「先駆者、高橋大輔の復活」~小宮良之さん講座~ | A skater's soul ~髙橋大輔応援ブログ~

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フィギュアスケーターを愛してます。
中でも、別格なのは ”高橋大輔”

【取材者から見たアスリートたちの肖像「先駆者、高橋大輔の復活」】

 講師:スポーツライター・小説家 小宮良之さん

 

 

9/8天候が不安定な中、講座に行ってきました。

まず、聞き取りながらとったあたしの神メモをご覧にいれたいよ

凄いです文字日本語じゃないwほぼ達筆なアラビア語ですwww

 

今回この講座に参加したのは

①大輔さんの裏ネタをこっそり知れるかもという邪(ヨコシマ)な気持ち

②小宮さんの「人となり」を拝見したい

という二つの理由からです。

 

感想は講座の書き起こしの後に書かせてもらいます。

 

書き起こしの内容は、グーグル翻訳にかけようか、という位のアラビア文字を解読しつつしたためた

解り辛い長文です。

講座自体にアジェンダのようなものがなかったのでテーマ毎に区切られていません。

大輔さんとのインタビューの録音音源を再生しながら流れの中で話すスタイルでした。

オフレコ部分は割愛しつつ、まとめずそのまま投げ置きます。

 

 

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高橋選手を最初に取材したのはトリノ五輪の頃。

五輪の取材に行ける人は限られていて、当時30代の若さで行ける人はほぼいなかったけれど

今後、君(小宮さん)はこういう記事を書く人になっていくだろう、と選んでもらえた。

 

フィギュアスケートをもっと男性に伝えたいと思うが、どう考える?

D「優雅な印象だけど実はとても(体に)負担がかかる競技。ジャンプの負荷がすごくアイシングに1時間かかる。膝が腫れ、伸びなくなる。ジャンプの過酷さとか伝えることかな。」

 

D「でもしんどいけど楽しい。自分でも楽しんでるんでしょうね。(観客と)ひとつになるのが好きなんです。」

彼もファンの熱量は感じていて競技のエネルギーになっている。

 

高橋選手は導かれる、という表現を良く使う。

他の取材にも真摯に答えてくれる。

人に対しての礼儀だと思っているのだろう、相手の目を必ず見て話す。

質問相手がパソコンのタイピングで下を見ていても。

なのでその質問記者の後ろにいた自分はすごく目があった(笑)

ズルが嫌だ、とも言う。

とても真面目。分からないことは正直に分からない、と言う。33歳なのに驚くほど汚れていない。

(だから)対峙しているとすごく気持ちがいい。

 

彼は宇宙から降ってきたみたいな選手。倉敷の何もないところに突然現れた。

だから「かぐや姫」という表現をしてみた。

どこにもいない雰囲気の選手。開拓者でありパイオニア。

ハビエル・フェルナンデス選手もパイオニアだが、スペインは更に厳しい状況で、男性フィギュアスケーターは性差別の対象になるほど。

 

前十字靭帯断裂は挫折ではない、と言う。

D「自分は挫折を味わったことがないんです」

ありゃどう考えても挫折ですよね(笑)

トップアスリートはネガティブなことを忘れる能力を持っている人が多い。

 

氷艶では限界まで出し切って見事な演技だった。

D「体重は57㎏まで落ちたけど、フレンズの時は筋肉が少し戻って59㎏」

インタビューの時には憔悴しているというか病人に近い感じだったが、

その日の午後のプーマイベントでは凄い笑顔でプロだな、と(笑)

 

エンターテインメントをやりながら競技をやるのは大変なこと。

力のあるアスリートだけが一流になり道を切り開く。

高橋選手は観客とひとつになりたい、と言うがメッシが同じようなことを言っていた。

無観客であればサッカーはしない、と。お金ではないんだ、観客からの熱を感じるのがエクスタシーなんだ。

お金を手にして落ちていく選手もいる。最終的にはそのスポーツをどれだけ愛しているか、なんです。

 

高橋選手は、(何かに)導かれる、誰かが手を差し伸べてくれるから自分で決断したことがない、と言う。

一流の選手は一様に純粋なのだ。

D「お金ではモチベーションが上がらないんです。だから、復帰をした。自分でもきれいごとを言っているとは思っている。」

D「仕事って感覚では物事ができない。だから、氷艶はしんどいとは思わない。しんどいと思わないから出来るんです。」

 

エンターテインメントだけで語れないのが高橋選手。33歳になってあれをやりますか???(SPフェニックスの事)

失敗を恐れないというより限界を突破することに快感を覚える感じ。Mですか?と尋ねたら「Mです」と(笑)

 

高橋選手は後輩をすごくリスペクトしている。今の羽生宇野は別次元だと。その下の後輩もすごく力をつけている。

でも表彰台は狙っている。矛盾するが野心と達観、両方持っている。

奇跡、じゃないけど、不可能でもない。

負けてもしょうがない、とも思っていないし勝負を捨てていない。

勝負することを楽しんでいる、捨てていない。

でも勝ったから一番だとも思っていない。

 

以前ハビエル選手にインタビューした際に高橋選手の復帰について質問してみた。

J「ダイスケのことは大好き。彼が決断したなら間違いなく成功。1位であろうとビリであろともう間違いなく成功なんだ。」

そして全日本で2位。(復帰の意義は)順位じゃないけど、2位を獲る。そこが凄い。

J「プロスケーターは10年が限界で、もう膝が動かないはず。関係者スポンサー無数の人達からプレッシャーを受け続けるのは10年が限界なんだ」と。

 

高橋選手はとても後輩をかわいがっている。後輩からのリスペクトをひしひしと感じる。

後輩の為に色々尽力している。

彼が開いた道を後輩たちが走っていく。

高橋選手は記録だけでは語れない選手。成し遂げてきたものがもっとリスペクトされていい選手だし、そこを書いていきたい。

 

(宇野選手について)

宇野選手は高橋選手の前だとにゃんにゃんしている(笑)

高橋選手を例えるとしたら「月」だが、宇野選手は「炎」、激情だと感じる。

ワールドの時、出てきた時(インタビューブースへ)からもう既に泣いていた。

泣きながらも自分の演技について伝えようとする姿に感動した。

宇野選手は氷に立った時に一瞬にして自分を解き放てるところが凄い。

競技者は勝つ・負ける、だけではなく人生を賭けて挑んでいる。

 

競技者は2度死ぬ、と言う。競技人生を終えたとき、と。

(その死から)復活したということは凄い。

でも高橋選手は切羽詰まっていない。切羽詰まった様子を人に見せない。敢えて見せないようにも、見せない。これって凄い。

今シーズンの世界選手権には前向きで(何か思うところがあって出ない)ということはない。

復活の怖さについて

D「もういいや、過去のことは。新しく作り直す、の方がぴったりする。誰もしていないことをしたい」

 

自分は常に競技者をフラットに見ている。誰かと比べない。

比較してどう、という書き方、そういう一文を入れない。

そうすることで文章全体が死んでしまうから。

 

高橋選手には4回転をシャフトにして高く舞い上がってきた、というイメージを持っている。

高橋選手を書くのはすごく楽しい。彼は不世出のスケーターだ。

今の挑戦は誰もやったことがない唯一無二の事だ。

本人は自分は失速して終わる、と言っているが。

でも(たとえ)17位で終わったとしてもすごいドラマだ。

 

新しく作り直すから過去は置いてきた、と言う。

D「昨シーズンは全日本が目標と公言してきた。世界選手権を辞退したのは後輩に譲る、というのもあるけど公言していないのに行く、というのはズルい感じがする。」

型にはまらない人である。

いつかどこかに帰っていくんじゃないかと思う。だから「かぐや姫」

これまでに会ったことがない。捉えどころがない。

だから書き手としてはとても刺激的で面白い。

D「クソ真面目というかズルをするのが嫌いなんです」

ひとつひとつの行為がクソ真面目。

だから言葉が信用できる。

 

 

今後の現役生活について

D「何事もなければ選手登録ははずしません」

現役復帰した高橋選手がスケートを始めた頃の小3のだいすけ君に会ったら何て言われる?

チビD「まだやってたの?」(笑)

何て答える?

D「ねぇ」 (笑)

 

彼は人とコミュニケートする能力が特段優れている。

狙っているわけじゃなく、短い言葉でも上手く表現できる。

 

スケートブームを作り上げたことについて

D「運が良かった。タイミング的に。男女ともに粒揃いで、だからこそ取り上げてもらえた。」

 

ショートの選曲について

D「良い意味で後悔している」

今彼はすさまじいトレーニングを重ねている。指先の荒れ具合などから体をいじめて鍛えているのが伝わってくる。

D「ショートは演技構成点で稼ぐ」

 

高橋選手は柔軟でふにゃふにゃしている。

前十字靭帯断裂と半月板損傷は選手としてはもうほんとヤバい!ヤバいのに

自分からはそう言わない。その(怪我の)せいにしない。

(ふにゃふにゃなのに硬派、ということか)

 

自分は(取材対象を)カッコいい、と思わないと追えない。

ほんとに良い出会いをさせてもらった。

 

高橋選手は誰かと話すときはいつも嬉しそうで、これは生来身についているものかと思う。

 

今後も自分は人の人生を描いていきたい。

 

=おまけ=

「氷艶~月光かりの如く~」松浦の最期の告白は正にファンの皆さんでしょう!秘めた愛情が!w

客席(秘めてねぇぇぇぇと心の中で呟く)

 

 

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こんな感じでした。

 

 

感想ですが

①に関してはニヤけるような隠しネタはありませんでした。内容的にはほぼ既出です。

でもインタビューの手法や大輔さんの声が聞けたことはなんか嬉しいものです。

 

②について、ですが、、、

 

何故自分が小宮さんのお人柄を知りたい、と思ったかというと、

これまでフィギュアスケートという特殊なスポーツの過去記事たちを沢山読んで、そのまま受け取れないな、という感想を持つことが多かったからです。

ライターさんの「主観」を超えて「主感」じゃないの?的な記事も沢山あって

読んでいて自分が傷ついていることもあった。

(お前、何言ってんの?)って  (真央さん関連は特に多かったかな)

 

アスレチックの実施がそのまま「作品」となるフィギュアスケートは他のスポーツと一線を画します。

瞬発力のある感動だけでなく、「作品」を反芻することができるこの競技は受け手の感性によって演技や選手に対する評価を変化させます。

同じライターさんでも風見鶏のようなご意見を目にすることもあります。

お抱えライターを目指しているのか、、様々なアスリートを俯瞰で観察している方なのか、、

 

書き手としての「姿勢」に成熟した人間性が透けて見えるものを、私は読みたい。

 

そして、小宮さんの文章はとても大輔ファンの琴線に触れるのですよ。

ご本人もポエマーだと言われるとおっしゃってましたが、

ポエミーでありドキュメンタリー映画を観ているかのようなあまりの描写の上手さや

ファンがヘドバンしてしまうような高橋評を読むと

時に、(フィクションではないのか?)と斜に構えてしまいたくなることがありました。(私だけですかね)

なので、どのような方がどんなスタンスで取材し書かれているのか知りたかったのです。

 

 

そして、、、

 

お話を聞いて思ったのは小宮さんは本当にアスリートをリスペクトされたスポーツライターでした。

帰宅後、サッカーのウェブ記事も読ませていただいて、心にストンと落ちました。

沢山失礼なことを書いて、ほんとに失礼いたしましたあせる

 

今回の講座のテーマからして当然なのかもしれませんが

小宮さんは普段あたしが熱弁する高橋の表現力やらダンスセンスやら音楽への感応力やら

そんなものは語りませんでしたね。

あくまでもスケートに取り組む姿勢・選手としての在り方・復活の軌跡に対する評、に徹底していました。

 

「アスリートとして立派な成績を残し既にレジェンドの立場に在りながら

 アスリートらしからぬ無垢さ優しさを保ちつつ

 新しいアスリート像を掲げ、心の求める方向へ更なる開拓を続ける」

 

そんな大輔さんを理解し、彼におおいなる好意を抱いて取材して頂いている、と感じました。

 

ポエミーは若干苦手な自分ですが、小宮さんの文章表現には凄く惹かれます。

(おい自分も実にポエミーなクセに何を言うw)

 

今後も小宮さんの記事を楽しみに読ませて頂きたい、と思いましたよ。