6月20日(木)『飽くなき探求心』  
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江戸時代中期の安永3年、日本初の西洋医学の翻訳書『解体新書』が発行されました。翻訳したのは蘭学医の杉田玄白と蘭学者の前野良沢らです。
もとになったのはオランダ語の人体解剖書「タ—ヘル・アナトミア』です。
当時の日本は鎖国中で、庶民が海外の情報を知ることはできませんでした。
特に語学は遅れており、オランダ語の文字を読んだり書いたりできる人はほとんどいなかったのです。
杉田らは判明しているわずかな単語を頼りに、さまざまな資料をあたり、共通の言葉を探して意味を推測するという方法で少しずつ翻訳を進めました。そして約4年の歳月を掛けて本を完成させたのです。
翻訳は大変な苦労を伴いましたが、彼らは決して諦めませんでした。この本が最新鋭の医学を日本にもたらし、病に苦しむ人々を救うと信じていたからです。『解体新書』は、その後の医学の発展に大きな影響を与えました。この本にある「神経」「軟骨」「動脈」などの言葉は杉田らが新たに作った言葉で、今も使われています。先人たちの飽くなき探求心と熱意の積み重ねがあって、今の私たちがあることを忘れてはいけません。

【今日の言葉】先人の偉業に敬意と感謝を

《一言コメント》
江戸中期に、そんな苦労してまで翻訳して出来た本とは知りませんでした。
最新の医学を日本に導入したいという強い想いが、現代医学の元になっていることに感謝します

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※この記事は、コミニケ出版「月刊朝礼」より。ご希望の方は下記のHPで
https://www.kominike-pub.co.jp/