『Greatest Hits』Sly & the Family Stone(Epic)1970
彼らの人気は当時最高潮に達していましたが、新作の発表はとても遅れていました。
世界がクビを長くしてその完成を待っている間、
彼らは、2曲の新曲を世に問い、そしてともに大ヒットしました。
まずは、けだるく暑い夏の到来を予感させる
このねちっとしたファンクネス。それまでの希望と歓喜に満ちた彼らの歌とは異質な物になっています。
"Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin) "
そしてもう一曲は、ベースの全く新しい演奏テクニック、”チョッパー”奏法が編み出され、後世に絶大なる影響を与えました。
この二曲が入ったベスト盤こそがこのアルバムです。
ただのベスト盤ではなく、新しい時代を切り開いた一枚でもあったのです。
このバンドは、黒人白人の混成バンドでありながら、同時に男女混成によるバンドという、いまの時代で考えても、実はなかなか存在しない、異色な存在でした。
音楽性にしても、リーダーであるスライが黒人であるにもかかわらず、随分ロックの文脈も感じる事の出来るもの。
これは、彼がラジオ局のDJの経験が活きているのでしょう。彼の持つ番組では、ロックでもソウルでも何でもかかっていたといいます。そんな耳の肥えた彼だからこそ、ジャンルを越えた音楽を実現したのでしょう。