春の教育書フェアというけどこの寒さは春じゃない。

寒くて外に出るのが嫌だったのと、その教育書の
売れ行きに寄り添っていたかったのとで、
今日も帰りがバイトくんたちと同じ時間になった。



更衣室で帰る準備をしていたところに鳴った電話は
元祖ソウルメイト、となり町の店長である。

「僕、今日はもう帰るよ。帰ると決めたから!
もう誰にも止められないよ!」と、
誰に止められたわけでもないだろうに、勢いよく
歩く姿がみえるようだ。雨に濡れなきゃいいけど。


イベントに来たあるキャラクターと撮った写真を
自慢気に送っていたのを元祖ソウルメイトは、
「うちの店はこの前来たから、僕の方が先に
ツーショット撮ったもんね!」と自慢返し。

「どうせ待ち受けにでもしたんでしょ」と言うと
「よく分かったね、社用ケータイだけどね」って
さすがというのか同じ年に生まれ、考えることは
同じみたいだ。



結局、話は、自分がどれだけ兄やんと親しいかという
幼稚な競争みたいなところに行き着いて、
「私、同じ愛媛出身だし!」といえば、
「僕なんか大学同じだもん」と返され、
最後は、やっぱ兄やんすごいよね、とまとまり、
向こうにバスが来たところで打ちきりになった。





何事も見方、考え方、そして取り組み方だ、
と思ったのは、バイトくんたちが休憩中に
愚痴を言っていたときのこと。

愚痴や不満を言えばきりがない。
辛い辛いとは言いながら、やっぱり仕事が楽しいのは
何からもどこからも誰からも、少しでもひとつでも
学びとってやろう、得してやろうという姿勢とか、
どうせやるなら一番になりたいから突き詰めよう、
という取り組み方なんじゃないか。

みんな、正しすぎるのだ。見つけようよ、自分で。

と思うのである。
そんなことを、たまに学生たちに語りたくなるけど
そんなときふと我を省みると、これがまた充分な
器の小ささなので、
影から密かに応援するだけという感じになっている。
そういうのは自分で気づくのが一番いいんだし。

と言えばかっこよく聞こえそうだけど、実際は
今は自分のことでいっぱい(いっぱい)なのだ。



そもそもこんなことを語るつもりではなかった。



iPodを充電したまま忘れて出てしまったから
無音の上、空腹で電車に乗ったら気持ち悪くなった。

思い出したように最近寝る前に弾いているギターが
緩和してくれるだろうか。
電話をかけようと思って、その前にメールをしたら
「今日やすみ?」と聞いたのにその答えが
「生きてます」だった。よっぴーである。

ひとりで仕事をいっぱい抱えてしまっているのだ。

いつも足早に電話を終わらせるくせに、今日は
「僕の悩みを聞いてくれますか」から始まり、
口調こそ穏やかなものの相当参っているよう。

何かいい話はないかと思考を巡らせてみたものの、
冗談を言って笑わせるくらいしかできなかった。


教育書がうまく爆発してくれるといいなぁ。




そのあとは、元祖ソウルメイトから電話があり、
昨日の臨店のお礼をとってつけたように言われた。

例によって今日あった出来事などを羅列するのだけど
喋っている間に悩みがどうでもよくなっていくのが
目に見えるのが、この人の面白いところである。
また私をタフガイだとからかってケタケタと笑い、
「いや、でもぼく、前田さんは尊敬してるんだよ、
んー、やっぱり尊敬はしてないなぁ、すごいなぁとは
よく思うよ」って何がすごいかわからないし
ほめられてるのか貶されてるのか怪しいとこだ。

まだ何か話したそうなところを、もういいでしょと
終わらせてしまった。きりがないから。


昨日はそいつが店長をする隣町の店舗に臨店し、
棚や何かの指摘もろもろ物言い役をしてきた。

最近はそこに常駐している、執事みたいな
お付きのおじいちゃん上司に助けられながら
私は今の仕事をしている。

すごく厳しい目をもった人なのだけれど、
私が女の子だからか親子ほど年が離れているからか
綿のようなもので包まれながら育てられている心地。

お昼のミーティングが長引いてお腹すいたなぁと
思っていたら、「前田さん食事いこう」と
初めて誘われ、二つ返事で付いていったんだけど、
てっきり定食屋だろうと思ったらまさかのラーメン、
「みんな旨いっていうんだよ、我馬って知ってる?」
こどもみたいな笑顔でうれしそうに言うし、
ラーメンなんて食べるんですかと聞いたら
「俺はラーメン大好きなんだよ」と言うから
私は嫌いなんですなんて言い出せるはずもなく、
仲良く焼き飯をセットにつけて食べたのでした。

恐れ多くもこんなおちゃめな一面がたまらない。





さて、今日は電話デーだった。

最後の相手は、ひょうひょうとしている代表の
侍マン。出会ってから最近異動になるまでずっと
同じ店にいたから、よく考えると初電話である。
用があってもメールで済ませていたし。

ここはここで、また大量に問題を抱えているらしく
あの侍マンが長電話をするなんて、というくらい。
駅のホームで電車を3本以上見送らせたのは
群馬の所長以外にはいない。

聞けば、ハゲる夢を見たというから、私はもう
それはそれはの大笑いである。
そんな話はそうそうする人じゃないので儲けた気分。

これを心の支えに、明日が締め切りの資料作成も
優に乗り越えられそうだ。




とは言っても、健康にはなにもかえられない。
今朝は改装で6時出勤だったので、もう峠である。

読書もOCも諦めて寝るとする。

シーズン3の最後でマリッサが死んだのは衝撃で
続きがめちゃくちゃ気になるけど。
という前に今さらOCかよ、ということだけど
最近の夢は、もっぱら
「ニューポートの高校生になりたい」である。。
もうしばらく集まれないかもしれないねと話していた
散り散りになる異動の話は違う方向に落ち着き、
来期もまた近いところで3人がんばれそうである。



出会って1ヶ月目はまだみんな同じ店にいて、
“明け方4時の花火”をしてから兄妹になった。
二人の兄が夜勤だったからその時間になって、
もう明るくなったからやめようよと面倒臭そうで
帰りたがる次男を無理やり引っ張ってきてくれた
女心をつかむのが得意な長男と、末っ子は私。



あれから5年も経ったんだねって話したのは一昨日で
出会った時から一児の父だった長男カシワギは、
あれよあれよと子だくさんになっていって、
もうすぐ4人目が産まれる。出世頭でもある。

一番の権威であるのは私だけど、この力も
次男、元祖ソウルメイトの面倒臭がりっぷりには
難航していて、やっとの思いで連れ出せるのは
多くて年に3回くらいである。

それも、すべて「一生のお願い!」作戦で、である。

カシワギくんには一生のお願いを毎日でも使えるが、
次男には、忘れた頃でないとダメなので難しい。
まぁそれでも一年に一生が3回も許されるのだから
根は優しい部類なんだろう。




そして今回はなんと、“一生のお願い”の中でも
最上級に難しい、プリクラを一緒に撮るという
交渉に出てみた。ほとんど力ずくだったけど、
ばっちり笑顔で写っていたので大成功である。

露出させないでよ!と念を押されたので、
仕事で持ち歩く手帳の“内側”に貼っている。




愛すべき昭和58年生まれの、3人組を
3(スリー…なぜならサンケーは汚い意味でしょ)K
と名付けて5年。私の元気のみなもとである。


このときだけは、兄やんが仲間外れになって
寂しそうなのは見て見ぬふり、でいいのである。