時を経て生まれ変わった『ロクサーヌ』PIW2024東京公演にて | A skater's soul ~髙橋大輔応援ブログ~

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フィギュアスケーターを愛してます。
中でも、別格なのは ”高橋大輔”

『梨汁ぶっしゃー』の感覚を体感したと言いますか、ドーパミンが3リットル位分泌されたのを自覚しましたね。

 

プリンスアイスワールド2024東京公演で披露された、

ムーランルージュパートでの高橋大輔ソロ「ロクサーヌ」

これを観た時の、恍惚を引き連れてくる高揚感。

想い人と再会できた喜びを超えたまた新しい感覚に、自身身震いしました。

台上で最初のポーズを決めた瞬間、会場の空気がガラッと変わって、観客にもスイッチが入ったのが分かりました。

 

この作品を最初に披露したのは10代の終わり少年期から青年期への入り口で、弾けるような青いエロスがリンクいっぱいに踊っておりました。

eyeやピアソラを経て大輔さんは、香しいほどの美青年期に入ります。

スターズオンアイスで披露するこの頃は、男性なのに美しい色香が全身から零れていて、息をのむようなセクシーさがありました。

 

がーーーーー

その頃ともまた趣が違う、大人の粋、大人のエスプリを携えつつ、艶やかさも失っていないというかなんつうか

ちょっと煙草の香りが漂いそうな渋い色気を振り撒きつつ激しくこの名作を踊り狂うんですよぉぉぉぉぉぉ

 

何が凄いって、スピード感やキレが全く衰えていませんでした。

私が観た公演でも綺麗なトリプルフリップを跳んで見せました。あぁ、このふんわりとした跳び方変わってない。

何度目かの録画リピ中に息子が帰宅しまして「おーキレッキレじゃん、おっさんなのに」

こらこら

【小生意気罪】で通報しようかと思いましたが、いやいつも息子氏のお見立ては合っている。

確かにこの人、こないだまでアイスダンスやってたそこそこのおっさんですからね。

なんでしれっと2Aや3F跳んでのけてるの。

年齢を重ねつつショーを続けた先輩カートやロロ様も、洒脱で大人の余裕を感じる渋い色気を氷の上で放っていましたが、こんなにキレキレなステップ・ジャンプを兼ね備えていた訳ではありません。

正に【ダイスケハハイブリッドキノウヲテニイレタ】

30代の艶っぽさと渋さをふわりと纏いながら、相反するような情熱と凄みで氷を制圧するのでした。

 

もぅヤバい。

意識は母船の遥か彼方へ、ですよ。

 

更に特筆すべきは、1部のロクサーヌではシングルエッジの靴、2部のかなだいプロではダンスエッジの靴で滑る。

以前の彼の言葉通りであれば、足首部分が固くホールドされたシングル靴ではなく踵の切れ込みの深いダンス靴にシングルエッジを装着しているはずです。

(おっめーよくそれで跳べっなーーー)とあたしの中の悟空が叫んでいます。

ジャンプの着氷時の足首の踏ん張り効かないと思うんだけど、、、

恐ろしい子!!!おっさんだけど、、、

 

ロクサーヌは高級娼婦を愛した青年が身悶えるように嫉妬し焦がれる曲ですが、こういうの大輔さんの十八番ですよね。

激しい曲調なので凄みはあれど根底は切なさで溢れています。

20代美青年期の大輔さんの「切なさ」は美しさと痛み、みたいなものに貫かれてるイメージでしたけど、

更に大人になった彼の今の「切なさ」は哀愁を感じます。

年を重ねてくって凄いですね。

 

バラエティ番組等に出演している時の彼は10歳は若く見えて、可愛らしささえ感じます。

心に鎧を着ない彼は、雑誌などなんと無垢な青年になることか。

 

しかし氷上では37歳相応の大人の男の色気をちゃんと装着して踊ります。

こういうところが好き。

今は何を届けるのか、準備したものにトランスフォームできるところ。

同じ30代スケーターとしてひとつの在り方を高いレベルで確立しているステファンは、よりジェンダーレスで「ヒューマン」としての自分を氷に捧げるスタイルに見えます。

大輔さんは、もう少し、曲に対して提供した自分という素材を曲のイメージに合わせてアレンジしている感じがしますね。

どちらにしても、年を重ねた男性スケーターの魅力とポテンシャルを、これまでにないスタイルで魅せつけてくれていることに感謝感謝です。

 

長々と喋ったついでに書いておきますが

先日惜しまれつつ旅立たれた八代亜紀さんについてエピソードがいくつか流れてきました。

八代亜紀さんの歌手としての信条は「歌に感情を込めない」。

「歌に自分の感情を乗せすぎては駄目。感情を込めず曲の世界観だけを伝えると、聴き手がそこに自分を投影する。プロの歌は聴く人のものなので聴いた人が自分の感情を乗せられるスペースを空けておく」

 

これが以前から大輔さんが言っていることと重なるんですよねぇ。

観てくれる人に委ねます、というスタンス。

アイスダンスのように演劇要素の強いものはキャラクターに成りきってますが、シングルや曲を聴かせるタイプの作品はこちらに手渡ししてくれる。

そんな、曲に没入はしても自己陶酔には決して陥らない大輔さんのスタイルがとても好きです。

だから、自分もこんなところで好きなように作品を読み砕いては、楽しく過ごしているので。

 

まぁ結局、好き。

たまらん好き。

かなだいも好き。

でも、シングルも焦がれる程好きです。

 

30代ブラボーよろしく哀愁。

若造にゃ到底出せない魅力は、無双。