前回、 ドイツの現地小学校に通う
子どものトラブルについて書きました。
子どもと相談した結果。
◯さんの行動に対して、
翌週まで様子をみたい、なるべく先生にも話したくない。
母が◯さんに声をかけて、
それでも押したり、追いかけたりする行動が変わらなければ、
先生にも相談してみたい。
ということでした。
学校で一日過ごすのは、子どもです。
微妙な人間関係、雰囲気の中、
今後も穏やかに通学するために
あまり、ことを荒立てたくない
なるべく学校や先生、他の友達にも
目立ちたくない、という
子どもの気持ちも分かるような気もします。
ドイツの中では日本人は、外国人で、アジア人は少数。
少し目立ちますからね。
そこも幼いながら自覚しています。
親としては、なるべく早く先生に相談して、◯さんに注意してほしいと思ったりしましたが…
ここは子どもの気持ちを優先。
ただ予め、子どもには、
このように伝えました。
今後も、
あなたが悲しい気持ちになったり、怪我をしたりする可能性があるのは心配。
あなたが何か悪いことをしてるわけでも無いのに理不尽。
あなたが我慢する必要は全く無い。
◯さんの行動が変わらなかったら、
先生に相談するか、どうしたいかを一緒に考えよう。
◯さんにも事情があるのかもしれないけど、あなたが怖い思いを毎日しているの辛いと思う。
お母さん達は、あなたが大切で、心配だし、味方だから。
何かあれば教えてね。
本当に大変なら、我慢しなくていい。
学校行かなくてもいい。日本人学校に転校、日本に帰ってもいい!
と。
翌週の月曜日の朝、
授業が始まる前に
教室まで私も子どもと同行しました。
(うちの学校では教室まで送る家庭も多く、自然なことではあります)
いつも私はノーメイクで、カジュアルな服で送りに行きますが、
今日はメイクをして、ツイードのカーディガンを羽織り、
少しだけきちんとした服装で行きました。
少しだけ力をかりる、おまじないの様な気持ちで。
私にとって初めてのことだったのです。
ドイツで、うちの子をいじめているかもしれない子に話しかけるのは。
実は、私も緊張していました
そして、◯さんがクラスの前の廊下で、
友達と椅子に座って話している姿を確認。
(◯さんも、移民出身クラスのウェルカムクラスですが、うちの子とは別のクラスです。
理解するドイツ語のレベルが、うちよりも上のクラス)
私の子どもは、先に自分のクラスに入りました
◯さんが、一瞬 私を見ています。
「あ、あの子のママか。」という感じで。
私は◯さんと友だちの前、2メートルのところまで近づき、
◯さんの目を見て、「Hallo」と言いました。
◯さんは、特に驚くでもなく、なんともない様子で、
「Hallo!」と返してきます。
私はもう一度「Hallo」と伝えました。
◯さんも私の顔をはっきり見ています。
友達は、いきなり知らない保護者から話しかけられ少し驚いている様子です。
声をかけて、挨拶し、顔見知りになる。
第1段階はできました…
そして、◯さんのいる廊下から手口に向かい、振り返り、目をしっかりと見つめました。
◯さんも私を見ています。
ドアを開き、廊下から離れ
私は帰りました。
私の子どもを
いじめているかもしれない子に
挨拶だけしました。
その日のお迎え時、
子どもから
「今日は階段から押されたり、休み時間も追いかけられたりしなかった!
怖くなかったよー。本当に良かった」
と、ホッとしたように話してくれました。
Hallo!と伝えただけなのですが、
◯さんが「このママは何で、自分だけに声をかけてくるのか…」と
感じ、少し自分の行動を振り返ってくれたのかもしれません。
しかし、今日だけかもしれない。
子どもが怖がる行動がなかったのは
ただの偶然かもしれない。
明日から、また嫌なことをするかもしれない。
そのため、翌日の火曜日に、
全く同じ行動をしました。
しっかり◯さんの目を見て、
「Hallo!」と声をかける。
◯さんも返事をします。
本当に、こんなことくらいしかできず
自分でも情けない、と思いました。
◯さんの背景を想像したり、子どもの気持を尊重して、このように対応しました。
結果です。
2日間の私の◯さんへの挨拶。
それ以降、うちの子は、◯さんから
・うちの子の悪口をみんなの前で言う
・階段を降りようとするときに、背中を強く押される
・休み時間に追いかけられ、捕まえられる。背中をたたく、首を絞めるなど
・うちの子の前で、友達をひきつれて列に割り込む
これらの行動は一切なくなったそうです。
そして、その1ヶ月後には、
◯さんがうちの子に話しかけてくれたり、
たまに休み時間も、一緒に遊んだりもするようです。(何だったんだ…)
我が家のケースでは、幸運にも
その後、◯さんからの行動は無くなりました。
「早く明日も学校に行きたいなー!!楽しみー!」
と言って楽しく通っています。
学校での出来事は、
親が全て把握するのは困難です。
子どものお友達との関係性は水物ですし日々変化します。
今後も、子どもに困ったことがあれば、親に相談しやすい関係を大切にしようと思います。
いじめや人間関係のトラブルは、
子ども同士で解決させる、親が出るのは甘え、という考えの方もいるかもしれません。
私が、今回の件が、子どもの将来にも影響すると危惧していたのは、
・子どもが理不尽に否定されたり身体に危害が及ぶ危険。
・学校生活での、いじめの経験による、自己肯定感の低下。
・外国での生活、日本人だということ、様々な国籍の人との交流が辛いものとして強く残り、自信を無くす。(子どもには、いつか海外でも生活出来るようにと教育を進めています)。
もう、自分でも解決出来る年齢であれば、また子どものドイツ語が堪能であれば、見守るなど、また違う対応方法だったと思います。
今回は、いじめが無くなったことで、子どもの身体的、自己肯定感、海外生活にも影響は少なかったと思います。
とは言え、大袈裟かもしれませんが、私にとっても大きな出来事ではありました。
私がお世話になったのは、ネットの集合知です。
いじめの経験、対応方法、解決方法の模索、検討を、
ブログやネットで、色々な状況、対応方法、考えを拝読しました。
その上で、子どもと相談して、どうするかを決めました。
集合知に助けていただきました。
どなたかの御厚意にとても感謝しています。
体験や考えをシェアしていただけたことは、本当に大きな力となりました
身近に、同じケース(ウェルカムクラス、ドイツ語圏、アジア人、いじめ)の知人はなく、私が求めるの共感ではなく 解決方法 だったので。
しかし、
私の方法が、ベストだったかは分かりません。
また、子どもが中学生、高校生など、もっと年齢が上になっていたら、今回の私の挨拶だけでは、対応方法としては弱かったと思います。
もし、この記事を読んてくださっている方で、
海外の学校で、お子さんのお困り事、トラブル等があれば、
国、社会情勢、学校、地域差など、かなり難しい問題ではあるので、情報を集められ、
ご家族に、必要な段階で(早い方いいケースもあると思います)、
学校や信頼できる方に相談されるといいと思います
どうしてもの時は違う学校への選択、休むことも必要だと思います。
眠れなくなるくらい考えてしまうかもしれません。
美味しいものを食べて、のんびりしたり、少しでも休んでください