2009年世界レコード産業の実績 | ポップ・ミュージックのトリコ

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流行音楽を聴きながら、人生を音楽で豊かにしたいと願う、私的でミーハーなブログです。

昨年に引き続き、IFPI(国際レコード産業連盟)が発表した世界レコード産業の09年売上実績を取り上げます。
報告によると、世界レコード産業の売上は、パッケージ売上で前年比13%減となる119億ドル、配信による売上は前年比9%増となる43億ドル、それに最近成長著しい権利収入8億ドルを加えて、合計170億ドルで前年比7%減とのこと。
音楽配信による売り上げや権利収入は伸びていますが、パッケージ売上の減少を補うことは依然として難しかったようです。

国別で見るとトップ5は今年も相変わらずの5国。 
1位 米国(08年:52億ドル⇒09年:46億ドル)世界市場シェア27%
2位 日本(08年:46億ドル⇒09年:41億ドル)世界市場シェア24%
3位 英国(08年:15億ドル⇒09年:16億ドル)世界市場シェア9%
4位 独国(08年:16億ドル⇒09年:15億ドル)世界市場シェア9%
5位 仏国(08年:10億ドル⇒09年:9億ドル)世界市場シェア6%

やはりこの5国で、世界レコード産業売上の4分の3強を占めています。

日本と米国の前年実績がともに11%ダウンとなり、この2国の落ち込みが世界音楽売上の減少の約80%を占めています。
パッケージ離れと音楽配信への移行が進み、世界の総売上の4分の1以上が音楽配信によるものになりました。最大市場の米国ではパッケージ売上が26億ドル、配信売上が20億ドルと、全体の43%を占めるものにまでなっています。
さらにその44%はインターネットからの楽曲単位の購入となり、アルバム離れもまた顕著になりつつあります。昨年、世界一パッケージ売上の高い国になった日本ですが、米国のこの流れによって、今年は日本のパッケージ売上が30億ドルであったことから更にその傾向が強まりました。
かつて、世界では類を見ない、音楽レンタルが普及をしている国として著作権団体からやり玉にあがっていた日本ですが、それでも世界でCDを最も売っているということになると、話は違ってきます。
かわりに、昨今はダウンロード売上が伸びないことの元凶とされることが増え、音楽配信売上10億ドルと、米国の半分程度の売上の市場規模に留まっている要因としてあげられることが多いのですが・・・。

昨年は世界的に音楽売上が低迷したのですが、それでもいくつかの国では10%以上の伸びを示しました。
その国というのが韓国とスウェーデン。
この二つの国には共通点があります。
まず一つは、これらの国が自国の内需に頼っていては国に発展が無いことを自覚し、外貨獲得、つまり外需に力を注いでいる点。
たとえば家具店のIKEAもそうですよね。
また、なにかと昨年話題になったファストファッションビジネスの攻防でもH&M(スウェーデン)とFOREVER21(韓国(ロスの韓国系移民の若者向け衣料店として発祥))と原宿を舞台に2国が大きくクローズアップされました。
次に触れる携帯電話産業もそうですが、音楽ビジネスも両国にとっては大事な産業で、スウェーデンは古くから米国・英国に次ぐ音楽輸出国として有名です。最近では日本でもレミオロメンのプロデュースを担当して有名なトーレ・ヨハンソンはスウェーデン出身。韓国も音楽産業についてはエンタメ産業を国家の一大産業に位置付け、最近大躍進を遂げています。日本でのタワーレコード店頭での力の入れようを見ても、今後一つのジャンルとして定着することは確実。

もう一つは、携帯電話の世界的なメーカー(サムスンとノキア)が君臨し、日本の着うたビジネスを研究し出しているという点。
日本の着うたビジネスの成功に、各国が新しい鉱脈に続けとばかりに、ハードはもちろんソフト側であるアーティストですら、着うた向けの打ち込みサウンドに精を出し、ロックであろうがR&Bであろうが、電子音の導入無しには世に出ないようになってしまったのですが、韓国とスウェーデンでは、違法ダウンロードに対する取り締まりを強化。国家までがこのビジネスの果実を実らそうと躍起になった結果の10%越え。

よく日本の携帯はガラパゴスと言われますが、ビジネスモデルの世界では、世界標準です。