設問文をちゃんと読むだけで、こんなに違う!(2024年第1回合不合判定テスト)
2024年第1回合不合判定テスト(2024年4月7日実施)について取り上げます。平均点は男子で62.7点(得点率41.8%)女子で66.9点(得点率44.6%)と、非常に低くなっていました。
確かに難しいテストではありましたが、設問文さえしっかりと読めていれば取れた問題もありました。その中でも、大問2(説明文)の問5の2の抜き出し問題を取り上げます。ポイントは以下の3つです。
① 抜き出し問題こそ、設問文の読み間違いが命取り。
➁ 文節分けができるか。
➂ 漢字一字の、音読みと訓読みを対応させられているか。
出典:戸谷洋志『親ガチャの哲学』
① 抜き出し問題こそ、設問文の読み間違いが命取り。
抜き出し問題では、字数だけを頼りに本文の広大な範囲を一から探していては、いくら時間があっても足りません。
(1) 何を問われているか。
(2) 本文のどこにありそうか。
(3) どのような形でぬき出すか。
の3点を、設問文からしっかりと読み取る必要があります。
設問文
「そうした人に、責任の主体であることを要求すること」に対して筆者は批判的な考えを持っていることがわかる五字以内の言葉を、線③を含む一文中から抜き出して答えなさい。
上記の枠組みにあてはめれば、次の通りです。
(1) 何を問われているか。
⇒
筆者が批判的な考えを持っていることがわかるところ。
(2) 本文のどこにありそうか。
⇒
線③を含む一文中
(3) どのような形でぬき出すか。
⇒
五字以内の言葉
特に➁の「線③を含む一文中」を読み落とすと致命的です。「とりあえず傍線の前後を探すか」というアプローチで臨んだ子は、みんな間違えました。そのため、これだけ探す場所が分かりやすい問題であるにもかかわらず、正答率が、女子で17.9%、男子で15.1%しかなかったと言えます。約6人に1人しか、正解できていません。
特に、「線③を含む一文を見る」というのは、あらゆる問題の初手として非常に有効です。この感覚を夏休み前までに身につけておきたいところです。
② 文節分けができるか。
傍線➂を含む一文は、次の通りです。
傍線➂を含む一文
そうした人に、責任の主体であることを要求することは、自分から逃げることを止め、自分自身を見つめ直すことを強いる、ということを意味します。
この約70字の中から、
(1) 何を問われているか。
⇒
筆者が批判的な考えを持っていることがわかるところ。
(3) どのような形でぬき出すか。
⇒
五字以内の言葉
の2点を満たす言葉をぬき出せばいいのです。やることは1つです。文節分けをすればいいのです。
傍線➂を含む一文(文節分け)
そうした/人に、/責任の/主体で/ある/ことを/要求する/ことは、/自分から/逃げる/ことを/止め、/自分自身を/見つめ直す/ことを/強いる、と/いう/ことを/意味します。
ここまで完璧にできる必要はないのですが、少なくとも、文節の切れ目がある程度分からなければ、単語の切れ目が分かりません。
この中に、「強いる、と」という文節があり、ここに答えがあります。「強いる」は自立語で、「と」は付属語なので、「強いる」が答えになります。
➂ 漢字一字の、音読みと訓読みを対応させられているか。
➁の段階で「強いる」が答えだと述べました。しかし、「強いる」の意味が分からない子からすれば、これが答えだと言われても納得できないかもしれません。
(1) 何を問われているか。
⇒
筆者が批判的な考えを持っていることがわかるところ。
(3) どのような形でぬき出すか。
⇒
五字以内の言葉
のうち、(3)は満たしているけれど、(1)は満たしていないように思えるのです。ここで重要になってくるのが、 漢字一字の、音読みと訓読みを対応させる力です。
「強いる(しいる)」は訓読みですが、ここから、「強制する」という音読みの熟語を連想できなければなりません。「強制する」とは、無理にやらせているということで、そこから、「本来はやらなくてもいいもの」だと筆者が批判的な考えを持っていることが分かります。
いかがでしたか?
設問文をしっかりと読むだけで、得点の可能性が上がる問題でしたね。
傍線を含む一文
と言われて、どこを見れば分からないお子様も多かったかと思います。だからこそ、1カ月以上前のテストではありますが、もう一度目を通されることを、強くお勧めします。
最後までお読みくださって、ありがとうございます。
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