15分ごとに経過が貼り出される開票所からの電話を
事務所で待機し、模造紙に書き込むという大役が
あまりにも荷が重く、手はずっと震えていた。


当選したら秘書にしてやるけーの!なんて
雑談していた数時間前が信じられないくらい。
当の候補は、不思議と緊張していないと言っていた。


この1週間の選挙期間のみんなの頑張りが、
結果に表れる瞬間だった。
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やるべきことはたくさんあるはずなのに、
自分が何をすればいいのか全くわからなくって
ただウロウロして邪魔でしかないんじゃないか
と思っていた初日から9日間。


毎日気がつくとJRに飛び乗っていた。
廿日市は、もはや見知らぬよその土地ではない。
今日だって、まっすぐ自宅に帰ることに
違和感をおぼえるくらい。


ほんとは皆、素人で初めてのことばかりで、
手探りでやってるんだと知ってからは
候補やその取り囲むご家族や仲間たちに
うまく使ってもらいながら、1週間後には
ウグイス、街頭演説、電話番、夕食出し…と
一通り経験させてもらえていた。

それに、すごいのは、皆それぞれが自分を活かし
目に見えて形になっていった様子。
1週間後にはそれはもう立派な組織になっていた。
数日前に集結したとはみじんにも思えないような。


確かなことは、みんなが同じところを向いていた。
この人を当選させるんだと、動いていただけ。
それが結果に表れたとなれば、
私はもう、いろんな思いが込み上げてきて
開票所からの3回目、最後のコールを受けて
花を貼る瞬間には、涙がとまらなくなっていた。
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おこがましくも、家族のような居心地のよさを
感じていただけに、仕事に打ち込める日が戻り
少し切ない気持ちの帰り道ではあるけど、
思いのほか脱け殻にはなっていなくって、
むしろあの人たちに負けないように頑張ろうって
決意をあらたに兄やんに元気にそう告げたら
嬉しそうで私も嬉しくなった。

そうだよな、私はここでまだまだ頑張らねば
と、いつか候補が話してくれたように、
大きな声を出して一日過ごした今日でした。





数日寝泊まりしていたゲストハウスのような
“バックパッカーズ宮島”の青春っぽい匂いが
カバンに染みついてしまっていて笑ってしまう。


それと一緒に、確かに持ち帰った希望を胸に、
さまよってもやっぱりブレずに進もうと決めた。






最後にあらためて、、、
もう“候補”じゃないんですね、
荻村さん、本当におめでとうございます。
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未来の秘書より、愛をこめて。
3月末がどうとかいう話を粉々に砕くような、
まさかであり当たり前のような抜擢には、
拍子抜けというよりも驚く間もなかった。
それに今は本当にそれどころではないのだ。

来月はじまるであろう激務を盾にして、
いま、自由に目の前のことに専念できている。
「今週いっぱい1時間早くあがらせてもらいます」
と強気に出てみたら、兄やんはすごく笑って
なんだそんなことかというように「いいよ」と
軽く承諾してくれた。この甘い師弟関係。


よっぴーと侍マンは、そんなオーバーワークは
あんまりです、と腹をたててくれているけど、
苦労は買いたい質の私としては歓迎であり、
むしろそんなに苦でもないだろうと思うのは
甘くみすぎているのだろうか。

ただ、3月末の話をどうしようかという
くどいけど、それだけのことなのである。





今日乗った電車は滅多に遭わない満員電車で
窓からの景色が地元に似ていたので、
愛媛もこんなに満員になるのだろうかと
ふるさとに思いを馳せていた。


空の広いまちもいいかもしれないなぁ。
「私、いま2なんですよ」



「え、なにがなにが?」
と食いついてきた兄やんにとどめの一撃。

「やる気が。100ぶんの2。」


めげない兄やん、
「それ、どうやったら上がるの?」



宮本常一のような火付け役を目指す兄やんへの
ささやかな挑戦状である。



だからなのか知らないけど、荷開けが終わって
事務所に上がり、誰かのお土産をつつきながら
今日は尽きない本の話に花咲かせてこの時間。

理想論を語っていることはわかっているけど、
その時間がいちばん楽しいことも知っている。


気になっていた本を兄やんがすでに読んでいて、
「これ読んだら(やる気)40くらいになるかなぁ」
とつぶやくと、いきなりぱぁっと開けた顔で
「なるなる!120くらいになっちゃうかもね」
と言うから私はその時点で120になっていた。





ここ数日、飲みすぎていたのはお酒ではなく
3時間ももたない頭痛薬だった。
「用法・用量を守らないなら帰りなさい」
という侍マンから隠れるように飲んでいたけど、
今日は夕方まで飲まずに過ごせていた。

そういう侍マンも、かなりの頭痛持ちであり、
薬は飲まない主義だから、けっこう辛いはずだ。
誰も知らないけど。ひょうひょうとしているから。





さて、2ヶ月もの間、苦戦していた謎の企画が
いよいよ日の目を見ようとしている。
一番に持ちかけてくれた版元営業さんは同い年。


58年生まれ、「助太刀会」のメンバーはいま
どうしているだろう。

抱えすぎのよっぴーに、出世頭カシワギ、
そして、あ…ここにもいた、ひょうひょうとした
元祖ソウルメイト。

みんながんばれ。
私もまた名刺が新しくなって、いよいよに
逃げられなくなった。
忙しさなんかに負けてはいられない。




そしてそろそろ、大好きな季節がやってくる。
朝に見る星空の澄みきっていることといったら。