東京駅には色々な人が居る。
つい4日前にはスーツ姿で全力疾走する橋本聖子を見たのだが、
今日は昔の恋人を偶然見てしまった。
年配の女性と一緒に居て、にこやかに笑っていた。
彼が身につけているものは、私が知っているものではなかった。
が、きっとあれは彼だったと思う。
彼と別れてちょうど1年。
昨年の1月に、それまで1年間一緒に暮らした家を出て、
別れに至るまではあっけなかった。
私は彼に悪影響を与えたと思っている。
もともと彼は前向きな人であったはずなのに、
私が当時の仕事に対する不満をよく口にしているうちに、
同じ仕事であった彼までもが不満を持つようになり、
どんどんそれが進行し、批判的な態度を増し、皮肉をよく口にするようになった。
私はその態度変容がイヤだった。
そして彼は転職し、失敗した。
彼の希望転職先への転職に成功した私と彼の間の亀裂は大きかった。
ネガティブになった彼はついに私への嫉妬も露わにするようになった。
私はそれに耐えられなかった。
今日見た彼は、ちょっと険が取れていたように思う。
ブランド物が好きだった彼が今日身につけていたものは、高価そうではなく、地味だった。
そんな彼を見て、色々な思いが駆け巡った。
一緒に生活していた人なのに、すでにそんな記憶さえ消えかかってた自分に少し罪悪感を覚えた。