身売りの話が紆余曲折していた4大メジャーの一つ、EMIの売却問題が、一旦落ち着きました。
レーベルは製作販売の本体と音楽出版会社は別々に売却されるようです。
面白いのは、これだけCDが売れない時代となると、音楽出版会社のほうが、値が高くついて、そちらを買収したソニーが、大きく記事に出ました。
実際、これだけ、1クリックで気軽に購入できる世の中では、著作権の利権のほうが重要になっているのでしょう。
しかし、個人的には、EMI本体がユニヴァーサル・ミュージックに売却されようとしていることのほうが感慨深いです。
この合併には、EUの独占禁止法に抵触するかどうかの審査が必要となります。
かつて、ワーナーとEMIの合併(これさえ成功していれば、ワーナーやEMIの凋落ももう少し避けられていただろうに・・・)が、承認されず、その反省点を活かした、ソニーとBMGの合併や、ユニヴァーサル(MCA)とポリグラムの合併によって、ソニーBMGと、ユニヴァーサルが突出した2強となってしまいました。
まあ、米国のワーナーによる、英国のEMIの買収は、EUにとって、あまり喜ばしいことでもなかったのですが、ソニーは日系ですし(まあ、色々あって日本のソニー・ミュージック・グループとは後付けの合併でしたが・・・)、当初はBMGとのほぼ対等合併でもありましたし、ユニヴァーサルはヴィヴェンディなる、水道を中心とする、フランスの公共事業のメガ企業が所有している企業だったので、これもアレルギーは少なかったのだと思います。
そういう流れで言えば、今回の合併は音楽産業の寡占化はさらに進みますが、流通をアップル社が牛耳っている現在、著作権管理会社のほうが高値がつくくらいレコード会社のパワーは相対的に弱まっているし、何より、フランスのヴィベンディが、英国の老舗EMIを米国のシティ・バンクの管理下になってしまっている現状から奪回するかたちなので、アレルギーは少ないのかなあ、と思います。
この合併が実現すれば、レコード産業のメインプレーヤーは仏ヴィヴェンディ傘下のユニヴァーサルEMI、BMGを併呑した日本ソニー傘下のソニー、旧ソ連のウクライナからの移民レン・ブラヴァトニクの設立した投資会社アクセス・インダストリーズ傘下のワーナーということに。
ビートルズのCDがユニヴァーサルから出るところがまだ想像できませんねぇ。
あと老舗ドイツ・グラモフォンを傘下に持つユニヴァーサルはEMIクラシックをどうするのでしょう?
EMIクラシックもそこそこ定着してはいますから、たたむのは勿体無いですが、ブランドの確立やら経費の削減からいえば、廃止も考えられます。
サイモン・ラトル率いるベルリン・フィルはどうするのでしょう?