2017年世界レコード産業の実績 | ポップ・ミュージックのトリコ

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毎年恒例のIFPI(国際レコード産業連盟)が発表した世界レコード産業の売上実績を取り上げます。
2017年の世界レコード産業の売上は、パッケージ売上で前年比5.4%減となる52億ドル、配信による売上は前年比19.1%増となる94億ドル、それに権利収入24億ドルと”シンクロ収入3億ドルを加えて、合計173億ドルで前年比8.1%増で過去20年で最も顕著な成長を記録した昨年をさらに上回る好況な年となりました。

昨年飛躍的に成長した米国でのストリーミングサービスががさらに売り上げを伸ばし、音楽配信が米国レコード市場の75.0%を構成するまでになりました。
一方世界第2位の市場である日本は2016年は、パッケージ売上が前年比6.1%減となり、ストリーミング売上が前年比27.8%増と貢献したものの、依然としてパッケージ売上が72.3%を占めている状況下で日本の音楽市場は3.0%減となりました。



国別で見るとトップ5は今年も相変わらずの5国。 
1位 米国(15年:50億ドル⇒16年:53億ドル⇒17年:59億ドル)世界市場シェア34%
2位 日本(15年:24億ドル⇒16年:27億ドル⇒17年:27億ドル)世界市場シェア16%
3位 独国(15年:13億ドル⇒16年:12億ドル⇒14年:13億ドル)世界市場シェア8%
4位 英国(15年:14億ドル⇒16年:13億ドル⇒17年:13億ドル)世界市場シェア8%
5位 仏国(15年:8億ドル⇒16年:8億ドル⇒14年:9億ドル)世界市場シェア5%

上位5カ国の顔ぶれは変わりませんでしたが、順位はドイツが英国を抜いて3位に上昇しました。しかし実際は英国は3年連続売り上げは上昇しており、逆にドイツは前年よりやや微減しています。
このねじれは、英ポンドの下降によって起こったもので、ブレグジットの騒動の影響が引き続き市場に影響を与えています。ドイツは移民問題の火種を鎮火し、ドイツ経済を持ち直させた結果、音楽産業では英国に競り勝ちました。
日本と米国で世界の音楽産業の50%のシェアを占めている現状はほぼ変わりません。

上位5カ国によるシェアは昨年よりまたさらに1%ダウンして71%になり上位5か国で世界の4分の3以上のシェアを占めてきた時代は3年前に終わりました。音楽産業の新興国の存在感がさらに増していることから今年も、6位以下の状況も見てゆきます。

 6位 韓国(15年:3億ドル⇒16年:3億ドル⇒17年:5億ドル)世界市場シェア3%
 7位 加国(15年:3億ドル⇒16年:4億ドル⇒14年:4億ドル)世界市場シェア2%
 8位 豪国(15年:3億ドル⇒16年:4億ドル⇒14年:4億ドル)世界市場シェア2%
 9位 伯国(15年:2億ドル⇒16年:2億ドル⇒17年:3億ドル)世界市場シェア2%
10位 中国(15年:2億ドル⇒16年:2億ドル⇒17年:3億ドル)世界市場シェア2%

韓国が2年連続で好調を維持。音楽売上の前年比46%増で昨年8位から6位に上昇。韓国はストリーミング売上の好調と同時にパッケージ売上も伸びており、2013年と比べて音楽の市場規模は2倍以上となっています。
ブラジルが前年比71%とストリーミング売上を伸ばし、加えて演奏権売り上げも好調だったことから、音楽売上を底上げし、昨年のトップ10からの転落から反転、9位に上昇しました。オランダが返り咲いてきました。
また、いよいよ10位に中国がランクイン。中国もすべてのカテゴリーで伸びがみられるものの、やはりストリーミングの浸透が大きな原動力となっています。14位⇒12位と毎年大きくランクを上げてきており、今後益々の伸びが予想されます。
各国ストリーミングの売上が伸びる一方、アナログレコードの普及も進んでおり、パッケージ売上の12%、全音楽の4%を占める存在に浮上してきています。

人口では世界を圧倒しているアジアがいよいよ音楽産業で大きな影響力を持ちつつあります。北朝鮮を睨んで、大国米国が動いています。事実上、北朝鮮は米国に届く核兵器の開発は断念しているにもかかわらず、敏感に反応しているのは、この国を取り囲むように位置する日本・韓国・中国が、どんどん大きな存在になってきている現在、避けて通れない外交案件になっているという側面も否定できません。