『The E.N.D.』Black Eyed Peas  | ポップ・ミュージックのトリコ

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流行音楽を聴きながら、人生を音楽で豊かにしたいと願う、私的でミーハーなブログです。

ポップ・ミュージックのトリコ-E.N.D.

思えば、ファーギーをグループに迎え入れたときから、ブラック・アイド・ピーズの突然変異的な進化は始まっていたのだと思いますが、それにしても本作のエレクトロ志向には驚かされます。

"Boom Boom Paw"
何かの間違いかとさえ思うエレクトロ・ナンバーですが、これが10週連続1位を現在記録しています。つまり、彼らを後追いで聴く世代は、彼らの代表曲というと、この曲ということになるわけです。
「エレクトロとファンクネスの融合。」
彼らがこのアルバムで成し遂げていることを象徴的に示しています。この曲がアルバムの冒頭に据えられ、聴く者に、本作が目指すものがこれまでとは違うレベルであることが宣言されるのです。

"Alive"
スペイシーなサウンドに宿るファンクネス。アルバム中、私が最もお気に入りの曲です。

"Party All the Time"
これもエレクトロながらファンキー。パーティーをこれからもずっと盛り上げていく主人公としてチャレンジする意気込みも感じられるナンバーです。

"Electric City"
アルバムも後半になると、エレクトリック一辺倒から少し外れて少し趣向の違う曲が入り始めます。エレクトロっぽいところもありますが、いかにもwill.i.amらしい音。

"Now Generation"
そしてこの曲に至ってはおなじみのブラック・アイド・ピーズ流儀のポップな作品。本流のブラック・アイド・ピーズのサウンドもしっかり生きています。

"One Tribe"
トライバルなサウンドとエレクトロなサウンドの融合が新鮮。

"Rockin to the Beat"
エレクトリックと言ってもここで展開されるのは、シックへの憧憬が感じられるアーリー’80ズの影響が強いサウンド。ファンキー!

実はここで取り上げた曲以外に、まさに現在進行形のエレクトロ・チューンもアルバム中には満載されていて、アルバムを最新の”ダンス・アルバム”としてもハイレベルなものに仕上げています。
しかし、このアルバムの面白さはやはり、「エレクトロとファンクネスの融合」。

本作を聴いていて思い出した言葉があります。
「今日無名の企業の多くが、今日行っているイノベーションによって明日リーダー的な地位を得る。逆に今日成功している企業の多くが、一世代前のイノベーションの成果を食いつぶしながら安逸を貪っている」
これは経営学者ピーター・F・ドラッカーの言葉ですが、この”企業”の部分を”アーティスト”と置き換えれば、彼らが今回の進化を選んだ理由が見えてきます。
彼らは成功者として安穏と暮らすキリギリスよりも、挑戦者としての道を選びました。

エミネムのアルバムに続いてこれまたとんでもない大作がリリースされました。
2009年は去年に劣らず豊作の年になりそうです。