せっけんの匂い | 作家修業@ぴろこ

作家修業@ぴろこ

幼い頃から文字に親しんで育つ。
2017年に色彩心理カウンセラーとなり、更に文章を書くことで自らを癒せることを学ぶ。
文章を通して自分のコンプレックスを解消できた経験をもとに、文筆家として活動する。

洗濯機のスイッチを入れて他の部屋に移ろうとしたら、

せっけんの匂いが鼻をかすかに通り過ぎた。

 

昔なつかしい匂いだった。

昭和の時代、洗濯機がすすぎと脱水が分かれていた、

まだ二層式だった頃の。

 

わたしが子どもの頃のせっけんの匂いといえば、

洗濯物の匂いだったと思う。

もちろん、手を洗ったりする固形のせっけんもあったけれど、

お日さまの下で干した洗濯物の匂いは格別だった。

 

一年前から、洗濯洗剤をせっけんに切り替えた。

柔軟剤や芳香剤も使わない。

漂白剤は使うけれど、塩素系のような匂いが

しないものにしている。


そして今でも、わが家はめったに室内干しはしない。

慌ただしく過ごしていて

洗濯物の匂いを嗅ぐこともなかったけれど、

ゴールデンウイークの晴れた日に

洗濯物で匂いを楽しむのもいいかもしれない。