surrealistic Pillow』Jefferson Airplane(1967.2.1)
④『Disraeli Gears』The Cream(1967.11.2)
⑤『Layla and Other Assorted Love Song』Derek & the Dominos(1970.11.9)
"Layla"
IN
『Sound of Silence』Simon and Garfunkel(1966.1.17)
OUT
『Bridge Over Troubled Water』Simon & Garfunkel(1970.1.26)
さすがに今から60年前の音楽が急に評価を変えるようなことはなく、1作品のみの変更です。
改訂はサイモン&ガーファンクルの作品の差し替えだけで地味に見えますが、じわじわ人気を獲得した出世作が入り、代わりに人気デュオの最後の特大ヒットとなった世界待望の作品が零れ落ちたのは偶然ではありません。
ロングヒットへの比重の変更は、意外にもこうしたヒットが拡大する瞬間を掬い取るには、かなり有効な手段だという側面もあります。
今のロングヒット偏重のストリーミング時代も、こうしたじわじわヒットが拡大する瞬間を見るという醍醐味を味わえる側面があります。
ところで1970年の作品というと、「70年代」なんじゃないの?というご指摘もあろうかと思いますが、当ブログでは1970年は60年代として扱います。
理由は二つ
①紀元0年はなく、紀元1年がはじまりで、紀元1年の前の年は紀元前1年なので、10年ずつ切るとすると1年スタートにしないと最初の10年は9年しか無い(キリスト生誕のころに録音音楽の文化なんか無いわけですが)。
②ビートルズの最後の作品は一応『レット・イット・ビー』でこの作品は1970年リリース。
ポップ・ミュージック史を代表する歴史的グループの時代の節目となる最後の作品だけ70年代に入るのはちょっと微妙、ということ。
まあ、実際の活動は1969年の『アビイ・ロード』で終わっていたので蛇足といえば蛇足ですが、『レット・イット・ビー』にはまさに名曲”レット・イット・ビー”が入っているので無視できないのです。
(とはいえ最近は『レット・イット・ビー』は選考から漏れています・・・。)
このくくりにすることで、他の音楽ランキングと時代の切り取り方に違いを出せることもあるのでこのやり方で続けます。




