長いこと放置してしまったブログですが、久々に更新します。
音楽そのものはよく聴いていましたので、書くことには困らないのですがSpotify上陸前夜ということもあり、ブログのあり方については考えるところがあります。
震災前後でPCが壊れた時に失ったデータの再構築もちょくちょく手を付けていまして、ここらへんもブログに反映させていきたいなぁと考えています。
それにしても全米チャートは動きが遅い・・・。
3ヶ月まるまる更新していないのに、未だにチャート内には当時からチャートインしていた曲が少なからず存在します。
ただ、今週1位のBaauerはちょっと面白いのでようやくやる気になりました。
1位 "Harlem Shake"Baauer
produce:Baauer
今週で3週連続1位。
流行のきっかけは、オーストラリアの若者5人が作成したこのYouTube投稿動画から。
この投稿に影響を受けたたくさんの人たちがこの曲にのせて踊り狂う動画を投稿。
こうして5月にフリーダウンロードできる作品としてひっそりと世に出た曲は2013年2月に突如全米1位のヒット曲となりました。
こういう流行をInternet Memeと呼ぶらしく、なにやら「もっともらしい」言い方になっています。Memeとは、「流行の伝播」を遺伝子の世代間のコピー⇒進化になぞらえて捉え、「流行のコピー」⇒進化文化の形成に繋げて説明しようとする学説。リチャード・ドーキンスが『利己的な遺伝子』という文献で使用されて広まった言葉。
言葉のインパクトが過激な分、専ら現代社会のメディア文化の領域で使用される事になったものですが、一見利他的に見える行動がある遺伝子を守るため、と考えるとうまく説明がつく、というダーウィンの進化論と同じくらい目からウロコの学説。
先の大戦では古いダーウィニズムがナチスのゲルマン至上主義に利用され、優位性のある遺伝子は残るべきとの理屈でユダヤ人迫害が正当化されました。
一方では、敗戦色濃くなった日本では戦艦大和の船内で、船員たちは後世に教訓として活かせるなら、と激論の末、特攻の選択をしました。
自らの命脈は絶たれたとしても、日本人の遺伝子に対して遺せるものを選択した、ということでしょう。
「利己的な遺伝子」の説明がなければ、この話はただのパニックによる集団自決ということになりましょう。彼らは遺伝子というレベルで見た最良の選択をしたのだと思います。
私の子供たちはその大和で決断をし、海へ沈んだ人間の血統を引く人間ということに生物学上はなります。
願わくば私利私欲に負けず、隣人を愛し隣人に愛される謙虚さと賢明さを持っていて欲しいものです。
おっととっと、なにやらシリアスなことを書きました・・・。
まあ、いいことはどんどんコピーされ進化して広がっていけばいいです。
コピーは劣化するだけじゃなく、進化するということがあるということこそがMemeの意味合いの素晴らしさ。
"Harlem Shake"の動画ひとつ取っても、始めは豪州の若者5人の投稿からスタートしたものが、やがて、様式を完成させ(イントロで貯めて、"Do the Harlem Shake"で一気に踊りだす)、規模が大きくなるという進化を遂げているわけで、何か未来に向けた可能性を感じさせてくれるバカ騒ぎです。
2位 "Thrift Shop" Macklemore & Ryan Lewis feat. Wanz
produce:R.Lewis
20年の歳月を経て、ヴァニラ・アイスみたいな男が現れました。
いやもうエミネムが40オトコなので、そろそろ次世代白人ラッパーは必要だったのですが、なかなか真打ちが現れずもうメジャーな成功を収めるヤツはいないのか?と諦めかけていたところだったので嬉しいです。後見人はライアン・ルイス。ソロデビュー作がまさかの本国お蔵入りなんて事件もあったりして、何やら不運のオトコの印象があったのですが、起死回生の一発逆転。
3位 "When I Was Your Man" Bruno Mars
produce:The SmeeZingtons
美しいメロディーに甘酸っぱいヴォーカル。
マイケル・ジャクソンとスモーキー・ロビンソンを合体させたような才能あふれるブルーノ・マーズの最新作からのカット。
泣けてきますネ。
4位 "I Knew You Were Trouble. " Taylor Swift
produce:Max Martin, Shellback
これ一度取り上げた曲です。息が長いというk範疇を越えています。
ネット中心の社会に移行したら、もっとヒット曲のサイクルは小刻みになると思っていましたが、マスメディア中心の時代に比べて二極化の傾向が強くなり、息の長いヒットは気が遠くなるほど長く続く傾向があります。
いわゆる”ロングセラー”のさらなる深化。
5位 "Stay" Rihanna feat. Mikky Ekko
produce:M.Ekko, J.Parker
ジェイムス・テイラーなんかを思い起こさせる、気難しそうで繊細そうな白人シンガー・ソングライターとの共演。
マムフォード&サンズやルミニアーズのヒットを見ると、こういった生歌回帰の機運もようやく本格化してきたと感じます。
日本でも『ミュージックフェア』での口パク排除など、生歌回帰の流れが出てきています。
これは何もオートチューンや初音ミクなんかのテクノロジー発展への旧人類の抵抗などではありません。
それは、アンプラグドがもたらした90年代のアコースティックの流行の影で、オートチューンが劇的に進化したことが証明しています。
録音音楽はどこまでいっても擬似体験で、それを臨場感あふれるものにしようとすればするほど大変な努力が必要になります。
写実的であろうとするほど細部に細かい作業が必要になるということは絵画で見れば明らかです。
さらなる進化に向けて時代が揺れ動こうとしているのです。
10年代の本格的な幕開けがいよいよ目前に迫っています。
今週は久々の更新で気合が入りすぎました。
今週のピックアップ
"Heart Attack" Demi Lovato
デミ・ロバートの新曲。
さっと聴けば典型的な電化サウンドですが、サビの展開は結構刺激的。
”ハイブリッド”な感じの作品です。
"Just Give Me a Reason" P!nk feat. Nate Ruess
電化していたピンクもfun.のヴォーカルNate Ruessを迎えてソウルフルに歌い上げます。
このあたりAdeleの音楽界に与えた影響も相当に大きいのでしょう。
米国は現在日本以上にリスナーの耳のオトナ化が進んでいます。
まあそれもあと数年のことなのですが、そういう背景を抜きにすると、今の米国の状況が見えにくくなります。
"Next to Me" Emeli Sande
私はあまり英国音楽を推さないのですがこれは推さないわけにはいきません。
才能なんてのはもはや言わずもがな。あとはチャンスを待つのみでした。
そしていよいよ時代が彼女にチケットを手渡したのです。
彼女のアルバムが発売されて一年が経つのですが、米国での本格的なプロモーションを受けて、いよいよ世界的なブレイクに向けて動き出しました。
EMIを吸収合併したユニヴァーサルがソニーのアデル攻略に向けて本格的に狼煙を上げてきました。
2大メジャー時代の本格的な戦いがいよいよ始まりました。
"Power Trip" J. Cole feat. Miguel
この曲を聴かずして何を聴くのか?
この組み合わせが実現しただけで涙もの。
10年代を背負って行くことが運命付けられた二人の出した答えがこの渋い作品。
渋すぎやろ!!!