『クワイエット・プレイス:DAY 1』 | ポップ・ミュージックのトリコ

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流行音楽を聴きながら、人生を音楽で豊かにしたいと願う、私的でミーハーなブログです。

 

監督
マイケル・サルノスキ

ジャンル
ホラー SF

出演
ルピタ・ニョンゴ as サミラ
ジョセフ・クイン as エリック
アレックス・ウルフ
ジャイモン・フンスー as アンリ
 
鑑賞方法

映画館 行きつけの近所の映画館

自宅にて動画配信を視聴

 

映画って観るときの自分自身のコンディションでずいぶん印象がかわることがあるのですが、本作もまさしくその一つ。

映画館で観たときはあまりいい印象ではなかったのですが、家で再度観なおしてみたらものすごく感動して、何なら1作目の『クワイエット・プレイス』と同じくらい感動しました。

 

やっぱり配信で作品を観るハードルが下がったことは、こういう形で我々に恩恵を与えてくれるんだなと痛感。

やはり感想はあげとこうと思います。

 

 

さてこの映画、あのヒューマンドラマで魅せるホラー『クワイエット・プレイス』の前日譚ということで、舞台も主人公も変わってしまっているのですが出てくるエイリアンはシリーズでおなじみの設定なので、本作もそこはあまり説明なしに進みます。

 

主人公の少女が身寄りのない末期癌の患者ということで、エイリアンが来なくても、っていうか来ない方が映画としてはつらい物語になってしまうほどの設定です。

その少女がエイリアンの侵略してきた街を歩くロードムービー仕立てにもなっていて、その過程でいくつかの経験を積み、やがて最後に向かうわけですが、お涙頂戴にもしないし、安易なヒロイン物にもしないで、コンパクトにしっかりフォーカスを人物の心情の動きに当てて描き切っています。

主演のルピタ・ニョンゴの演技も素晴らしく、何やら絶望しかない設定の中で清々しい印象すらもたらしてくれる主人公の造形は彼女の仕事なしには上手くいっていないでしょう。

 

もちろんホラーなので、おっかなかったり、びっくりしたりの展開ではありますが、それだけのために作られた映画でないことは観終われば誰もがわかることです。

昨今、ホラー映画の人気が沸騰しており、今年は特にその傾向が強く、2024年は”続編映画の年”と言われていましたが、こうしておわりも近づくと”ホラー映画の年”だったと思います。

 

個人的には苦手で観るのが苦手だったホラーですが、今年一年はホラー映画を観ていなければ何の総括もできない年だけに、少し苦手意識が抜けてよかったと思います。

というか、最近のホラーものは怖さの味付けがちょっとマイルドになってるかな、とも感じますね。

生粋のホラー好きからしたら、歓迎できない事態なんでしょうけど、自分のような人間には正直ありがたいです。

武士道の言葉に”生きるとは死ぬことと見つけたり”という言葉がありますが、ホラー映画とは日常とは違う死と隣り合わせの環境に主人公が立ち向かうことになるので、命について考えるにはいいフォーマットなのかもしれません。

この映画はまさに”生きる”ということを押しつけがましくなく、でもしっかりと考えさせてくれる映画です。