こんにちは。「墓の魚」の作曲家です。
今回は「墓の魚」の作品の
詩の解説・第二弾を
書かせていただこうと思います。
本日の作品は、
比較的、新作の作品です。
では、まず歌詞を。
↓
「暗い月夜の5つのファド」より
冷たい血が心臓の周囲で反抗していた
おお、わが栄光のかつてのタラスよ!!
我がコムーネよ!!
私達はカフォーネ(ドン百姓)だ
穴倉に住み、太陽に焼かれる腸を抜かれた
我が祖父はフランスと戦ったサンタ・フェーデ
ジェノヴェージの
我が父は匪賊と共に逆境の炎に焼かれた
◇◆◇◆
鳴り響け、カンパニーレ!!
時が経とうと、変わらぬのだ
生きて、死ぬ事、それだけだ!!
悲しみも、喜びも、貧しさも、憎む事すら
いつかは消えてゆく
カンパニーレの音だけを変わらず残して
◇◆◇◆
2
私達はバテンテギターで癒される民
恥を知る貧民
マグナ・グラエキア(大ギリシャ)の赤い自治体
おお、狼の住処に暮らす小さな子供達よ!!
珍しいものではない
賞賛すべき才知、優れた知性
その全てが貧困に殺されたのだ
◇◆◇◆
鳴り響け、カンパニーレ!!
勇敢な若者達よ、
昔から真実は、何一つ変わらぬのだ
我々は寝室に住む、哀れな虫けらだ
祖父達は太陽に殺され、
その腐った骨で、その十字架で
この土地の麦を育てたのだ
カンパニーレの音だけを私に残して
◇◆◇◆
3
キアイア街の親愛なる兄弟達
シロッコの風で育った男らしい男達
おお、どうか、パンをひとかけらいただきたい
神の御恵みが下されれば
希望を持ちましょう!!(スペリアーモ!!)
畜殺場で殺された貝のように
人生とは1ソルドで観れる
少し静かに!!
小さな小さな狼達よ!!
雄雄しさを、雄雄しさだと思うな
孤独で狡猾な虫であれ
利用される犬でいる位なら
その牙で、その爪で、その魂で
匪賊は炎に焼かれ、
泣きながら土になるのだ
◇◆◇◆
解説・
この作品は、黒実の作品の中では比較的、新しいものですが、
好きな方はご存知の、19世紀~近代頃の南イタリアの
匪賊や反体制勢力の歴史が背景にある作品です。
以下、登場する単語の
簡単な解説をしていくと、
■タラス→イタリアの都市ターラントの古名。
■コムーネ→コミューン(村)の事です。
■カフォーネ→ドン百姓の意味。
■サンタ・フェーデ→ 「聖なる信仰」の意味。
18世紀にナポリに成立したパルテノペア共和国に反対して、
貴族、聖職者、農民が作った組織の事です。
■ジェノヴェージの
→アントニオ・ジェノベージの経済学により育った
ナポリ大学のジェノヴェージ学派の事を
黒実が表現した言葉。
■カンパニーレ!!
→スペイン語ならカンパニージャという所ですね。
鐘の事です。
南イタリアの村には、大きな鐘が一つは設置されています。
カンパニリズモ(愛郷主義)の語源なのでしょう。
■バテンテギター
→南イタリアのタラントの町を中心に使われる
民族楽器のギターです。
「墓の魚」でも使用している楽器ですね。

■恥を知る貧民
→悲惨な境遇にはあるが、生まれや教養が邪魔をして、
公然と物乞いをするのを恥ずかしいと思う人々の事を
16世紀頃、こう呼んでいました。
乞食に関しては、中世からイタリアの問題の一つになっており、
それに対処する教会側も、
労働を愛し、まともな暮らしに戻ろうとする良い乞食と、
怠惰な怠け者の悪しき乞食を区別していたという記録があります。
■マグナ・グラエキア(大ギリシャ)の赤い自治体
→赤い自治体というのは、左翼的な労働組合の事。
マグナ・グラエキア(大ギリシャ)というのは、
南イタリアの古名です。
■おお、狼の住処に暮らす小さな子供達よ!!
→当時、ファシズムがファシズム教育の為に、
六歳から八歳の子供達を組織した
狼子団Figli di Lupaを皮肉って表現している一文です。
■小さな小さな狼達よ!!
→同じく狼子団の事です。
国によって、国の為に教育される
血気盛んな子供達を皮肉っているのですね。
イタリア統一運動(リソルジメント)の時代、
また後のファシズムの時代、
政府側と、それに対抗する匪賊などの反体制勢力や、
左翼勢力の戦いがこの詩の背景にはあります。
右と左の戦いのような図で言えば、
この詩は左よりの貧困で生きていく側の立場の者達の
詩ともいえるでしょう。
しかし、こうした作品の背景としては、
不条理な貧困と、社会体制の中で、
時代が変わろうと、人間の業、宿命は変わらないという
悲喜劇性を歌った作品でもあります。
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