こんにちは。
台風はなんとかなりそうですが、相変わらず暑さで蝋のように溶けそうな日々。
凍りつくような2つの怖い短編で、涼んでみよう。
パラシュート
医者と弁護士、一人の男の子と牧師が小さな飛行機に同乗していた。
突然、飛行機はエンジントラブルを起こした。
パイロットはあの手この手でエンジンを直そうとしたがうまくいかず、飛行機は墜落しそうになっていた。
ついにパイロットは修理をあきらめ、パラシュートをつかんで言った。
「あんたらも早く飛び降りた方が良いぜ。」
パイロットは飛行機から飛び降りた。
しかし不運なことに、飛行機の中にはパラシュートが3つしか残っていなかった。
医者は真っ先にパラシュートをつかんで言った。
「わたしは医者だ。人の命を救うのだから、わたしが生きなければ。」
医者は飛行機から飛び降りた。
次に弁護士が言った。
「私は弁護士だ。この世で誰よりも賢い人間だということだ。分かるだろう。私は生きる価値のある人間だということだよ。」
弁護士はパラシュートをつかんで飛び降りた。
牧師が男の子に言った。
「ぼく、よく聞きなさい。私はこれまで十分に幸せな生活を送ってきた。君は若いから、この先わたしよりもずっと長く生きられる。さあ、最後に残ってるパラシュートをとってはやくここから降りなさい。」
牧師は最後のパラシュートを男の子に渡した。
男の子は、受け取ったパラシュートを牧師に返した。
「大丈夫ですよ牧師さん。さっき “この世で誰よりも賢い人間”が、僕のリュックサックを持って飛び降りて行ったので」
完
ペットショップ。
あるペットショップに、4歳くらいの女の子が入ってきた。
「うしゃぎしゃんくらさい」
店員は地面に膝をつき、女の子と顔を合わせるようにしてから笑顔できいた。
「あら~うさぎさんが欲しいの?どんなうしゃぎしゃんにしようか~?ふわーふわのアンゴラしゃん?しましまのハーレクインしゃん?それともお耳の垂れ下がったロップイヤーしゃんがいいかな~??」
すると女の子は、ウサギの形をした財布をポケットから取り出しながら店員に顔を近づけ、小声で言った。
「あたしのにしきへびしゃんは、げんきなのならなんでもいいと思いましゅ」
「・・・。」
完
