ルールは、椅子取りゲームに似ています。
人数分より一つ分少ない椅子を円形に並べて、参加者がそこに座ります。一人ひとりに、「りんご」「ぶどう」「バナナ」などフルーツの名前を割り当てていきます。
真ん中に立ったオニがフルーツの名前を叫ぶと、「りんご!」だったら、りんごさん達が一斉に立ち上がって、今いる席ではない新しい席を目指して、オニも含めてみんなで大移動。椅子に座れなかった一人が次のオニになり、「ぶどう!」と叫んだら、今度はぶどうさん達が一斉に動きまわることになります。
(椅子取りゲームみたいに、どんどん椅子の数を減らしていく、ということはありません。)
そして、個々のフルーツ名じゃなくて、「フルーツバスケット!」て叫ぶと、全員が今までの椅子からすぐ立ち上がって、大さわぎ!みんな、新しい席に移らないといけません。
私はたまに、このフルーツバスケットゲームは、人生みたいだな、と思うことがあります。
たまたま座った席、なんとか見つけた席、やっと辿り着いた席に腰を下ろしていたりんごさん。隣のぶどうさん、バナナさんに挨拶します。そこでやれやれ、と安心して、ずっと変わらない時間が流れていくのか、と思ったら、急に運命が変わって、今までの慣れ親しんだ場所やメンバーから切り離されてしまうんです。
人生の場合は、そんなに急、じゃなくても、気づかない間に、全てのものがじわじわと、それぞれの時を刻んでいて、それぞれ自分の使命を感じ、動いたり、離れていったり、変化することもあります。
変化は、たいていの場合は驚きです。ショックだったり、疲れたりします。
でも、そういう変化は時とともに当然あるものなんだ、て思っていれば、そんなに動揺せず、冷静に、どうしていけばいいか決められるかもしれません。
ショックで悲しくても・・・その悲しみもいつか、そんなショックを受けた他の方の気持ちに寄り添えるような、じんわりとあたたかい優しさに・・・豊かできらめく知恵に・・・それこそ、「変わって」いくのでしょう。
フルーツバスケットゲームで、新しい席に座ったりんごさん。まだどこか落ち着かないけれど、新しい席からの眺めにリフレッシュしたり、何かおもしろいことを見つけたり、あらためて隣に来た、新しいぶどうさん、バナナさんから、時には他のりんごさんからも、楽しい刺激をもらえたりしたようです。
いつの間にか参加していた、フルーツバスケットゲーム。
くるくる目まぐるしく移り変わる周りの景色に、びっくりしてしまうこともあるけれど・・・・・・大丈夫。
カラフルなフルーツ仲間達と、ドタバタ一生懸命動き回っているうちに、無心になったり、わいわい明るい気持ちになってきます
だって、これはゲーム。最後に、みんなで大笑いできる、楽しいゲーム。
だから、輪の真ん中に立ったら、肩の力を抜いて。少しの勇気と、絶対の安心感を持って、叫んでみよう。
「フルーツバスケット!」