駒場東邦中学の2022年度試験の国語の問題を解説します。
大問1題構成で、小問が問1から問13まであります。
今回は、問7まで解説します。

本文内容
出典:教室に並んだ背表紙(相沢 沙呼) 
自分の気持ちや感情をうまく言い表せずにもどかしい気持ちを抱えていた少女が、先生に勧められた本の感想を口に出し、それを読書感想文にまとめることを通して、自分の気持ちや感情を整理し、それを母親に伝えようとする物語です。

全体を通して
問題冊子の2ページから16ページまでが本文部分で、8,000字程度あります。最初に本文に目を通す段階で、少なくとも心情部分に線を引く等の処理ができていないと、時間切れを起こす可能性が高いと言えます。以下、小問ごとに問7まで解説していきます。

問1
カタカナを漢字に直す問題が15題です。「具現」が少し難しい程度で、ここは少なくとも1問間違いまでで留めておきたいところです。

問2
語彙の本文中の意味を答えさせる問題です。文脈から判断できなくもない問題ですが、語彙の意味を知っているといないとでは、処理速度や正確性に大きな差が出るでしょう。

問3
心情の理由を問う記述問題です。

①傍線部の前に「彼女もこの番組をチェックしているからだった。すぐに語り合いたい。けど、」がある
②「そっけない」というマイナスの心情である
の2点を意識しましょう。

 


解答例

同じ番組の感想をすぐに語り合いたいと思っていたが、アイルーは普段と違い番組を観ておらず、期待が外れてしまったから。(57字)



問4
「リビングが広すぎる気がする」という心情の理由を問う記号選択問題です。
 

 傍線部の前の「もう長いことテレビを見た記憶がない。」と、傍線部の後の「お父さんがいた頃は、お母さんとお父さんに挟まれて、ソファに座っていた気がする。」の2つをヒントに解答します。
 不正解肢の1つの「家族そろってリビングで団らんしていたことを懐かしく思っている」には引っ掛かりがちですが、傍線部に「なんだか」とあるのに要注意です。この段階では、視点人物は、自分の心情の正体に気がつくことができていないので、不適切です。


解答


問5
比喩表現で書かれた心情について、説明する記述問題です。

 

 傍線部の前の少し離れた位置にある「胸の中が膨れ上がっていく」という比喩表現から、「期待」の気持ちを読み取ります。
 それが、「しぼんでいく」ということは、「落胆」を示しています。
・「疲れた眼をあたしにちらりと向けた」
・「まだ、話しかけてはいけないような気がした」
・「お母さんも知っているんだろうか」
などの要素も解答に盛り込むことで、規定の字数に達することができます。

 


解答例

疲れた母親と会話をすること期待し、話しかけるタイミングや話題を考えていたのに、母親から携帯料金のことで注意され、落胆する気持ち。(64字)


問6
マイナスの比喩表現から、心情を読み取らせる記号選択問題です。
 

 「三崎さんのときと同じ」という表現から、該当する記述を探すと、「なにかが胸の奥でつかえていて、それを喉から吐き出してしまいたいのに、どうしても出てきてくれない」を発見できます。また、傍線部の直前に、「あたし、なにを言いたいの!」があります。自分の気持ちをうまく表現できない自分のことを、マイナスに捉えていることがわかります。
 それが、「怪獣みたいに不細工な声」という比喩表現に表れています。



解答


問7
「不思議そうに言う」の理由を問う問題です。視点人物以外の心情を読み取らせることを狙ったものです。
 

 傍線部の前の「しばらく、あたしはアイルーを見ていた。」から、私がアイルーを見ていたことがどうして不思議に思えるのかを考えて解答します。

 

解答

 

2022年度試験の国語の問8以降は、次回以降に投稿いたします。

 

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