休みがことごとく仕事で潰れていくうちに、
12月が早、半分近く過ぎ去っていた。

今日の休みこそ!と思ったがそう甘くはなく、
中途半端な時間の細切れな仕事に追われて
負けた気持ちになったのはまだ未熟な証拠。


それでも、たまった私的な用事を、今日は絶対に
終わらせるんだ!と意気込んだ結果、
街と安佐南を鼻息荒く行ったり来たりして
疲れたけどまぁそこそこやりきった感じで
清々しい帰り道。



最終地点が横川駅だったので、しつこくも
岩国行きのホームを階段の下から眺めながら、
一番奥の可部線のホームへと急いだ。





兄やんがいつかしきりに言っていた。
「全国の書店員よ、跳べ!」と、えらそうに。


私も昨日は久々に、1日まるまる売り場にいた。

書店では、どの本がどのジャンルに入るのか
というジャンル分別は完璧にはなり得ないと
言われているが、数日目を離すとひどいもので、
どうしてこの本がここに入るのよ!という
とくに専門ジャンルにおいて、許しがたい、
かといってどう知識をつけてきたかというと
うまく説明できないけど、私の1日は最近は
その棚を直すところから始まるのである。


そしてあの新刊の量。限られたスペース、それも
ここ数年で改装により以前の8割くらいになった
棚の本数と格闘しながら出しきるということは
これまさに涙ぐましい努力の毎日なのである。


そしてそんな書店員の苦労をよそに本は、
特にビジネス書は、衰退の一途である。
これは、デジタル化とか電子書籍云々の話で
片付けられることでは決してなく、
どこか違うところの、あるべき得策のありかを
全国の担当者も探しているにちがいない。



『アイデアの99%』(英治出版)

読もうと思ってたら返品されてたんだな。
棚は激戦区、売れてなければ返される。
(この本はそこそこ売れてたんだけど。)
でもそれだけじゃ、私の色が出ないんだよ、
じゃあどうすればいいの?!

その繰り返し、日々闘いだ。

それでも本はやってくる。
明日は跳べるだろうか。


そんなことを考えていたら、髪の毛が
くるくるになっていた。

誕生月で半額だったとはいえ、久々に行った
マッサージも水の泡だ。古本に殺されそうだった。

レジフォローに入ったが最後、まんまと3時間
買取に追われることになった。
あんなに次から次にくるのもひさしぶりだ。
これでもかというくらい。

3時間後、やっと手を洗いにいったら、
石鹸の泡が、見事に真っ黒になった。


結果、手が空いたのは17時を回った頃で、
あまりの忙しさにふっとんでいた睡魔も
戻ってきたことだし、今日はDMチェックして
早く帰ろう、と椅子に座ろうとしたら、
もう腰が悲鳴をあげていた。





18時にあがって、兄やんとたこ焼きを食べよう
ということになり、買ってきてと言われたので、
「半分こですか、ひとつずつですか」と聞くと
「あ、僕ちょっともらうだけでいいから」
と言っていたけど、しっかり半分食べていた。

おまけに、一緒に売っていた、兄やんの大好物
たい焼き(あんこ)を買ってきてあげたら、
なぜか照れ笑いをしていた。
あとでこっそり見ていたら、自分の席で
すごい勢いで食べていた。

今日は何も食べれないくらい忙しかったのだ。


そして外界で繰り広げられる忘年会シーズンに、
「世間様は何をそんなに浮き足立ってんだよ」
と繁忙期を嘆いていた。


そうこうしてたら、めずらしく侍マンが
休日出勤してきたので、何か言わなきゃと思い、
「もうたこ焼きありませんよ」と唐突に言ったら
「ないなら言わなくていいよ!」と
ケタケタ笑っていたので、みんな笑って
眠いながらも愉快なアフター5になったこと。





刺すように空気が冷たいって、まだまだ
こんなもんじゃないのかな。

職業柄もあり、手は油がとられてスルッスルで、
ウォンツにて、レジ袋をひらけなくって、
2分くらい立ち往生してしまった。

普通なら、レジの人が開いて渡してくれるのに。





さて、またせわしい一週間がはじまるなぁ。
と、今にも眠りにおちそうな頭で未来を思う。
おやすみなさい、よい夢を。

できれば夢も見ることなく熟睡したいけれど。
4年近く、広島担当だったある版元営業さん。
今回は後任の方を連れての来訪だった。

いつか東京に遊びにいったときには、
神楽坂に飲みに連れていってくれたなぁ。
確認したら、それから3年半経っていた。



187㎝という長身で、立ち話は首が疲れた。

営業してる本からはかけ離れた本が好きで、
どちらかというと、というか明らかに
兄やんと趣味が合っていた。



毎度、夜は一緒に飲みにいっていたので、
昨日もそんなノリでじゃぁ!と別れたんだけど
よく思い直してみたら、といってもまだ
実感はないけど、もう会わないのか、と
しんみりしてしまった。

お嫁さんの実家、熊本へ移住されるのだ。



すぐかどうかは知らないけど、熊本の地で
古本屋をやりたいとのこと。

古本屋さんでコーヒーを出している姿が
思い浮かんでしっくりきたのでそう言うと、
「コーヒー出そうと思ってます」って、
やっぱり人はその人らしく生きるもんだなって
うんうん、と頷いた。




さっき、帰りがけに兄やんが読んでいたのが
宇田智子さんの新聞記事だったので、
また古本屋に思いを馳せることになった。

那覇で、あの、天下の、某書店をやめて、
閉店しようとしていた古書店を継いだ人である。

第一線で人文書を担当していた人が、
その400ぶんの1の面積の売場で古本を売っている。

目が行き届く店内だから、一人一人のお客さんに
ちゃんと本をすすめられる、というような
内容だった(確か…)けど、全国の書店員が
そんなロマンを感じながら働いていたら
こんないいことはないなぁと思い耽っていた。





さて、その担当さんが後押ししてくれていた、
私の密かな企てを、本格的に考え始めよう。

旅立ちの餞に、間に合えばいいんだけど。