- Finding Forever/Common
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2008年7-8月選
『Finding Forever』Common
カニエとの邂逅によって、とんでもない成功を収めた前作『Be』。
しかし、個人的にはその狙いすぎた名作よりも、きちんとポップさも併せ持つ本作の方が、ずっと内容も洗練されていると感じます。
"The Game
"
前作に引き続き、カニエをメインのプロデューサーに据えての本作ですが、この曲は、DJプレミアのスクラッチもあって、カニエ色は薄め。往年のヒップホップファンもうならせる王道なサウンド。
"The People "
こちらはカニエ臭たっぷり。歌心たっぷりのトラック。
リリー・アレンを客演に迎えるというあたりが、00年代らしいです。このトラックはカニエ臭薄め。
それにしてもオシャレ度高めの曲です。ヒップホップ好きでなくても、涎が出そうなオイシイ一曲。
"I Want You "
ウィル・アイ・アムによるプロデュース。
いかにも彼らしいシンセの使い方。このトラックを聴いたあたりでようやくこのジャケットの意味合いが感じられます。
実は2008年5-6月の選が抜けています。
これは該当作が見つからなかった為で、その理由が時代の節目の期間で、音楽の聴き方が再び変わって来た事にあると思います。
この企画の1枚目は、2003年。i-Podの普及によって、『アルバム』というフォーマットの概念が変容してきた、という節目でした。事実、アルバムの売上の激減を経験してきた期間でした。
その中で、アルバムというものの存在をどう楽しむべきか?という、アルバムの聴き方を軸に考えてて来ました。
しかし、ここにきて、アルバムの売上の落ち込みはようやく底を見せ始めています。しかし、それは、オンライン上での楽曲の購入なしには語れません。また、リングトーン(着うた)ビジネスの爆発とともに、親和性の高いデジタルなサウンドがいよいよ、トップアーティストや芸術的な評価軸で捉えられるアーティストにも違和感なく取り入れられることになる時代の幕開けの象徴がこの作品だと思うのです。
そうすると、音そのものの激変しているこの状況では、アルバムがどうのこうの、というものに加えて、この音をどう消化してアルバムに纏め上げるのか?という面白さもあります。
ですから、これは、このコーナーの通算31枚目でありながら、仕切りなおしの1枚目です。