本年度、賞レース主要部門を席捲しているジェーン・カンピオン監督の最新作。

2021年・第78回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞しています。

 

あらすじ eiga.comより

1920年代のアメリカ・モンタナ州を舞台に、無慈悲な牧場主と彼を取り巻く人々との緊迫した関係を描いた人間ドラマ。大牧場主のフィル・バーバンクと弟ジョージの兄弟は、地元の未亡人ローズと出会う。ジョージはローズの心を慰め、やがて彼女と結婚して家に迎え入れる。そのことをよく思わないフィルは、2人やローズの連れ子のピーターに対して冷酷な仕打ちをする。

 

 

 

 

冒頭から思わせぶりな意味ありげな不安をかきたてる音楽でざわざわさせられます。

そろそろなんか起きるかなー、そろそろよね、と期待しながら待っていて(笑)

なかなか何も起こらずお話は進んでいきます。

 

そしてやっとネタバレになるのでかけないのですが、ストーリーが動き出すあることが起きます。

それがはじまってから何分だったかなあ、もう一度確認してみようか(笑)、

私はそのシーンをみたとき、

「それだったんかーーーーーーーい」と、心の中でツッコミました。

(ちなみに何かを見つけるシーンです)

 

ジェーン・カンピオン監督は、日本に生まれてたら絶対池袋に通ってコミケ参加してたと思うんですよね。

日本の女子に妄想度合いが似てますよね。

 

ただ、それをこういう映像にすることができるかに、ものすごい差はあるけれども。。

ただ、感性という意味では萩尾望都せんせいにもつながるようなものを感じます。

 

ここまで書いたらお察しでしょうか(笑)

 

カンピオン監督はピアノレッスン、ある貴婦人の肖像と本作の3作しか見ていないのですが、

ある意味シャラマン監督にも通じるような…いろいろな時代、人間を切り取っていても

基本は同じことを映画にしていると思います。

 

性的な葛藤を時代が社会がゆるさない。

何より本人が自分をゆるしてない。

がんじがらめに縛り、縛られ、矛盾を抱えたまま収まっていたものの

かろうじての一線が、外から訪れた誰かによって崩されたときに何が起こるか。

 

しかし、これが日本ではそこまで罪を犯したような感覚にならない、

西洋(すごい古い言い方w)では、やはり罪を犯してしまった本人の苦しみや悶えがあるから。

欧米の(これもワンパターンな言い方w)人々が、表の自由の下に抱えている何かすごい黒いものがあるんでしょうね。

 

この映画は、よくできているけど、ここまで高い評価を受ける理由が正直わかりませんでしたが

私が思いつく限りでは上記が一因にあるのではと思いました。