書家 清水恵エッセイ『 ときどき書心 』 vol.29 | インテリア書道の専門店 & ギャラリー キャレモジ

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明治神宮前のギャラリーでは、インテリア書道・墨アートの作品販売のほか、額装(表装)も承っております。

毎週、日曜美術館を見ているのですけど、せ

っかちな私は朝9時になる前にテレビをつけ

てしまうので、その前にほんの数分だけ放映

される「no art no life」という番組も必

ず見ることになるのです。

そこではいろんなアーティストが紹介され、

最近で忘れられないのは若杉亜矢子さんとい

う女性。知的能力障害を持つ彼女が手がける

アートが実に楽しくておもしろかった。

初めは亡くなってしまった大好きなお母さん

への手紙として彼女が毎日書いていたものが

いつの間にかアートに変身。手紙がアートに

生まれ変わっちゃったというのです。

自分の好きなもの、好きな人をとにかく文字

でたくさん書いて目の前の紙を埋め尽くすだ

けなのですけれど、文字でもなく、書でもな

く、かといって絵でも、図や柄でもない。

見る人がどう見てもいい、というところに彼

女の芸術性があるようです。まさに「文字は

アートだ」と言いたいですし、「書」という芸

術の本来もそこにあるのだと言いたい。

ぜひネットで彼女の作品を見てほしいですね